自宅を快適にしたり光熱費を削減したりするのに、断熱リフォームは有効です。せっかくリフォームするのなら環境省の「断熱リフォーム支援事業」で補助金を受け取ってみてはいかがでしょうか。この記事では支援事業の概要、申請方法を解説します。
「既存住宅の断熱リフォーム支援事業」とは
環境省が推進するこちらの事業は、高性能建材による断熱リフォームを支援する取り組みです。北海道環境財団が事務局として推進していますが、全国の物件が対象となっています。
補助金を申請できるのは、原則として継続的に物件に居住している所有者の方で、賃貸の方は対象外です。
断熱リフォームは、住宅の断熱性能を向上させるための工事。具体的な工事としては、壁・床・天井・窓などに断熱材を追加したり、断熱性の高い建材に交換したりすることです。
断熱リフォームには、以下のように多数のメリットがあります。
- 冷房や暖房の効き目が良くなる
- 光熱費を削減できる
- 結露が少なくなり、カビの予防になる
- 寝つき・寝起きが良くなる
- 浴室や洗面所の寒さが軽減される
- 地球環境の改善にもつながる
断熱リフォームをすると自宅が快適になり、健康面でも多くのプラスがあります。快適な環境で健康的にゆったりとリラックスしたい方におすすめです。
リフォーム事業は大きく2つに分かれる
環境省の支援事業は、「トータル断熱」と「居間だけ断熱」の2種類に分かれます。ここからは、それぞれの内容を見ていきましょう。
トータル断熱
トータル断熱とは、断熱材・窓・ガラスを組み合わせて、断熱改修をすることです。戸建て住宅・集合住宅ともに対象になります。
補助対象となる建材に関して、要件が定められています。まずガラス・窓・断熱材は、この事業を推進する北海道環境財団に登録されている製品が対象です。具体的な製品は、財団のホームページで検索できますので、確認しましょう。
ガラス・窓・断熱材と同時に、玄関ドア、LED照明、熱交換型換気設備なども補助の対象になります。
居間(リビング)だけ断熱
居間だけ断熱とは、窓を使って居間をメインに断熱改修をすることです。居間とは具体的に、日常生活の中心であり、家族全員の在室時間が長い居室を指します。一般的にはリビングが該当することが多いでしょう。
トータル断熱と同様、戸建て住宅・集合住宅とも対象になり、補助対象となる建材に関する要件も定められています。
申請から交付までの流れ
補助金の申請から交付までの流れは以下のとおりです。
- 「交付申請書」と提出書類を作成・提出
- 交付申請書の審査・採択
- 「交付決定通知書」の受領
- 事業開始(契約・着工)
- 事業完了(工事・支払い完了)
- 「完了実績報告書」と提出書類を作成・提出
- 審査、現地調査など
- 「交付額確定通知書」の受領
- 「精算払請求書」の提出
- 補助金の入金
まずは財団の公式ホームページから申請書をExcelでダウンロードしましょう。パソコンなどで記入した上で、ファイルを指定のメールアドレスに送信します。
申請書を財団が審査し、認められると交付決定通知書が発行され、その後にリフォーム工事を行う流れです。財団による審査には時間がかかるため、工事期間は余裕を持って申請しましょう。
申請に関する注意事項
断熱リフォーム支援事業を利用しようと思う方は、以下の点に気を付けましょう。
複数回の利用は不可
補助金を受け取れるのは1つの物件につき1回のみで、複数回の利用はできません。また、トータル断熱と居間だけ断熱の併用も不可能ですので、どちらかを選ぶ必要があります。
支払い方法は原則現金のみ
支払い方法は原則として現金(振り込み)にすることと定められています。クレジットカードによる決済などをする場合は、財団に事前に相談しましょう。
部分的な断熱工事に注意
断熱工事を部分的に行うと、行った部屋と行わなかった部屋との温度差が大きくなります。ヒートショックを引き起こす恐れがあるため、注意が必要です。
現在の公募情報
本稿執筆時点では、令和7年6月の公募がされています。締め切りは令和7年8月8日となっているため、間に合うように申請しましょう。
なお、締め切りが設けられてはいますが、定期的に公募が出されています。締め切られていた場合、次の公募が出るまで待ちましょう。