アヴネットは来る11月26日、オンラインイベント『AI Discovery Day 2020』を開催する。このイベントは、ヨーロッパに拠点を置くAvnet Silicaが今年6月に行ったイベントを、日本の産業界向けにアレンジして開催するものである。
タイトルに"AI"とあるようにテーマとなるのはAIであるが、ほかのAIテクノロジーのイベントと異なるのは、「産業界におけるAI」をテーマにしていることだ。産業界のどんな分野にどのようなかたちでAIが活用でき、それに向けてどんなAIの新技術が登場し、どんなソリューションが用意され、その結果として業務がどう改善されるのかが紹介される。
日本の産業界に"発見"を提供する
日本の産業界にも少しずつAI採用の兆しが見え始めているのはご存じの通り。だが、その歩みは残念ながらゆっくりとしたものである。理由のひとつには知見を持ったエンジニアの数が十分でないことが挙げられるが、成功事例として伝えられているものの多くは情報が古く、必ずしも現在の状況にマッチしないこと。また、そもそも現場が慢性的に人手不足で新しいことを始められないほか、国際化対応や業務改善など、阻害要因はいくつかある。
ただ、本来産業界向けAIは、こうした阻害要因を一気に解決する可能性を秘めた技術であり、一見遠回りにみえるAIへの取り組みが、結果的に阻害要因解消に繋がる可能性は低くない。ただそうは言っても、AIは産業界とは無縁と考えられる方はまだ多い。こうした方に、AIと産業界は親和性が高いと「発見してもらう」のが、このイベントの最大の目的である。だからこそ、イベントのタイトルはAI "Discovery" Dayとなっている訳だ。
加えて言えば、いわゆるAIそのもののトレンドとして、これまでCloud側で行っていた処理を次第にEdge側に移行していくという動きが顕著になりつつある。もちろん、引き続きCloud側でないと処理出来ない大規模な推論処理は存在する。
たとえば9月にMicrosoftが独占的ライセンスを取得したことで話題になったOpenAIのGPT-3という言語モデルの場合、パラメータが1750億個も存在する。いくら推論とはいえ、これだけ大規模なモデルを現在のEdgeで動かすのは論外であり、引き続きCloudを利用していくしかない。ただEdgeにおける処理性能も上がりつつある。従来はEdge AIといえばGPUカードを複数枚並べて”ひたすら回す”という実装しかなく、消費電力やフォームファクタの観点で利用できるシーンが限られていた。ところが最近はFPGAを利用した実装や、AI Accelerator内蔵のSoCの出現、あるいはDiscreteのAI Acceleratorの利用など、これまでとは異なる実装形態が可能になってきたことで、これまで無縁だった場所での利用が現実的になってきた。沖合船上でのAIを利用した尾数計測など、これまでは絶対無理と思われていた環境でも、AIを利用したアプリケーションを利用できるようになりつつある。
日本のAI、FPGAの権威 TAI 中原 啓貴氏が登壇
イベントの基調講演を飾るのは、東京工業大学の准教授で、トウキョウ アーチザン インテリジェンス 株式会社(以下、TAI) CEOの中原 啓貴氏。
同氏は、FPGAの4大トップカンファレンスであるACM FPGA、IEEE FCCM、IEEE FPL、IEEE FPTに、日本人としては唯一筆頭著者としてフルペーパーを採録されているほか、2009年より11年連続で学術賞を受賞しており、さらにディープラーニングに関するハードウェア研究の実績も多数ある。未踏の第2期AIフロンティアプログラムメンターも兼任するなど、AIとFPGAに関する第一人者である。
また、同氏がCEOを務めるTAIは、マルハニチロ(株)と共同でブリ・カンパチの尾数自動計測を行う「AIトラッキング魚体計数機」の開発を手掛けるなど、日本の産業界との関わり合いも深い。日本の産業界におけるAIというキーワードにふさわしい知識と経験を備えた中原氏の講演は、必ずや参加者の業務改善のヒントになる話が含まれているはずだ。
産業界におけるAI活用のヒント
基調講演に続くアヴネットセッションでは、6月に開催されたAvnet Silicaのイベントにも登壇したMichael Uyttersprot氏がプレゼンターを務める。
同氏はAvnet SilicaのMarket Segment Manager, AI-Machine Learning-Visionという立場にあり、AIを利用したMachine Visionのシステムを手掛けている。そのUyttersprot氏が登壇するアヴネットセッションは、AIにそれほど詳しくない方を対象に、そもそもAIとはどんな技術であり、それでどんなことが可能になるかについて、平易な言葉で判りやすく説明してくれる。そして、具体的にその技術を使うことで、産業界にどんなソリューションが提供できるのか、その実例をあげながら紹介してくれる。水産業における魚の生育状況の可視化や、農業における画像認識の応用、製造現場などにおける安全性確保の確認など、AIを利用することで産業界にどんなメリットがあり、仕事の進め方がどう変わっていくかをわかりやすいイメージとともに紹介する。
これらのセッションのほかにも、XilinxやMicrosoftなど、アヴネットのサプライヤーによるソリューションの紹介セッションが行われるほか、クラウドからEdgeにいたる各プレイヤー同士によるQ&Aセッションが行われるなど、産業界におけるAI活用のために発見を提供する本イベント。詳細・お申し込みはこちら。
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AI Discovery Day 2020開催概要
日時
2020年11月26日(木)13時~16時10分(予定)
会場
オンライン開催
お申し込み方法
事前お申し込みが必要。申し込みはこちらのフォームよりご登録ください。
参加方法
専用webサイトにて配信予定。参加ご登録の方にイベントURLをお知らせします。
参加費
無料
主催
アヴネット株式会社
協賛企業
日本マイクロソフト株式会社、ザイリンクス株式会社、NXPジャパン株式会社、オン・セミコンダクター株式会社
監修
マイナビニュース
イベントの詳細、更新情報はAI Discovery Day 2020のHPをご確認ください。
AI Discovery Day 2020 運営事務局
株式会社ディー・フリー aidd2020@d-free.co.jp
[PR]提供:アヴネット