カシオのゴルフ向けウェアラブルセンサーに新製品「HIP SPEEDER」(CMT-S10GSET)が登場した。同社のゴルフ向けデジタルカメラ「EX-SA10」と組み合わせてスイングを計測・分析する「CMT-S10G」(2016年12月発売)のセンサーの高い計測能力を利用しつつ、連携アプリを刷新するなど、まったく新しい視点で開発されたゴルフトレーニング・ギアだ。そのカギは、ズバリその名通りの「腰の速さ」! しかも、カメラなしで利用できることを前提としているという。そこで今回は、開発を担当したカシオ計算機 野嶋磨氏にインタビューを敢行。本製品の監修を務めた花ヶ崎光広プロゴルフコーチにも同席いただき、プロの視点からもお話を伺った。
――まず、HIP SPEEDERとはどんな製品なのか教えてください。
野嶋氏「2016年末に発売したCMT-S10Gと同様、センサーを腰に装着してスイングをすることで、腰の動きを詳細に計測し、そのデータをスマートフォンの専用アプリに転送していろいろな分析を行う、というものです。
ただし、その分析の視点を大きく変更しました。スイング時の体の各所の動きをカメラの映像とセンサーの数値で複合的に分析するCMT-S10Gと異なり、HIP SPEEDERでは、分析の視点を『腰の動き』に集中しています。これに伴い、アルゴリズムも刷新。CMT-S10Gではカメラ(EX-SA10)なしだと姿勢の軸をリアルタイムで見られるだけでしたが、今回はカメラが無くても非常に多くの分析が行えるようになっています」
「とにかく、まずは試してみてください」と、あれよあれよという間にHIP SPEEDERを付属ベルトで筆者の腰に装着する野嶋氏。ちなみに筆者は、恥ずかしながら年に数回打ちっ放しに行く程度の半可通である……。センサーを装着した状態で直立すると、数秒でセンサーのキャリブレーションが終了。アドレスの構えで前傾姿勢になると自動的に計測状態に入るので、あとは「いつものように」フルスイングすればいい。
なるほど、カメラが不要な分、セットアップや操作の手間が少なく場所も選ばない。これは、よりいっそう気軽に使えそうだ。瞬時に、スマートフォンのアプリに筆者の「腰の動き」がグラフ化されて表示された。
野嶋氏「専用アプリでは計測結果を様々な角度から分析できるのですが、まず見ていただきたいのは、メインとなる『回転スピード』の画面です。ここでは、ヒップスピード(角度/秒)、ヒップタイム(秒)、ヒップグラフ、そしてポテンシャル飛距離を表示します」
筆者のスイングから計測されたそれぞれの数値について、おそれ多くも花ヶ崎コーチに解説していただいた。