つまりやすいのはどっち?「給水管」と「排水管」の構造
家につながっている配管の種類は「給水管」と「排水管」の2種類があります。そのうち、つまりやすいのは、ズバリ「排水管」です。地中に埋まる水道管から、家の中へと水を取り込む「給水管」と、汚水を家の外へ捨てる「排水管」。その大きな違いは「圧力」の有無が挙げられます。
給水管は例え2階以上の蛇口であっても、スムーズに水を運べるよう、圧力をかけて水を押し出しています。一方で排水管は、配管に勾配をつけて、自然に流れ落ちる原理を利用しているため、流した物の内容や量によってはつまりやすく、水圧によって自然に解消されるのは、なかなか難しい構造なのです。
さらに、排水口には下水道からの悪臭や害虫の侵入を防ぐため、「排水トラップ」という器具・仕組みが使われています。「封水」と呼ばれる水を常に溜めておけるよう、排水路が曲がりくねった形状をしており、洗浄が難しいのも特徴です。
トイレの排水管はなぜつまる?その原因は
「変な使い方はしていないし、トイレがつまるなんて滅多に起こらないでしょ」と思いがちですが、意外と身近なところに「つまりの原因」はあります。まずは、トイレがつまる原因になる使い方をおさらいしてみましょう。
原因その1:トイレットペーパー
意外なことに、つまりの中でも一番多い原因といっても過言ではないのがトイレットペーパーです。通常なら問題なく流れても、大量に使って一度に流そうとしたために、トイレがつまることは少なくありません。
ちなみに、トイレには一度に流せるトイレットペーパーの目安がありTOTOのトイレであれば、シングルで10mまで、ダブルなら5mまでが目安だそうです。カラカラと巻き取っているシーンを思い浮かべると、5mとはいえ、上限に達する可能性は珍しくなさそうですよね。
原因その2:節水のしすぎ or タンク内の故障による水圧不足
最近のトイレは基本的に節水仕様になっているものが多いため、トイレの中にペットボトルなどを入れて節水をする方法は、水量が足りず、つまりの原因になってしまうのでおすすめできません。
また、水がもったいないからと、トイレットペーパーをたくさん使ったにもかかわらず「小」の方で流そうとするのもつまりの原因となり得るため避けたほうが無難。
特に2階以上のトイレは汚物が蓄積しがちなので、最近の節水タイプで、排水管や汚水枡から完全に流しきるためには、「大の場合、2回流すと良い」とアドバイスされることも。節水を考えすぎて、日々トイレのつまりの原因を蓄積させておくのは得策ではありませんから、適量の水を流すようにしましょう。
適切な水量を選んでいるにもかかわらず、水圧が弱い、流れる水量が明らかに減ったなどの症状があれば、タンク内にある部品の故障が考えられます。
原因その3:「流せる」製品
トイレットペーパーにはJIS規格などで溶けやすさの基準が明確に定められていますが、いわゆる「トイレに流せる」ペーパー製品は、そのような基準が設けられていません。
そのため、「流せる」おしりふきや生理用品などは、トイレットペーパーを大量に使う場合と同様、流す際の水流には注意が必要。節水モードは避けたほうが無難です。
「流せる」ペット砂なども、「大」モードで何度かに分けて流したり、固まりをほぐしてから流したりするなど、工夫が必要。
もちろん、薄いからといってティッシュペーパーを代用すると、水に溶けず、つまりの原因になりますのでご注意を。
原因その4:落とし物
ポケットに物を入れたまま用を足したら、弾みで便器の中に落としてしまった、という経験をしたことがある人は少なくないはず。トイレの室内をいろいろとデコレーションしている人は、その小物などを落としてしまう場合もあるでしょう。芳香剤などのキャップ類をつまらせてしまう人も多いようです。
または子どもが小さなおもちゃやクレヨンなどを流してしまったという場合も。便器を覗き込んだ拍子に頭がはまってしまい、溺れてしまうという、大人では考えられないような事故も実際に起きています。小さい子どもがいる家庭は、安全面や衛生面からも「トイレで遊ばない」工夫をしてみてください。
落とし物が原因でつまりが発生した場合、薬剤で溶かすなどの対応ができないため、ひとまず落ち着いて、うっかり流す前に速やかに取り除く必要があります。
思わず流してしまったり、かき出そうと焦って奥に押しこんでしまったりすると、便器を取り外して回収せざるを得ない可能性が高まりますので、うろたえず冷静に、長手袋を装着して慎重に引っ張り出してくださいね。
原因その5:吸水性のある紙製品
例えば紙おむつや流せないタイプの生理用ナプキン、またはペットシートなど、吸水性に特化した紙製品は、トイレに落としたり、流そうとしたりすると非常に厄介です。
なぜなら、これらは水分を含むと膨らむ性質があり、特におむつは、シートのなかに入っている吸水ポリマーがびっくりするぐらい膨張し、トイレつまりの中でも重度の症状になってしまいます。
原因その6:吐瀉物(としゃぶつ)など
食品を直接トイレに流すことはあまり考えられませんが、体調不良などによる嘔吐(おうと)は仕方のないもの。ただし、消化不良などで大きな固まりが残っていたりすると、トイレの排水管をつまらせてしまう場合があります。
特に油分をたくさん含む場合は、便器はもとより、排水管内部にもこびりついてしまう可能性もあり、それが原因で詰まってしまった場合、配管の洗浄が必要になる可能性もあります。
小分けにしたりできない場合も含めて、トイレの便器〜排水管まで、油分が残らないよう、念入りに水を流すようにしましょう。
原因その7:黄ばみの正体「尿石」
トイレの掃除をさぼっていたら、トイレが黄ばんできてしまった…!という場合、それは「尿石」が原因です。
この黄ばみは、尿に含まれるカルシウムなどの成分が化学反応を起こして、便器内で石化したもの。あの嫌なアンモニア臭の元にもなります。これを放置するとどんどん蓄積し、とても頑固な汚れになるうえ、排水路をせばめることでトイレがつまる原因に。
アルカリ性の尿石に対しては、酸性の除去剤を使って掃除をするのが有効。仮に「トイレの洗浄」をうたう商品でも、薬剤が酸性かアルカリ性かによって、尿石が除去できるものとできないものがあるので、買う前に詳細を確認することをおすすめします。
トイレの排水管がつまる前兆を見逃さず、先手の対策を
いざ、トイレがつまって自宅で用を足せなくなってしまった時は、その対処法を知ることが急務ですが、次にそんなトラブルが起こるのをなるべく回避したい人は、「トイレがつまる前兆」を知っておきませんか?
トイレの排水管がつまりかけている時に現れるサインを知り、それを見逃さないようにしましょう。
知っておきたい「排水管がつまる前兆」とは?
- 水を流した時に便器内の水位が高くなる
- タンクから出る水量は変わらないのに汚物の流れが悪い
- 水を流すと「ボコボコ」「コポコポ」というような音がする
- 悪臭がする
便器内の水位が高いまま、全く下がらない場合は、すでに排水管がつまっているので、早急に対処が必要。じりじりと水位が下がっていくようなら、まだ水の通り道に隙間がある状態です。
「ボコボコ」などと音がする場合は、その異音がどこからするのかを突き止めることで、詰まっている場所を特定することができます。もし仮に、流れが悪いのが水量にありそうな場合は、タンクが故障している可能性が高いです。
トイレから下水のような悪臭がする場合も、排水管がつまり始めているサイン。通常より汚物を流すのに多くの水を必要とするため、封水に溜める水が不足することで、下水の臭いが上がってきてしまうのです。
自力で解消できるトイレのつまりとは?
いざトイレがつまってしまったら、自分で対処できるのか、プロを呼ぶべきなのか、判断に迷うことでしょう。自分で解消できるトイレのつまりは、「本来、トイレに流せるもの」が原因である場合のみ。
トイレットペーパーを多く流しすぎたなど、思い当たる節があり、流した物が「トイレに流せるもの」であることが分かっている場合は、これから紹介する方法にチャレンジしてみてください。
仮に固形物を落として奥に入り込んでしまった場合、間違った対処法をとることで、排水管のさらに奥まで入り込んでしまったり、便器や排水管を傷つけてしまう可能性も。その後にプロに依頼した場合、本来のトイレつまりであれば不必要だった費用がかかってしまうケースもありますから、注意が必要です。
トイレのつまり解消する前の事前準備
自力でつまりの解消を試みる場合は、安全かつスムーズに行うためにも、事前準備は必ず行うことをおすすめします。
(1)トイレ内の環境を整える
まずは万が一の場合に備えて、トイレ内の環境を整えます。次の点に注意して、準備をすると良いでしょう。
- トイレのディスプレーなど、作業の妨げになったり二次被害を起こしたりしそうな物は外に出す
- 床には新聞紙を敷く
- 水はねを防ぐため、便器に作業用の穴を開けたビニールをかぶせる
特に、トイレつまりでは悪臭や汚れによって不快な想いををすることも多いため、換気等を行い臭いの対策と、後にトイレ掃除が楽になるように新聞紙等で床や壁を保護してあげると良いでしょう。
(2)「止水栓」を閉める
便器を洗浄する水の量を調整したり止めたりする「止水栓」。トイレの交換作業や、水漏れの一時的な処置として、止水栓を閉める必要があることも。すでに水がたくさん溜まってしまっている場合は、止水栓を閉めておけば、誤って水をさらに流してしまったりするのを防ぐことができます。
止水栓の場所を見つけるには、床や壁から出ている給水管を探しましょう。一般的には、トイレタンクに繋がっている給水管の根本に、止水栓がついていることが多いです。
タンクレスの場合は、便器内に止水栓が収まっている場合もあるほか、ウォシュレットの止水栓と混同しやすいので、給水管がどこと繋がっているかをよく確認してください。
多くの止水栓は、そこに付いているネジをドライバーなどで、時計回りに動かなくなるまで回せば閉まります。そのほか、レバータイプの場合もあります。この際、閉めるまでに何回回したかをメモしておくと、故障前と同じ水量に戻すことができます。
(3)電源プラグを抜く
次に、自動洗浄トイレや、温水洗浄機能のついた便器などは、電源プラグを抜いておきましょう。故障の原因になるほか、一歩間違えば感電する恐れもありますので、ご注意を。
(4)つまりの原因と薬剤がマッチしているかを確認
排水管のつまりを解消する薬剤を使う場合、つまりの原因によって効果的なもの、効果を発揮できないものがあります。
考えられるつまりの原因と、使おうとしている薬剤の効果がマッチしているか、今一度確認しましょう。
「流せるもの」がつまった場合の解消法
では次に、自分で対処できる「トイレに流せるもの」が原因で、トイレがつまった場合の対処法を紹介します。軽度なつまりから、少々ガンコなつまりの解消まで、原因に合わせて参考にしてみてください。
解消法1:水やお湯を流す
まずは、軽度なつまりに試して欲しいのが、水やお湯の圧力でつまりを解消する方法です。特にお湯は、トイレットペーパーをふやかして、流れやすくするのに効果的。水温が高すぎると便器が割れてしまうこともあるので、40〜60℃に調整しておきましょう。特に便器自体が冷える冬は要注意。陶器である便器と、流し入れるお湯の温度差があればあるほど、割れやすくなります。
時間がある場合は、1時間くらいトイレットペーパーが溶けるのを待つと、つまりを解消しやすくなるでしょう。もし、便によるつまりの可能性が高い場合は、お湯と一緒に100ml程度の洗濯洗剤や食器用洗剤を入れると溶けやすくなります。ただし、粉末タイプではなく液体タイプを使いましょう。
- 排水口の水位をできるだけ低くする
- バケツなどに入れた水やお湯をできるだけ高いところから、排水口に向かってまっすぐ流し込む
- すぐに効果が見られない場合は、2〜3回繰り返す
これを試しても改善されない場合は、次の方法にチャレンジを。
解消法2:「ラバーカップ」もしくは空のペットボトルを使う
「すっぽん」のほか、いろいろな名前で呼ばれることがありますが、正式には「ラバーカップ」という名前のアイテム。トイレのつまり解消のための道具といえば、こちらを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
「ラバーカップ」は、便器の形や排水口の大きさに合わないと隙間ができてしまい、本来の効果を発揮できないので、和式トイレ用か洋式トイレ用か、また排水口のサイズ感を確認してから、それに合うサイズのものを買うようにしましょう。
- 水があふれそうな場合は、余分な水を捨てる。水位はラバーカップが浸るくらいまでにするのがポイント
- 事前準備で便器にかぶせたビニールの穴に、ラバーカップの持ち手を通して便器に入れる(水はね防止)
- ラバーカップを排水口に対して水平に、隙間ができないよう密着させる
- ラバーカップのカップ部分が凹むように、ゆっくりと持ち手を押し込む
- 勢いをつけてグッと持ち手を引っ張る
- 数回同じ動作を繰り返す
- バケツに溜めた水を少しずつ流してみて、スムーズに流れているか確認する
- 水位が上がることなく、水が流れていることが確認できたら、トイレの排水機能で水を流し、問題なく排水できれば終了
- ラバーカップは水でよく洗い流し、天日干しをしてから収納する
ラバーカップは、詰まっているものを押し出すのではなく、引き出して、排水路に隙間を作るための道具です。注意する点は「ラバーカップを強く、勢い任せに押し込んではいけない」「ゆっくり押し込む」ということ。無闇に空気を押し込むと、つまりが悪化してしまったり、過剰な圧力で排水管が破損したりする原因にもなりかねないので注意しましょう。
もし、持ち手を押し込もうとしてもなかなかカップが凹まない場合は、カップと便器の間に隙間ができないよう気を付けながら、持ち手を押す角度を変えるなどして試してみてください。
ちなみに、ラバーカップが手元になくても、空のペットボトルがあれば代用は可能。ペットボトルの底をカッターなどで切り取り、飲み口を塞いだ状態で、ラバーカップと同様に排水口に押し込み、ゆっくりと引っ張る動作を繰り返します。
引き出した物の中に、水に解けないものが混ざっていたら、再び流すことのないよう、手袋やトングなどを使って取り除いてください。この手法を使ってもまだ水の流れが悪い場合は、ラバーカップ以外の方法を試す必要があります。
解消法3:ラップやビニール袋を使う
ラバーカップも、手ごろなペットボトルもない場合、食品用のラップを使って圧をかける方法もあります。便器の上部をラップでふさぐように、5重くらいグルグルと巻き付け、ラップでフタをした部分の中央に手のひらを置き、押す、離すを繰り返します。
または、ビニール袋とゴム手袋が手元にあれば、ゴム手袋をきちんと装着した後、ビニール袋に手を入れ、排水口の近くで、手を押したり引いたりすると、つまりが抜ける可能性があります。
手近に専用の道具がない場合の応急処置として、試してみるのもよいでしょう。
解消法4:「真空パイプクリーナー」を使う
ラバーカップよりも強い圧をかけて吸い上げることができるのが「真空パイプクリーナー」です。特に紙によるつまりに効果的で、便器内の水位が低くても使えるのが特徴です。カップ部分は商品によってもさまざま。使い方はそれぞれの商品の説明に従ってください。
<真空パイプクリーナーの商品例>
解消法5:「ワイヤーブラシ」もしくは針金ハンガーを使う
圧をかけて引き出そうにも、なかなか動かず、つまっているものを崩したり、絡め取ったり、直接引っ掛けて引き出したりしたい場合は、「ワイヤーブラシ」を使う手もあります。プロ仕様の商品ワイヤー部分が長すぎる場合や、扱いが難しい場合もありますので、まずは家庭用のアイテムを試してみましょう。
ワイヤーの長さは、トイレのつまりを解消するだけなら2〜3mで十分。長すぎると扱いが難しくなるほか、ワイヤー自体でつまらせてしまう場合もあるので、長くても5m以下のものを選ぶと良いでしょう。商品選びに困ったら、トイレ専用の商品を選ぶのが無難です。
使い方は、ワイヤーブラシのヘッドの形状にもよりますが、排水口からワイヤーを差し込み、先に進まなくなったところでハンドルなどを回して、つまっているものを粉砕しながら流していきます。つまりが解消されて水位が下がってきたら、ラバーカップの時と同様、バケツに溜めた水を流すところから試してみてください。
ワイヤーブラシが手元になくても、形を変えられる針金ハンガーがあれば、代用することもできます。針金を直線状に伸ばし、排水口に差し込む側は丸を描くように整えてください。その部分につまっているものを引っ掛けて引き出すようにすると良いでしょう。
短い箸などを使うと、逆に箸まで奥に入り込んでしまう可能性が高いので、代用するのはおすすめできません。
<ワイヤーブラシの商品例>
解消法6:強めの洗浄剤を使う
もし、日頃のお手入れをあまりしていなかった人で、直前の使用に、トイレのつまりを起こすようなものを流した心当たりがなかったら、それは「尿石」が原因かもしれません。すでにつまってしまっている場合、日々のお手入れ用アイテムでは、解消しきれない可能性があります。
例えば市販されているプロ仕様のトイレ専用洗浄剤を使うなど、より強力な薬剤を選ぶ必要があるでしょう。
<トイレ専用洗浄剤の商品例>
そもそもつまらないトイレに!効果的な日々のお手入れは?
「用を足そうと思ったらトイレがつまって使えない!」「流したら水位が急上昇して大惨事に…」そんな事件はもう二度と嫌だ、という人は、ぜひ日々のお手入れを見直してみてください。
トイレつまりの前兆が現れるよりも前に、効果的なお手入れを実践してみませんか?
家にある「重曹」と「酢」を使ったお手入れ方法
トイレがつまる前兆の一つである「悪臭」を感じたら、早めにお手入れをしましょう。家にあるもので手軽に済ませる方法としては、重曹と酢、もしくはクエン酸を使うのが有名。
弱アルカリ性の重曹と、酸性の酢やクエン酸を混ぜることで、中和作用から発泡し、トイレの汚れを落とすことができます。
- 重曹 1/4カップ
- 酢またはクエン酸 1/2カップ
- ℃程度のお湯(便器の容量に対して半量程度)
- 排水口に重曹を入れ、次に酢またはクエン酸を入れる
- お湯を便器の半分くらいまで注ぐ
- 発泡したら1時間程度おく
- 水を流して終了
もし、トイレのつまりが発生している時に行う場合、あらかじめ溜まっていた水は捨てておきましょう。1時間放置した後、水を流す場合は、バケツに溜めた水を少しずつ流し、水位が上がってくることがないか確認してから、トイレの排水機能を使うようにしてください。
重曹や酢は多すぎると大量に発泡して、便器からあふれる場合があるのでご注意を。
クエン酸は塩素系漂白剤と一緒に使用しないでください。有毒な塩素ガスを発生させる恐れがあります。
手軽に専用の洗浄剤でお手入れ
重曹や酢のように、家に常備されているものを使うのも手軽ですが、専用の洗浄剤を使えばさらに簡単に手入れが可能です。酸性で尿石などに効果のある、トイレ専用の洗浄剤を使うのがポイント。
パイプ洗浄用の薬剤であっても、髪の毛などがつまる洗面台、食べ物や油分がつまるキッチンというように、つまりの原因によって使い分ける必要があります。薬剤によっては混ぜ合わせるのが厳禁のものもありますし、望む効果が得られないばかりか、本来の薬剤が使えなくなる場合もありますから注意してください。
また、尿石に効果のあるトイレ専用の洗浄剤でも、塩素ガスが発生しない薬剤を使い、「まぜるな危険」表示がない商品もあるので、安心して使いたい人はチェックしてみると良いでしょう。
<日頃のお手入れ向き/尿石に効果のある商品例>
・酸性洗剤は塩素系漂白剤と一緒に使用しないでください。
・便器の種類や素材によっては酸性洗剤の使用が禁止されています。
体や環境への負担を抑えるなら「バイオ洗浄クリーナー」を
強力な薬剤はなるべく使いたくない、という人は、トイレ用の「バイオ洗浄クリーナー」をおすすめします。天然由来のバクテリアを配合した中性洗剤で、一般的な中性洗剤よりも洗浄力は高く、強力な酸性洗剤のような刺激は少ないのが特徴。
定期的に使うことで、尿石の付着を減らすことができます。
ただし、すぐに尿石を溶かすような効果はないので、定期的に使うことをおすすめします。
<日頃のお手入れ向き/バイオ洗浄クリーナーの商品例>
3カ月に1度はタンク内の掃除をしよう
便器の掃除と違い、見逃しがちなのがタンク内の掃除。特に手洗いが付いているタイプの場合、タンク内に異物が混入し、故障の原因になる場合もありますから、3カ月に1度はタンクを開けて、中を確認すると良いでしょう。
また、タンク内に黒ずみ(カビ)が発生している場合は、ついでにキレイに落としておくと、臭いの予防にもなりますよ。
また、つまりの原因は、日々蓄積されるもの。前兆が現れる前に、日々のお手入れでつまりの原因を排除するのも大切です。
薬剤を使用するなら必ず換気を!
薬剤を使うなら、換気は必ず行いましょう。つまりを解消する場合はもちろん、予防のメンテナンスをするときでも、薬剤の臭いがキツい場合もありますし、大量に吸い込むと体の害になる場合も少なくありません。
念のため、ゴーグルやマスクを装着してから使用するのもおすすめです。
また、塩素系洗剤と酸性洗剤は同時に使用したり直後に使用しないように注意しましょう。混ぜると人体に有毒な塩素ガスを発生させてしまいます。使用する際は、使用上の注意をよく読み、正しく使いましょう。
万が一、混ぜてはいけない薬剤を混ぜてしまった場合は、たとえ換気を行なっていてもすぐにその場から離れましょう。
悪化させる前にプロに依頼すべきケースとは?
トイレのつまりは、これまでにも紹介してきた通り、家庭でできる対処法がたくさんありますが、無理をしすぎないことも大切。引き際を誤ってあれやこれやと手を加えてしまうと、便器の排水路や排水管自体を傷付けたり、最悪の場合、交換せざるを得ないことになったりする場合もあります。
例えば、今までの経験から「今回は何かが違う」と感じた場合や、トイレを交換したばかりで勝手が分からない場合、何がつまっているのか皆目見当もつかない場合など、手に負えないと感じたら、専門業者に任せてみましょう。最終的な費用はもちろん、無駄な時間を使わずに済むことも少なくありません。
ちなみに、軽度なトイレのつまりを解消するだけであれば、費用の目安は10,000 円程度です。
この機会に徹底的に!高圧洗浄のメリットと料金の目安
トイレがつまってしまったら、この機会にプロの高圧洗浄を試してみるのも良いでしょう。料金の目安は17,000円〜24,000円程度です。
住居には、トイレに限らず無数の排水管がありますよね。トイレに限らず、家中の排水管をキレイにする高圧洗浄は、定期的に行うと、つまりの元になるようなものを洗い流すことができるので、つまりによる排水管の水漏れや破損を防ぎ、長く使うことができるでしょう。
さらに、悪臭や害虫の発生を防ぐことができるのもメリットです。
住まいがマンションの場合はまず管理会社に相談を
家の排水管を一気にキレイにできるプロの高圧洗浄ですが、マンションの場合は、ほかの世帯と排水管がつながっているため、各家庭の判断で勝手に行うのは避けましょう。
多くの場合、1〜2年に1度の頻度で、業者に依頼した高圧洗浄を行なっている管理会社が多いですが、中には全く行われないケースもあります。自宅の状況を確認するためにも、まずは管理会社に相談をして、対応を決めることをおすすめします。
まとめ
自宅に1カ所しかないトイレがつまるような悲劇は、なんとかして早く解消したいもの。慌てて事を複雑にすることのないよう、しっかりと事態を見極めて、それに合う対処法にトライしてみてください。
くれぐれも、事態を悪化させないように、プロに依頼する選択肢も視野に入れて検討を。
また、そんな事件を起こさないようにするコツやお手入れは、意外と手軽にできるので、ぜひ実践してみてくださいね!
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※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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