Samsung SSD 840 PROに比べて、シーケンシャルリードやランダム性能が向上
今回発表されたSamsung SSD 850 PROは、2.5インチフォームファクタのSATA 3.0(6Gbps)対応製品であり、厚さは6.8mmとスリムだ。製品のデザインは、Samsung SSD 840 PROとよく似ているが、上面の正方形の色が赤くなり(Samsung SSD 840 PROはオレンジ)、「Solid State Drive」という文字のフォントも変更されている。
![]() |
![]() |
従来モデルのSamsung SSD 840 PRO(写真左の下)と、新モデルのSamsung SSD 850 PRO(写真左の上)。Samsung SSD 850 PROでは、正方形のアイコン色がオレンジ色から赤色に変わり、Solid State Driveという文字のフォントも変更されている。写真右は、Samsung SSD 840 PROとSamsung SSD 850 PROの底面 |
Samsung SSD 850 PROの容量は、128GB、256GB、512GB、1TBの4モデルが用意されている。サムスンのSSDは自社開発のコントローラを採用していることも魅力であるが、Samsung SSD 850 PROが搭載するコントローラ「MEX」は、昨年(2013年)に登場した「Samsung SSD 840 EVO」と同じだ。キャッシュメモリは、128GBモデルが256MB、256GB/512GBモデルが512MB、1TBモデルが1GBと大容量である。
![]() |
![]() |
Samsung SSD 850 PRO 512GBモデルの基板。4つのチップが3D V-NANDフラッシュメモリだ |
反対側の基板。こちらにも4つの3D V-NANDフラッシュメモリがあり、そのほかコントローラとキャッシュ用DRAMチップが見える |
![]() |
![]() |
コントローラ「MEX」の型番は「S4LN045X01-8030」。第5世代のコントローラとなり、コアクロックが400MHzのトリプルコアCPUを搭載している |
キャッシュ用のDRAMは省電力タイプのLPDDR2で、チップの型番は「K4P4G324EQ-FGC2」 |
Samsung SSD 840 PROのシーケンシャルリード速度は最大540MB/s(128GBモデルは最大530MB/s)であったが、Samsung SSD 850 PROでは全モデルで最大550MB/sに向上。シーケンシャルライト速度も、128GBモデル同士の比較では、Samsung SSD 840 PROが最大390MB/sだったのに対し、Samsung SSD 850 PROは最大470MB/sへと大きく向上している(256GBモデル以上のシーケンシャルライト速度は、Samsung SSD 840 PROもSamsung SSD 850 PROも同じ最大520MB/s)。
ランダムアクセス性能も向上しており、4KBランダム(QD1)のリードが、Samsung SSD 840 PROでは9,900IOPS(128GBモデルのみ9,800IOPS)だったのに対し、Samsung SSD 850 PROでは全モデルが10,000IOPSになった。4KBランダム(QD1)のライトは、Samsung SSD 840 PROの全モデルが31,000IOPS、Samsung SSD 850 PROは全モデルが36,000IOPSとなっている。Samsung SSD 840 PROの場合、128GBモデルはそれ以上の容量モデルに比べて性能が低かったのだが、Samsung SSD 850 PROは最も安価な128GBモデルでも、256GB以上のモデルとほとんど変わらない性能を出せるようになった。
SSDでは初となる10年保証を実現
Samsung SSD 850 PROは性能だけでなく、耐久性と信頼性も向上している。書き換え可能容量(TBW)は、Samsung SSD 840 PROの73TBから、Samsung SSD 850 PROでは150TBへと倍増した。1日40GBの書き換えなら、10年以上は持つ計算になる。そのため、Samsung SSD 840 PROの製品保証は5年間であったが、Samsung SSD 850 PROでは、その2倍の10年保証を実現している。コンシューマ向けSSDとして最長の保証期間であり(2014年7月時点)、ヘビーユーザーでも安心して利用できるだろう。さらに省電力機能も強化されており、スタンバイ時の消費電力(DEVSLP Power)が、Samsung SSD 840 PROの10mW未満から、2mWへと約1/5に減っている。