2005年にEU(欧州連合)加盟国を対象に行われた調査によると、ヨーロッパにおける平均的な労働者の8%がなんらかのかたちでテレワークに従事しており、SOHOを含めると約20%がテレワーカーに値する。しかし、ヨーロッパは日本のような均一的な国ではなく、実施率が極端に高い国もあれば、最近EUに加盟したルーマニアのようにテレワークはまったく実施されていない国もあり、こうした数値はあくまで平均値にすぎない。
テレワークに対するEUの取り組みは、1990年代に「テレワークに関する欧州議会」が始まり、テレワークに関する状況報告が作成されるなど、2000年代前半まではさかんに議論がされてきた。しかし、総局における新しい仕事環境を検討する部隊が2007年に解散するなど、EUは欧州全体の情報社会を目指す戦略を掲げているものの、現在ではテレワークがまったく取り上げられなくなってしまっているという。
ところがその理由は、ヨーロッパにおいてテレワークに対する関心が低下したというのではなく、欧州における先進諸国ではテレワークの概念がすでにあたりまえのものとなってしまったからのようだ。
ヨーロッパにおいて、労働者に占めるテレワーカー比率がもっとも高いのはオランダだが、以下はフィンランド、デンマーク、スウェーデンと北欧諸国が続いている。