洗面所の排水口がつまる原因
そもそも、なぜ洗面所の排水口はつまってしまうのでしょうか?
「つまるようなものは流していないはずなのに、なぜ?」と、疑問を抱く方もいらっしゃるでしょう。
排水口がつまる主な原因は、以下の3つです。
- 髪の毛やひげ
- 洗剤類の残りカス(歯磨き粉、ヘアワックスなども含む)
- 顔や手指の皮脂
排水口は、生活のなかで自然に発生する汚れやごみでつまることがほとんど。
しかし一口に“つまり”といっても、これらの汚れがヘアキャッチャーに絡んでいるだけの場合と、排水管に蓄積している場合の2パターンがあります。
排水管に蓄積している場合、以下の段階でぬめりに変化していくので注意が必要です。
- 1. 洗顔や手洗いで発生した洗剤類の残りカスが排水管の内側に付着
- 2. 残りカスで雑菌が繁殖し、ぬめりが発生
- 3. ぬめりに新たな残りカスや髪の毛、ひげが付着
- 4. 大きくなったぬめりが排水管をふさぎ、つまりが発生
また上記に説明した原因以外に、「小物を落としてしまった場合」や「洗面所で嘔吐し、吐しゃ物が流し切れていなかった場合」なども、つまりの原因となり得ます。
具体的に小物とは、ピアスや指輪などのアクセサリー類、化粧品のふたなどです。
まとめると、排水口がつまる原因は以下の5つ。
- 髪の毛やひげ
- 洗剤類の残りかす
- 顔や手指の皮脂
- 小物類(アクセサリーや化粧品のふた)
- 吐しゃ物
排水口がつまってしまう原因はいろいろあり、つまりを解消するためには原因に応じた対処が必要です。
続いては、洗面所の排水口がつまった際に素早く解決する方法を解説します。
排水口のつまりを素早く解消する方法
ヘアキャッチャーや排水管は汚れがたまりやすく、排水口のつまりの原因箇所となっているケースが多数あります。
排水口がつまったときは、まずヘアキャッチャーと排水管にある原因を取り除く方法を試しましょう。
具体的な方法は以下の2つです
- 1. ヘアキャッチャーを掃除する
- 2. ラバーカップを使ってつまりを取り除く
それぞれの詳しい手順を解説していきます。
1. ヘアキャッチャーを掃除する
ヘアキャッチャーに汚れがたまってつまりが発生した場合、掃除で簡単に解消できます。
用意するものは以下のとおりです
- 歯ブラシ
- スポンジ
- 掃除用中性洗剤(例:ウタマロクリーナー)
上記以外に、手荒れが気になる場合はゴム手袋を用意しておくと良いでしょう。
続いて、具体的な掃除の手順を紹介します。
- 1. ヘアキャッチャーを取り外し、大きな汚れや髪の毛などを手で取り除く
- 2. 中性洗剤をつけた歯ブラシとスポンジで、取り切れなかった汚れやぬめりを洗う
- 3. 洗剤を流し、ヘアキャッチャーをもとに戻す
手順1で取り除いた汚れを流してしまうと、排水管でつまりが発生する原因になります。
つい流したくなるかもしれませんが、ティッシュで包んでゴミ箱に捨てるようにしてください。
なおヘアキャッチャーに黒カビが発生している場合、「キッチン泡ハイター」や「カビキラー」など、泡タイプの塩素系漂白剤できれいにできます。
上記の手順で汚れを落としたあと、塩素系漂白剤をスプレーして15分ほど放置し、洗い流せば完了です。
ただし洗面台の材質によっては塩素系漂白剤で変質する場合があるため、洗面器や使い古したコップなど、器のなかでスプレーするようにしてください。
また塩素系漂白剤を使う際は換気をおこない、絶対に酸性の洗剤や酢と一緒に使わないよう注意しましょう。
2. ラバーカップを使ってつまりを取り除く
排水管でつまりが発生した場合、ラバーカップで解消できる場合があります。
ラバーカップというと聞き慣れないかもしれませんが、いわゆるトイレで使う「すっぽん」と同じもの。
大きな吸盤に持ち手がついた、水圧を利用してつまりを解消する道具です。
ラバーカップを使うとき、むやみに押し引きをしてしまいがちですが、この使い方にはあまり効果がありません。
むしろ押したときの勢いでつまりが悪化したり、異物がある場合は排水管に傷がついてしまう可能性があるんです。
ラバーカップを効果的に使うコツは、「徐々に押し込んで一気に引く」こと。
コツを踏まえつつ、具体的な手順を紹介します。
- 1. 洗面ボウルにあるオーバーフロー穴(水があふれないようにするための穴)をガムテープやタオルでふさぐ
- 2. ラバーカップを排水口に軽く当てる
- 3. 排水口に対して持ち手を垂直にし、ゆっくりと押し込む
- 4. 排水管の中の水を手前に引き上げるようなイメージで、数センチ勢いよく引く
- 5. つまりが解消されるまで、何回か繰り返す
洗面台に水をためてから上記手順をおこなうと、水圧がかかりやすくなるためより一層効果が期待できます。
通常の方法でつまりが解消されなかった場合は、ぜひ試してみてください。
ラバーカップは100円均一やホームセンターにありますが、トイレ用と洗面台用は形が異なるので、購入時は形をしっかり確認しましょう。
またラバーカップが手元にない場合やすぐに購入できない場合は、
- 真空式パイプクリーナー
- ペットボトル
でも代用できます。それぞれの使い方も確認しておきましょう。
真空式パイプクリーナーの場合
真空式パイプクリーナーは、ラバーカップと同じ原理で排水管のつまりを解消する道具の名称です。
先端が小さく排水口に密着しやすいほか、ハンドル式で押し引きしやすい特徴があります。
真空式パイプクリーナーを使った掃除の手順は以下のとおりです。
- 1. 洗面ボウルにあるオーバーフロー穴をガムテープやタオルでふさぐ
- 2. 真空式パイプクリーナーの先端を排水口に軽く当てる
- 3. ハンドルを握り、10回ほど押し引きを繰り返す
- 4. クリーナーを排水口から離し、つまりが解消されたか確認する
ハンドルを押し引きするときは、ラバーカップのときと同じく「押すときはゆっくり、引くときは勢いよく」がポイント。
真空式パイプクリーナーはネットショップのほか、ホームセンターでも購入できます。
ペットボトルの場合
専用の道具がない場合、ペットボトルでもつまりを解消できる場合があります。
ラバーカップや真空式パイプクリーナーよりは効果が低めですが、応急処置としては有効です。
用意するものはペットボトルのみ。
飲み口が排水口にぴったりはまるサイズで、へこませやすいやわらかな材質のペットボトルが適しています。
以下に具体的な手順をまとめました。
- 1. 排水口のヘアキャッチャーやふたを外す
- 2. ペットボトルの飲み口を、隙間ができないように排水口へ差し込む
- 3. ペットボトルがある程度つぶれるまで、排水口に差し込んだまま押してへこませる
- 4. ペットボトルがへこんだ状態を維持したまま、勢いよく引き抜く
- 5. つまりが解消されるまで3と4を繰り返す
手順3がラバーカップを押し込む動作、手順4がラバーカップを引き抜く動作にあたります。
ペットボトルさえあればよいので、道具が手元にないときはぜひ試してみてください。
【洗面所】排水口のつまりを予防する方法
洗面所は毎日何度も使う場所なので、つまってしまうとかなり不便ですよね。
そんな不便な状況に陥らないためにも、日頃からつまりを予防することが大切です。
ここからは洗面所の排水口をつまらせないために注意すべき点や、頻度別のおすすめ掃除方法を紹介します。
1. 洗面台に髪の毛やほこりを流さないように注意する
洗面所の排水口がつまる主な原因は、「髪の毛やひげ」と「洗剤類の残りカス」からできる汚れです。
汚れがヘアキャッチャーや排水管にたまることで、つまりが起こってしまいます。
逆にいえば、汚れの原因を減らすことで、つまりの発生もある程度防げるということ。
「洗剤類の残りカス」を流さないのは難がありますが、「髪の毛やひげ」を流さないようにするのは簡単です。
具体的には朝の身支度や風呂あがりに髪を乾かしたあと、洗面台に髪の毛が落ちたときに、流すのではなくまとめてゴミ箱へ捨てるだけ。
ティッシュを使えば髪の毛に触れることなく、そのまま捨てられます。
また洗面台の周辺で発生したほこりも、流すのではなくできるだけゴミ箱へ捨てるようにしましょう。
2. 【毎日〜週1回】ヘアキャッチャーを掃除する
髪の毛やほこりを流さないようにいくら注意していても、ヘアキャッチャーには何かと汚れがたまっていくもの。
そのため毎日、もしくは最低でも週に1回は、ヘアキャッチャーを取り外して掃除することをおすすめします。
掃除の手順は紹介済みですが、あらためて以下にまとめておきます。
【用意するもの】
- 歯ブラシ
- スポンジ
- 掃除用中性洗剤(例:ウタマロクリーナー)
- ゴム手袋(必要であれば)
【具体的な手順】
- 1. ヘアキャッチャーを取り外し、大きな汚れや髪の毛などを手で取り除く
- 2. 中性洗剤をつけた歯ブラシとスポンジで、取り切れなかった汚れやぬめりを洗う
- 3. 洗剤を流し、ヘアキャッチャーをもとに戻す
「毎日の掃除は汚れを軽く取り除く程度で済ませ、洗剤で掃除するのは週に1回」といった形にしても、十分効果的です。
大切なのは、汚れが排水管でたまってしまう前に取り除くこと。
こまめに汚れを取り除くことを習慣にしましょう。
3. 【月1回】パイプクリーナーで排水トラップを掃除する
「こまめに掃除すれば、排水口はつまらない」
そうだとわかっていても、面倒になってしまいなかなか掃除できないこともありますよね。
そんなときは月に1回、パイプクリーナーを使って排水トラップ(排水管のS字部分)を掃除しましょう。
この方法は、ヘアキャッチャーをこまめに掃除している場合も有効です。
パイプクリーナーとは、いわゆる「パイプユニッシュ」や「ピーピースルー」といった商品のこと。
排水管につまった汚れ(髪の毛や洗剤類の残りカス)を分解し、つまりを解消してくれます。
液体タイプや粉末タイプなどがありますが、基本的な使い方は排水口から入れて放置しておくだけなので、とても簡単です。
またパイプクリーナーに含まれる「水酸化ナトリウム」の濃度が高いほど、髪の毛に含まれるタンパク質を強力に分解してくれます。
掃除前に「水の流れが悪いな」「つまり気味だな」と感じている場合は、水酸化ナトリウムの濃度が高いパイプクリーナーを選ぶと良いでしょう。
<パイプクリーナー商品例>
洗剤を使用しても排水口からの臭いが消えない場合はこちらの記事を参考にしてみてください。
重曹と酢でも排水トラップを掃除できる
排水トラップは重曹と酢を用いても掃除できます。
用意するものは以下のとおりです。
- 重曹……100〜200g
- 酢……重曹の半量
- 40〜50度のお湯……適量
酢は1ml=1gなので、単純計算で重曹のグラム数の半量を用意しましょう。
重曹が100gなら酢50ml、200gなら100mlが目安です。
酢の匂いが気になる場合は、クエン酸でも代用可能。
その場合、水100mlあたりクエン酸小さじ1/2杯(約2〜3g)の比率で溶かしたものを使ってください。
続いて、具体的な手順を紹介します。
- 1. 排水口から排水管をめがけて、重曹を振りかける
- 2. そのうえから酢(もしくはクエン酸水)を注ぐ
- 3. 泡が発生したあと、30分〜1時間放置する
- 4. 用意した40〜50度のお湯をかけ、排水管を洗い流す
酢やクエン酸には消臭効果もあるため、上記の方法なら排水口のいやな臭いも解消されます。
重曹やクエン酸は排水管の掃除以外にも使えますし、最近では100円均一などで手軽に購入できるのでお財布にもやさしい方法です。
排水管・排水枡は無理に触らず水道業者に依頼しよう
ここまで紹介した方法でつまりが解消されないときは、「排水トラップの奥の排水管」や「排水枡」が原因の可能性が大いにあります。
この場合、素人では対処が難しく、
- 無理に直そうとして取り返しがつかなくなる・事態が悪化する
- 万が一直っても、のちの水漏れの原因になる
といった可能性も。
また、つまりの解消方法として「排水トラップの分解清掃」を勧めているケースもありますが、こちらも安易に手をつけるべきではありません。
ナットの分解が必要なトラップの場合、うまくもとに戻せず、ナット部分から水漏れしてしまうケースも発生しています。
「難しそうだな」「不安だな」と感じた場合は、無理せず水道業者に修理を依頼しましょう。
自己流で修理して事態が悪化する前に、早めに相談するのが得策です。
良い水道業者選びのポイントも、簡単に紹介しておきます。
- 1. 修理費用が適正(高すぎず、安すぎない)
- 2. 水道局指定工事店である
- 3. 実績が豊富
- 4. 24時間対応やアフターフォローなどサービスが充実している
特に重要なのは「水道局指定工事店」であること。
指定工事店は「工事に必要な機材の内容」「給水装置工事主任技術者の在籍状況」など、厳しい基準をクリアしているため、一定の信頼度があり安心です。
水道業者に【排水口のつまりの修理】を依頼した場合の相場
最後に、水道業者に「排水口のつまりの修理」を依頼した場合、どのくらいの修理費用がかかるのか、ざっくりと紹介します。
作業内容 | 費用相場 |
---|---|
軽度のつまり除去 | 5,000〜8,000円 |
高圧洗浄機やトーラー機を使うつまり除去 | 2〜5万円 |
ぬめり・汚れのかたまりなどが原因の軽いつまりであれば、修理費用は数千円程度。
しかし汚れが奥でつまっていたり、固くなっていたりする場合、高圧洗浄機やトーラー機を使う必要があるため、費用が一気に跳ね上がります。
痛い出費にならないよう、日頃から対策しておきたいですね。
まとめ
そんな洗面所の排水口がひとたびつまれば、日常生活がかなり不便になってしまいます。
ひどいつまりになってしまう前に、この記事で紹介したつまりの予防方法や解消方法を、ぜひお試しください。
万が一完全につまってしまい、解消方法を試しても直らなかったときは、悪化する前に水道業者へ修理を依頼しましょう。
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※記事内で紹介した水道業者様は編集部が独自にリサーチを行い、料金や口コミ等、様々な情報を基に
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