つい先日、Appleが同社のビデオコーデック「ProRes RAW」のWindows向けサポートの提供を開始するというニュースが飛び込んできた。編集に便利だが容量がかさむRAWデータと、ProPes圧縮の利点を併せ持つ、テレビ業界でも使われるコーデックだが、これまではMac環境でしか扱うことができなかったため、待望のニュースだったというわけだ。
そこで今回は、Windows環境下でのクリエイティブ作業に必要な最新「Quadro」搭載PCを用意。その総合的なパフォーマンスを確認しつつ、このWindows環境下でApple ProRes RAWでどの程度のパフォーマンスを出せるのかについても、あわせて確認してしまいたい。
一応説明しておくと、「Quadro」はNVIDIAが提供しているプロフェッショナル向けのGPU(Graphics Processing Unit)。
同社の「GeForce」はゲームで広く使われているAPI「DirectX」に最適化されているが、QuadroはCADや3D CGアプリケーションで利用されているAPI「OpenGL」に最適化されている。また、プロフェッショナルアプリケーションの主要75メーカー以上から、互換性などをテストする「ISV認証」を受けており、信頼性が高いのも特徴だ。
このQuadroを搭載しつつ、極限までコストパフォーマンスを高めたプロフェッショナル仕様のデスクトップPCが、マウスコンピューターの「DAIV Z7-QR4」(274,800円~/税別)だ。今回こちらの機材を使用して、各種の検証を行っていきたいと思う。
なおDAIV Z7-QR4は、リアルタイムレイトレーシング対応のQuadroである「NVIDIA Quadro RTX 4000」を採用したデスクトップPCだ。CPUは第9世代(Coffee Lake)の「Core i7-9700」(8コア8スレッド、3.00~4.70GHz)、メモリは16GB(DDR4-2400 SDRAM)、ストレージは256GB SSD(NVMe) を搭載している。
NVIDIA Quadro RTX 4000は、パーツ単体でも実売価格113,000~165,000円(税別)ぐらいなので、これを搭載したDAIV Z7-QR4が、274,800円(税別)~で手に入れられるのは非常にお得といえるだろう。
※ちなみに、CPUは最上位で「Core i9-9900K」、メモリは最大64GB、ストレージは最大2TBのSSD、8TBのHDD、GPUは最上位で「NVIDIA Quadro RTX 6000」にBTOアップグレード可能だ。詳しくはマウスコンピューターの直販サイトを参照してほしい。
4K解像度以上の動画を書き出ししてみたら……
さて早速ベンチマークを実施してみよう。DAIV Z7-QR4の主なスペックは下記を確認してほしい。なお、検証機ではメモリのみ、32GBに増設している。
■試用機の主な仕様
メーカー | マウスコンピューター |
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型番 | DAIV Z7-QR4 |
CPU | Intel Core i7-9700(8コア8スレッド、3.00~4.70GHz) |
グラフィックス | NVIDIA Quadro RTX 4000、 Intel UHD グラフィックス 630 (350MHz~1.20GHz) |
メモリ | DDR4-2400 SDRAM 32GB(16GB×2) |
M.2 SSD | 256GB(NVMe) |
OS | Windows 10 Home 64ビット |
まずは肝心のApple ProRes RAWについてテストしてみよう。今回は、実際のプロフェッショナルクリエイティブワークでどのぐらいのパフォーマンスを発揮するのかチェックするために、「Apple ProRes RAW」形式による5分の高画質動画を用意した。この動画データを、ビデオ編集アプリ「Adobe Premiere Pro」でH.264形式に書き出すのにかかる時間を計測している。さっそく結果を見ていこう。
その結果は5分25秒64。4K解像度以上の動画を実時間の約1.08倍の所要時間で書き出しを終えたことになる。もちろん負荷の高いエフェクトやトランジションを追加すれば、それに応じて書き出し時間は長くなる。しかし、プロフェッショナル用途に十分応える高いパフォーマンスを証明したといえる。
引き続き、「PCMark 8」「3DMark」「CINEBENCH R20.060」「CINEBENCH R15.0」「CrystalDiskMark 7.0.0」のベンチマークも実施している。今、使っているPCとのパフォーマンスの差を知りたいときには、下記のベンチマークスコアを参照してほしい。
PCMark 8 v2.10.901 | |
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Home Accelerated 3.0 | 5394 |
Creative Accelerated 3.0 | 8759 |
Work Accelerated 2.0 | 5715 |
3DMark v2.11.6866 | |
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Time Spy | 8024 |
Fire Strike | 18687 |
CINEBENCH R20.060 | |
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CPU | 3054 pts |
CPU(Single Core) | 472 pts |
CINEBENCH R15.0 | |
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OepnGL | 195.88 fps |
CPU | 1386 cb |
CPU(Single Core) | 194 cb |
SSDをCrystalDiskMark 7.0.0で計測 | |
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1M Q8T1 シーケンシャルリード | 2001.803 MB/s |
1M Q8T1 シーケンシャルライト | 1191.477 MB/s |
1M Q1T1 シーケンシャルリード | 1973.963 MB/s |
1M Q1T1 シーケンシャルライト | 1167.970 MB/s |
4K Q32T16 ランダムリ-ド | 746.406 MB/s |
4K Q32T16 ランダムライト | 850.570 MB/s |
4K Q1T1 ランダムリード | 28.210 MB/s |
4K Q1T1 ランダムライト | 128.609 MB/s |