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音楽を60日浴びせたワインは何が違う? スロベニアワイン「OTOHOGI」の魅力

Updated DEC. 01, 2025 17:08
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ワインに音楽を聴かせるとどうなるのか。そんな実験的なプロジェクトによって誕生したワインが「OTOHOGI(音祝ぎ)」です。樹脂や精密化学品、建材、リフォーム事業などを営むYKアクロス社が新たにスタートした新事業であり、2026年に結婚式場・ホテル限定の“結婚式専用ワイン”として展開されます。

さらに、発表後の大きな反響を受け、100本限定で個人向け販売も行うとのこと。個人で購入する場合は受付期間が2026年4月4日(土)~4月16日(木)、到着時期が4月中旬~5月予定となっています。

結婚式専用セレブレーションワイン「OTOHOGI(音祝ぎ)」とは

イベントが開催されたのは綱町三井倶楽部。1913年に建築され、かつては三井家・三井グループの迎賓館として用いられた会員制倶楽部です。

この歴史ある建物でお披露目されたのが「OTOHOGI(音祝ぎ)」。樹脂や精密化学品、建材、リフォームなどの事業を展開するYKアクロス社による新事業となります。

同社の田渕浩記社長によると、リフォーム事業を通じて「最高の空間作りには夫婦の円満が何よりも大切だと気づいた」ことが本プロジェクトの発端だったそう。結婚式にふさわしいワインを提供したいという思いから生まれたのが「OTOHOGI(音祝ぎ)」というわけです。

「OTOHOGI(音祝ぎ)」には二つの特徴があります。一つは、日本ではまだ見かけることの少ないスロベニア産ワインであることです。スロベニア(Slovenia)はイタリア、オーストリア、ハンガリー、クロアチアに囲まれたヨーロッパの国。EUで最も離婚率が低く、国名に「LOVE」を持つ“夫婦円満国”ということから、今回の「OTOHOGI(音祝ぎ)」プロジェクトに抜擢されました。

もう一つの特徴は、独自の熟成法「OTOHOGI製法」を採用していること。これは、ワインに特定の周波数の音楽を60日間聴かせることで、熟成を緩やかに促進し、味わいに微細な変化をもたらす手法だといいます。100名を対象にしたブラインドテストでは、98%が味の違いを実感したとのことで、田渕社長は「まるで音楽で心がほどけるように、ワインも作り手が届けたかったありのままの味わいを取り戻します」と自信をのぞかせていました。

日本ソムリエ協会名誉会長・田崎真也氏が語るスロベニアワインのすばらしさ

OTOHOGI製法については後述するとして、そもそもスロベニアワインとはどんなワインなのでしょうか。

登壇したスロベニア共和国大使館公使ミクラフチッチ氏によると、スロベニアは紀元前4世紀からワイン用ぶどうの栽培が始まり、ケルト族やローマ人によって広まった経緯があるといいます。

今回、YKアクロス社が「OTOHOGI(音祝ぎ)」として輸入するスロベニアワインは、赤ワインが「ヴィナコペル」、白ワインが「ヴィナクラス」というワイナリーによるもの。いずれも海沿いのイストラ半島で生産されており、ワールドクラスの賞も獲得しているスロベニア最高峰のワインなのです。

そんなスロベニアワインのすばらしさについて語るのは、日本ソムリエ協会名誉会長の田崎真也氏です。

田崎氏によると、スロベニアは面積が日本の四国ほどの小国で、約200万人の人口に対してワイナリーは400以上と非常に多く、多くの家庭で自家消費用のワインが作られているなどワイン生産の盛んな国とのこと。歴史的にもフランスと同じく紀元前600年頃からワイン造りが行われており、なんと樹齢450年以上を誇るぶどうの古木も存在するといいます。さらに現在世界で流行しているオレンジワイン製法についても、1844年に発刊された書物にすでに記載されているそうです。

スロベニアワインの産地は大きく3つに分かれており、オーストリアやハンガリーに接した地域では優れた辛口の白ワイン、甘口の白ワイン、スパークリングワインが生まれています。また、クロアチアに接する地域は白ワインと甘口ワインで有名です。

そして、近年評価が高いのがイタリアに接するエリア。「OTOHOGI(音祝ぎ)」もそうですが、ここではすばらしい品質の赤ワインが生産されています。

「OTOHOGI(音祝ぎ)」は赤も白も高品質かつクラシックな味わい

続いて日本舞踊尾上流師範・尾上嘉之介氏による「祝福の舞」が披露されました。祝意を舞によって伝える神聖な儀式と共に「OTOHOGI(音祝ぎ)」のボトルからワインが注がれ、いよいよその味わいを体験することに。

まず、白ワインですが、マルヴァジアというぶどう品種でオレンジワインのスタイルを採用しています。色は濃く、リッチでコクや飲みごたえのあるタイプ。黄桃やドライマンゴー、ナッツ、はちみつといった複雑で深みのある香りが立ち上がります。田崎氏によると、魚料理、特に伊勢海老やオマール海老を使った料理との相性が良いとのこと。また、家庭料理であれば上質な豚肉や鶏料理と好相性と述べました。

続いて赤ワイン。様々な品種をブレンドしたタイプで、ブラックベリーのような黒い色の果実が複雑に混ざりあった香りを放ちます。樽熟成からくるバニラやシナモンのような甘いスパイスの香りも感じられます。渋みはしっかりありますが、なめらかで心地よい印象です。田崎氏によると、黒毛和牛などの牛肉料理が最もマッチするとのことです。

テイスティングして個人的に感じるのは、赤ワインも白ワインも極めて高品質だということ。いわゆるナチュラルワインのような味わいではなく、クラシックな王道路線です。たしかに結婚式のようなハレの日にふさわしいワインと言えるでしょう。スロベニアワインの実力に驚かされました。

音楽を聴かせるとワインは変わる? 東京農大教授が語る研究結果

ところで、やはり気になるのは音楽を聴かせて熟成したという「OTOHOGI製法」です。たしかに、ワインに音楽を聴かせる手法は昔から存在しており、ワイナリーや保管倉庫などで実際に行っているケースもあります。

とはいえ、本当に変化するのでしょうか。

イベントでは、東京農業大学応用生物科学部・醸造科学科の徳田宏晴教授が登壇。音楽がワインの熟成に影響を与える可能性について話しました。

徳田教授の研究によると、特定の周波数(1000Hz)がワイン酵母の増殖を促進し、逆に4000Hzでは抑制することが判明したといいます。

また、モーツァルトの音楽を使用し、「音楽なし」「通常のモーツァルト」「周波数を調整したモーツァルト」の3パターンで比較。その結果、官能検査(人間の感覚による品質評価)では飲酒経験の乏しい学生でも明らかに違いがわかるほどの差が出たものの、機器を用いた化学分析では大きな差が見られなかったそうです。

この点について徳田教授は、「味や香りは数百から数千の成分によって構成されており、成分のわずかな変化が全体の印象を大きく変えるためではないか」と分析。「音楽の選択や世界観、多様性や調和を“特別感”として楽しむべき」とコメントしました。

イベントでは、実際に音楽を聴かせた赤ワインと聴かせていない赤ワインの比較試飲を体験することができました。

たしかに音楽を聴かせている赤ワインのほうがタンニンがまろやかに感じられ、そうでない赤ワインのほうはやや味わいに角があるように感じられます。高品質な赤ワインは熟成させたりデキャンタしたりすることで味わいがまろやかに、香りが華やかに開いていきますが、それと似た変化を感じました。

もちろん、事前に比較試飲だと聞いていたことで無意識に影響を受けた部分があるのかもしれません。徳田教授が言うように、化学分析をすれば二つのワインに大きな違いはないのでしょう。

ただ、少なくとも音楽を聴かせることで花開くという“物語”により、これまでにない贅沢なワインの楽しみ方ができることは事実です。

100本限定で一般販売も受け付けることが発表された「OTOHOGI(音祝ぎ)」。受付期間は2026年4月4日(土)~4月16日(木)、到着時期は4月中旬~5月予定です。愛とロマンのつまったワインをこの機に楽しんでみてはいかがでしょうか。


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。