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2 英語学習の落とし穴

TOEIC900点でも話せない理由――ビジネスで評価される"英会話力"とは?

Updated AUG. 29, 2025 09:39
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ビジネスの現場では、TOEICで900点以上の高スコアを持ちながら、会議ではほとんど発言できない――そんな人を目にすることがあります。

これは決して珍しいことではなく、私たちがこれまで支援してきた2万人以上のビジネスパーソンの中にも、「スコアは高いのに話せない」というケースは数多く見られます。

なぜこうしたギャップが生まれるのでしょうか。

今回は、その理由と、"ビジネスの現場で必要とされる英会話力"について掘り下げます。

TOEICで測れる力・測れない力

言語スキルは大きく2種類に分けられます。

  • 受容スキル:聞いたり読んだりして理解する力(リスニング・リーディング)
  • 産出スキル:話したり書いたりして表現する力(スピーキング・ライティング)

一般的に「TOEIC」と呼ばれるものの多くは、「TOEIC Listening & Reading Test」を指していることが多く、これは、聞く力・読む力、つまり受容スキルを測る試験です。

実際の英語使用場面では、まず受容スキルが土台となるため、特に中級者位まではTOEICスコアを学習の目安にすることは理にかなっています。例えば英語ミーティングでは、発言よりも聞く時間が圧倒的に長く、リスニングが会話の前提となるため、多くの人にとって優先的に取り組むべきは受容スキルの向上に向けた学習です。そのため、TOEICを学習進捗の目安として活用する価値は十分にあります。

しかし、受容スキルと産出スキルは別物。TOEIC900点でも会議で意見を述べられないことは当然あり得るんです。

話す力を決める2つの要素

  • "英会話力"を高めるために必要なことは?

    話す力を高めるために必要なことは?

リスニングなど受容スキルがまず重要であることをお伝えしましたが、とはいえ、会議での意見表明、プレゼン後の質疑応答、交渉の切り返しなど、特に経営層やマネジメント層の方であれば、自ら言葉を発しなければならない機会も多いのではないでしょうか。

その「話す力」を分解すると、核となるのは次の2つのスキルです。

  1. 文章化力

    相手の発言に対して、シンプルでもよいので瞬時に返せる力。

  2. 概念化力

    複雑な内容を整理し、相手にわかりやすく伝える力。

この2つは、「知識としての英語」を「使える英語」に変えるための右足と左足のようなもの。

どちらか一方だけでは前に進めず、両方そろって初めてスムーズに歩くことができます。

文章化力を鍛える「口頭英作文」

例えば、同僚に "How was your weekend?" と聞かれたら、

すぐに、"It was great. I spent time with my family."

と短く返せる。考え込まずにサッと回答できるのが文章化力です。

この文章化力を鍛えるのに有効なのが、「口頭英作文」というトレーニング

知っている単語と文法で日本語を即座に英語に変換し、口に出す練習です。

  • 文章化力を鍛える3秒トレーニング

(1) 日本語の短文を1つ決める(例:「これは私の担当です。」)

(2) 3秒以内に英語にして口に出す(This is my responsibility.)

(3) できなければよりシンプルに言い換えてOK(It’s my job.)

完璧な文を考えるよりも「言える範囲でまず返す」習慣が、会議での反応力を飛躍的に高めます。

通勤中にアプリやノートを使って「日本語1行→英語に即答」を10分繰り返すだけでも効果的です。

概念化力を鍛える「結論ファースト」

もう一つ重要なのが、「概念化力」。これは、言いたいことをわかりやすく整理する力です。英語は、結論を最初に提示し、その後に理由や詳細を補足する"結論ファースト"の構造で話すことが基本です。

❌ 日本語的(結論が最後)

Our service uses AI to analyze customer data, then it recommends products based on their preferences. It helps companies increase sales.

(弊社のサービスはAIを使って顧客データを分析し、その好みに基づいて商品を提案します。それにより企業の売上向上を支援します。)

⭕ 英語的(結論が最初)

Our service helps companies increase sales.

It uses AI to analyze customer data and recommend products based on their preferences.

(弊社のサービスは、企業の売上向上を支援します。AIを活用して顧客データを分析し、好みに基づいた商品を提案します。)

同じ内容でも、結論→理由・詳細という順番を守って話すだけで、英語の説明は驚くほど理解されやすくなります。

ちなみに、概念化力を上げるには、「結論ファースト」の構造を意識する以外にも、言いたいことを簡単な言葉に言い換えて話す「言い換え力」も重要ですが、こちらはまた次回お伝えしたいと思います。

まとめ

"知っている英語"と"使える英語"は別物です。

TOEIC高得点でも話せないのは、受容スキルと産出スキルの間に大きな溝があるから。

そして、その溝を埋めるためには、以下の2つのスキルが必要です。

  • 瞬時に返す「文章化力」
  • 結論から伝える「概念化力」

日々のインプットで得た表現を、口頭英作文や結論ファーストの習慣でアウトプットに変えて、ぜひビジネスシーンで使える英語力を養っていってください。


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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