午前3時ごろから、打ち上げ準備開始。テレメトリを受信する地上局の準備に、ランチャーの最終準備に、ロケットの最終組み立てが行われた。

ロケットの最終組み立てを慣れた手つきで行う前田祐義さん

完成したカムイロケットの機体をほれぼれと見る関係者

ロケットをランチャーに運ぶ

ランチャーで打ち上げを待つカムイロケット

5時15分くらいから、風が強くなり、雨も降ってきた。永田先生の顔が険しくなってくる。一人で海をじっと見つめる先生。GO(決行)かNO-GO(延期)かを決めるのは6時。それを決めるために、永田先生は漁協との打ち合わせに向かう。射場では、風力計で風力を測定している。打ち上げは、いろいろな条件を加味して、総合的に判断される。

6時くらいから、雨が小降りになり、風がやんできた。また、漁協との打ち合わせでは、どんな天候でも船を出すといってくださったそうだ。そして、GOの判断が出た。見学者が後方に、取材陣はその手前にと、打ち上げが近づくにつれて、見物場所の制限がかかってくる。

風力計で測定中

HASTICの伊藤献一副理事長。打ち上げ実施をアナウンス

7時25分。いつも植松電機で実験のときにかけているという『天空の城ラピュタ』の音楽が聴こえてくる。打ち上げに向けて緊張感が高り、取材陣は一度きりのシャッターチャンスを逃さぬよう、入念に準備をしている。カウントダウンは女性の声。北海道工業大学の1年生だという。白い煙が出てきて、小さな炎が出たと思ったら、カムイロケットは轟音とともに飛び立ち、あっというまに雲間に消えていった。拍手と歓声が上がった。

動画
打ち上げ時の映像。4方向からのカメラ映像を見ることが可能(ロケット本体に搭載されたカメラの映像は、後半からブルーバックになります。ご了承ください)。約4分(mp4形式: 15MB)
(動画提供: カムイスペースワークス)

7時45分。再び雨脚が強くなった。まるで、打ち上げのために、天気が待ってくれたかのようだ。雨の中、見学者たちが、ロケットが行ってしまったランチャーで記念撮影をしたり、スタッフに質問をしたり。こんなにロケット打ち上げ側と見学側が親しく交流できるロケット打ち上げも珍しい。

観客席の様子