米Sun Microsystemsは4月26日(現地時間)、IP通信を介してビデオ配信を行うプラットフォーム「Sun Streaming System」を米ニューヨーク市内で開催された「Tribeca Film Festival」において公開した。同システムは、Sun創設者の1人で、最近ではOpteronを搭載したx64サーバの「Galaxy」シリーズを開発したAndy Bechtolsheim氏によって設計されたもの。2Mbpsの帯域で、最大16万件の独立したビデオストリーミング配信が可能なパフォーマンスを持つ。

「ビデオ・オン・デマンドとIPTVは、2010年までに広く利用されることになるだろう」とBechtolsheim氏は述べ、プラットフォームの可能性と意義を語る。Sun Streaming Systemはスケーラビリティとコスト効果において最高のパフォーマンスを提供し、視聴者向けのユニークなコンテンツ配信と広告主のための広告配信の両方で事業者にビジネスチャンスをもたらす製品だと説明する。

Sun Streaming Systemは、これまでにBechtolsheim氏がリリースしてきたx64サーバ製品ラインナップを組み合わせた統合プラットフォームとなっている。x64ベースのSolaris 10を搭載したSun Fire X4100サーバを軸に、Sun Fire X4950 Streaming Switch、Sun Fire X4500 Data Serverなどの比較的安価なPCハードウェアで構成され、同プラットフォーム向けに開発された新しいソフトウェア製品の「Sun Streaming Software」がその上で動作する。同システムのSun Fire X4950スイッチには32個の10GbEポートが混載され、従来比で10倍の配信キャパシティ、1回線あたり50ドル以下の導入コストを実現する。また配信プラットフォームとして、次のような特徴を備える。

  • MPEG-2/4フォーマット対応
  • 1~20Mbpsまでのビットレート選択、SDとHDの両解像度の配信に対応
  • Network Personal Video Recorder(nPVR)機能対応
  • ターゲット広告配信のためのパーソナライズされたプレイリスト
  • CORBA、XML、HTTP、RTSPなどの標準技術に対応、既存の配信システムへの統合が容易

製品の提供は発表日より開始され、EDSやNortelを含む複数のISVらパートナー企業によってインテグレーションサービスが提供される。また欧州企業のAcetraxなどが、すでにベータ版の配信プラットフォームによるテストサービスの提供を開始しているという。