AIは日本の労働力不足を救う! 協調する世界のために必要なのは「理解」

[2017/05/19 08:00]小池 晃臣 ブックマーク ブックマーク

ソリューション

4月26日から28日にかけて東京コンファレンスセンター・品川で開催された「ガートナー ITインフラストラクチャ&データセンター サミット 2017」。そのゲスト基調講演に登壇したのは、国立情報学研究所 教授、総合研究大学院大学 教授、東京工業大学 特定教授、人工知能学会 会長の山田誠二氏だ。

「人工知能の現状認識と未来への提言」と題した同氏の講演では、現在第3次ブームの真っただ中にある人工知能(AI)のこれまでとの違いや、人工知能が本来得意とすることと不得意であること、人間とAIの建設的な協調などについて、見解が示された。

「AI万能説」の誤り

「『何でもできるAI』や、『人間を支配するAI』といった論調を最近よく見かけますが、それは現実的ではありません。AIというのは、人間をサポートする『よくできた部下』のようなものであり、そうした建設的な関係づくりが今後求められているのです」

──開口一番、山田氏は世間に蔓延する「AI万能説」の誤りを正すよう釘を刺した。

国立情報学研究所 教授、総合研究大学院大学 教授、東京工業大学 特定教授、人工知能学会 会長の山田誠二氏

現在は「第3次AIブーム」と言われており、メディアでも主に経済的な視点から毎日のようにAIが取り上げられている。山田氏は、今はAIに対する世間の期待値のピークにあると見ている。少し前に期待値のピークを迎えたビッグデータやIoTと同様に、今後は夢を描く段階から、現実的にどう活用するかという課題に取り組む段階へと移っていくというのだ。

そもそもAIとは、「(人間並みの)知的な処理をコンピュータ上に実現」することを目標にした技術だ。学術研究分野としては1956年、米国のダートマス会議で誕生し、約60年もの歴史を有する。

そしてAIには大きく「強いAI」と「弱いAI」という概念が存在し続けている。強いAIというのは、単独で人間と同等の能力を発揮するAIを目指すもので、当初はこちらが主流だったものの、実現困難な側面も大きい。そのため、あくまでも人間をサポートする知的システムとしての「弱いAI」がフォーカスされるようになっていった。しかし近年、再び強いAIを目指す動きが出てきているという。それがいわゆる汎用人工知能(AGI:Artificial General Intelligence)や、シンギュラリティなどだ。

山田氏は、AIの歴史について簡単に紹介した後、「AIは人間の知的な処理をほとんど代行できるので、AIは人間のほとんどの仕事を奪う、人間を支配する」といった、AI vs 人間の構図についての誤った言説について再度踏み込んだ。

「こうした言説はどう考えても誤りです。少なくとも100年、200年といった単位では、実現しないでしょう。非常に長い年月をかけて生物が身に付けた能力を、わずか20年程度で、しかも限られたシステムで獲得するのは不可能と言ってよいでしょう。『AIは単なるプログラムである』という基本的な理解を失わないでいただきたい。過度の擬人化は非生産的であり、人間とAIは相互補完的な関係性であることが望ましいのです」(山田氏)

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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4月26日から28日にかけて東京コンファレンスセンター・品川で開催された「ガートナー ITインフラストラクチャ&データセンター サミット 2017」。そのゲスト基調講演に登壇したのは、国立情報学研究所 教授、総合研究大学院大学 教授、東京工業大学 特定教授、人工知能学会 会長の山田誠二氏だ。

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