米Hewlett-Packard (HP)は4月28日 (現地時間)、Palmの買収で同社と合意したことを発表した。HPがPalm普通株式1株につき5.70ドルを現金で支払い、総額約12億ドルの買収になる。
Palmは90年代後半のPDAブームの火付け役となったPalm Computingに始まり、U.S. Robotics、3Com傘下を経て2000年に独立。その後Treoシリーズで多機能携帯市場を切り開き、現在はwebOSを搭載する多機能携帯「Palm Pre」「Palm Pixi」を提供している。米国のハンドヘルド製品市場をけん引してきた企業だが、ここ最近はiPhone、Blackberry、Android端末との厳しい競争で販売台数が伸び悩んでおり、4月に入って身売りが報道されていた。
「Palmの革新的な基本システムは、HPのモビリティ戦略を拡大し、複数のデバイスにわたるHPならではのモバイル体験を実現するための理想的なプラットフォームになる」とHPパーソナルシステムグループのエグゼクティブバイスプレジデントTodd Bradley氏。さらに「Palmは貴重な知的財産と、熟練したチームを保有している」と述べている。
HPは現在Windows Mobileを搭載したiPAQスマートフォンを提供しているが、スマートフォン市場での存在感は薄い。マルチタスク、全てのアプリケーションを通じた情報アップデートなど、先進的な設計のwebOSプラットフォームの獲得でハンドヘルド製品のてこ入れを図る。なおHPによると、Palmの会長兼CEOであるJon Rubinstein氏はPalmに残る見通しだという。