【腰に負担をかけない正しい寝方】
腰痛がひどい場合、夜寝ている最中にも、痛みでなかなか寝付けないこともあるでしょう。
人間はしっかり睡眠をとることで体を回復していくため、腰痛で眠れないと余計に回復を遅くしてしまいます。
今回は、腰痛がひどい時でも楽に眠れる寝方をご紹介します。
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紹介内容
腰全体に痛みがある場合の寝方
腰全体に痛みがある場合は、仰向けでも横向きでも、少し膝と股関節を曲げた寝方をおすすめします。
腰全体の痛みが出ることには股関節の緊張が関係しており、筋肉の緊張が骨盤の歪みを招くことで、腰に大きな負担をかけてしまうのが原因です。
特に股関節の前側、脚の付け根あたりの筋肉が硬くなると、寝転んだときに上手く脚が伸びなくなります。
脚が伸びなくなる分、腰を反って対応しようとすることで、余計に腰に負担をかけてしまうという仕組みです。
そのため、股関節と膝を軽く曲げ、股関節の前側にかかる緊張を緩和してあげることで、腰を無理に反ることなく寝転がれるため、腰全体の痛みを楽にしながら眠れるようになります。
腰の片側だけに痛みがある場合の寝方
腰の片側に痛みがある場合は、基本的に横向きの寝姿勢がおすすめです。
腰痛になってしまう方の多くは、背骨の前後のしなやかさが失われています。
背骨のしなやかさが無い状態で仰向けに寝ようとすると、背骨が上手く伸びてくれません。
横向きになると、脊柱起立筋という背骨のすぐ際にある筋肉の緊張が緩和されるため、いくらか楽に寝られます。
横向きでも痛みが出る場合は、仰向けになって腰の痛みがある方の膝を少し曲げる寝方も試してみて下さい。
腰が痛い方を上にする？下にする？
痛い方を上にすべきか下にすべきかは、腰痛の原因によって異なります。
慢性腰痛やギックリ腰など、単純に筋肉への負担蓄積によって起きている腰痛であれば、腰が痛い方を上にした方が楽な寝方になることが多いでしょう。
一方で、坐骨神経痛や梨状筋症候群など神経が圧迫して出ている痛みの場合は、痛みのある方を下にした方が楽になる場合があります。
神経痛の場合は、臀部（お尻の筋肉）が硬くなって症状を悪化させていることが多いです。
痛い方を上にすると臀部が引き延ばされる格好になるので余計に神経を圧迫してしまいます。
自己判断するとしたら、腰だけに痛みが出ている場合は痛い方を上、腰から脚にかけて痛みが広がっている場合は痛い方を下にするといいでしょう。
妊婦で腰痛が辛い時におすすめな寝方
妊婦さんの場合、妊娠初期から中期にかけてであれば、仰向けで膝が軽く曲がるような姿勢が楽に寝られます。
中期以降でお腹が大きくなってきたときは、横向きで膝を曲げる寝方がおすすめです。
妊婦さんは、骨盤が後ろに傾いてしまうことで腰痛がひどくなる傾向にあります。
胎児の成長に伴ってお腹も前に大きくなり、股関節も動かしにくくなって緊張してくることが、骨盤が後ろに傾く原因です。
そのうえ寝返りも制限されるため、寝姿勢は絞られてきます。
基本的には股関節の緊張を緩めるために、仰向けで膝を曲げた寝方がおすすめです。
しかし、中期以降でお腹が大きくなってくると、仰向けの寝方では圧迫感から息苦しくなってしまいます。
息苦しさを防ぐためには、横向きで膝を曲げることで股関節を緩める寝姿勢が腰の負担軽減におすすめです。
家にあるグッズを使って寝る時の腰痛を緩和する方法
ご自宅にあるグッズを使えば、簡単に腰痛を緩和する寝方を再現できます。
丸めた毛布
体の上にかける毛布とは別に、ロールケーキのように丸めた毛布を用意しましょう。
仰向けの状態で丸めた毛布を膝の下に入れることで、膝と股関節が曲がった状態になり、腰痛の緩和が期待できます。
毛布を2つ折りにしてから丸めるなど、高さを調節すればどんな体型の方にもフィットするためおすすめです。
バスタオル
腰痛を緩和させるために、横向きの姿勢で膝の間にバスタオルを挟んでみてください。
体型によっては、上になった方の膝が前後に落ちてしまうことで、腰痛を緩和させる寝方が上手くできない場合があるため、バスタオルを挟むことにより体が安定して寝やすくなります。
左右の膝同士が当たってしまう不快感も防げるうえ、安心感も増すので試してみて下さい。
ストレッチポール
一人で簡単に体の各部位を伸ばすのに役立つのがストレッチポールです。
買ってはみたものの、クローゼットで眠っているという方も多いのではないでしょうか。
ストレッチポールは腰痛を緩和する寝方を再現するときに優秀で、仰向けでも横向きでも使えて非常に便利です。
仰向けで膝の下にストレッチポールを通せば、自然に膝が曲がって腰痛を緩和する寝姿勢をとれます。
横向きで膝の間に挟んで抱き枕のように使うのも、自然に腰痛を緩和する寝方ができておすすめです。
自宅にストレッチポールが置いてあるという方は、ぜひ使ってみてください。
腰痛を悪化させてしまう寝方
腰痛を緩和する寝方を実践することはもちろんですが、そもそも腰痛が発生しやすくなってしまう寝方を避けるということも大切です。
枕を抱えたうつ伏せ
うつ伏せだと、少し腰が反るような形になりますが、背骨を反るという動きは、前に曲げる動きに比べて元々の可動域が狭い分、神経の通り道も狭くしてしまいます。
長時間そんな寝姿勢を続けていれば、腰痛はすぐに悪化してしまうでしょう。
特に、枕を抱えるようにして、上半身が少し持ち上がった状態のうつ伏せを続けるのは絶対に避けてください。
腰の反りが強くなってしまううえ、胸椎と呼ばれる背中付近の背骨にある筋肉も硬くなってしまいます。
胸椎の動きが悪くなれば当然腰の負担は増し、腰痛は悪化する一方です。
場合によっては、首の痛みも発生させてしまいます。
うつ伏せで漫画を読んだりスマートフォンを操作したり、長時間の継続は絶対にやめましょう。
寝返りが出来ない寝方
人間は、寝返りをすることで背骨や骨盤の細かなゆがみを整えているため、寝返りがほとんどできない寝方だと体のゆがみが悪化してしまい、腰痛に繋がる恐れがあります。
さらに、長時間同じ姿勢を続けることで筋肉が硬直するため、翌朝起きた時に腰痛が発症しかねません。
もともと腰痛持ちの方がほとんど寝返りをできない状況だと、まず間違いなく痛みが悪化すると考えた方がいいでしょう。
合わない枕を使っていたり、柔らかすぎて反発力のないマットレスを使っていたりすると、寝返りができなくなるので気を付けてください。
腰痛を改善するために正しい寝姿勢を心がけよう
腰痛を改善するために最も大切なことは、正しい寝姿勢を身に付けることです。
人間は夜眠ることで体の組織を修復しています。
正しい寝姿勢によって、人間が本来持っている自然治癒力を最大限発揮させない限りは、腰痛を根本的に断ち切ることは不可能です。
痛み止めなどの薬や湿布が、腰痛の根本的な原因を治しているわけではないことを頭に入れましょう。
確かに、薬を使えば今の痛みは少し軽減されるかもしれません。
しかし、なぜ腰痛になってしまったのか？痛みを繰り返さないためにはどうしたらいいのか？という根本的な原因を改善するには、自らの自然治癒力を引き出すことが大切です。
正しい寝姿勢を身に付けて、回復力の高い状態をキープできれば、腰痛だけでなく、その他の不調や病気の予防にも繋がっていきます。
自然治癒力の向上という、お金では買えない一生モノの宝物を手に入れるために、ぜひ寝方を考えてみてください。
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