OpenStackベースの自社クラウド "Verda" - LINE DEVELOPER DAY 2017

[2017/10/30 08:00]齋藤公二 ブックマーク ブックマーク

開発ソフトウェア

LINEが9月28日に開催したエンジニア向け技術カンファレンス「LINE DEVELOPER DAY 2017」のセッションで、LINEにおけるOpenStackを使ったクラウドインフラストラクチャ構築の取り組みが紹介された。本稿では、ITサービスセンター インフラプラットフォーム室のIbradzic Samir氏が行った「Verda クラウドファミリー」のセッションをレポートする。

LINEの全プラットフォームにVerdaを

LINE ITサービスセンター インフラプラットフォーム室のIbradzic Samir氏

LINEでOpenStack導入プロジェクトを推進しているのはVerdaと呼ばれるチームだ。Verdaはエスペラント語で”緑色”を示す形容詞で、スペイン語でも緑を指す言葉。察しのとおり「LINEのグリーンクラウド」の意味を込めている。

ITサービスセンターのタスクフォースとして始まり、専属チームになってからは、3つのサブチームで構成されるようになった。ミッションは、VerdaをすべてのLINEのサービスのプラットフォームにすることだ。メンバーは、日本、韓国、中国、欧州と、国際的な人員で構成されている。

Samir氏は、DevOpsエンジニア、システムアーキテクトとして活躍。OSSを中心とした分散システムやネットワーク構築、VoIPなどが得意分野だという。クラウド構築は5年以上の経験があり、VerdaチームではOpenStackの複数のコンポーネントを担当している。

Verdaチームの陣容

LINEがOpenStackを採用した理由

Samir氏はまず、OpenStackを採用した背景について、LINEのビジネスが拡大するにつれ、専用のインフラが必要になったためと説明。それまでLINEのインフラは親会社であるNAVERのインフラに頼っていた。しかし、新しいサービスを展開するには、保守的なインフラではなく、より柔軟で最新の技術が求められるようになったという。

「当時われわれは2つの課題に直面していました。1つは、従来のセキュリティポリシーや従来のITインフラの運用経験をどう引き継いでいくか。もう1つは、若いエンジニアが提案する新しいアイデアやプロジェクトにどう応えていくか。こうした課題に対して、もともと使っていた保守的なプラットフォームでは対応できなくなっていたのです」

課題を解決するためには「クラウド」が適していることは理解していたが、具体的にどのようなクラウドが求められるかははっきりわからなかった。IaaSやPaaS、SaaS、パブリック、プライベートなどさまざま選択肢を検討し、何が要件に適合するかを調査した。

「LINEでは、厳密なセキュリティポリシー、プライバシーポリシーがあり、そのモデルに適用させるには既存クラウドでは難しいことが課題でした。また、インフラの規模が膨大であったことも問題で、かりにAWSに移行するとかなりコストがかかりました。セキュリティ、規模、プラットフォームの成熟性、コストを考慮して、まずプロプライエタリな仮想化ソフトウェアを使って、クラウドプラットフォームを構築しました」

この環境は、物理環境に比べて仮想マシン構築のコストを大幅に削減できるようになったものの、従来からの問題の多くは解決できなかった。例えば、APIの不足、従来型のプロビジョニングやワークフロー、カスタマイズにともなうコスト増、システムのブラックボックス化といった課題だ。

ただ、商用の仮想化ソフトによるクラウド構築に取り組んだことで、求めている要件をよりはっきり把握できるようになった。また、エンジニアのマインドセットが異なることも理解されるようになった。

「AWSに慣れ親しんだ新しい世代の開発エンジニアは、完全な生産性を獲得するために、AWSを卒業してさらに自由なインフラを求めていました。一方で、サービスを提供するインフラエンジニアは、セキュリティやワークフロー、安定性を強固にすることを求めていました。どうすれば、両者をつなぐことができるか。われわれは、『開発者は顧客であり、顧客は常に正しい』という理解のもと、マインドセットの変革とインフラの変革に取り組みました」

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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