説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhoneがポイントカード代わりになるってホント?」という質問に答えます。

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本当です。ポイントカードの発行元が専用アプリまたは専用Webサイトを用意する必要がありますが、ユーザを特定するためのバーコードなどを表示するしくみがあれば、iPhoneがポイントカード代わりになります。使い方はかんたん、お店のポイントカードの代わりに、バーコードを表示したiPhoneを提示するだけです。たくさんのカードで財布が膨らむこともありません。

買い物した金額や来店回数に応じてポイントが貯まるしくみは、多くの小売店/チェーン店に採用されています。貯まったポイントは購入代金に充当したり、商品券に交換したりできるので、顧客をつなぎとめる方策として広く利用されています。顧客は特定の番号(ID)で管理され、その情報は「ポイントカード」にバーコードやQRコードなどの形で記載されます。

ポイントカードは一定の金銭的価値を有することから、一種の有価証券と考えられます(ポイントカードの不正利用者が有価証券偽造の罪で逮捕された事例があります)。しかし、その本質は「顧客ID」であり、電子マネーのように貨幣価値を貯めておく(チャージ)機能は必要ないため、それほど高いセキュリティは求められません。バーコードをスキャンして顧客情報を引き出せれば、ポイントカードとしての用は足せます。

2013年7月現在では、ヨドバシカメラやヤマダ電機などの小売チェーンが、この方式でポイントカードをiPhone/Androidに対応させています。「Poica」のように、複数の企業/ポイントカードに対応したアプリも登場しています。専用アプリの開発には相応の費用が発生しますが、アプリ化を進めればカード発行/管理コストを抑えることができるうえ、電子クーポンの配布など従来できなかった営業促進策もとりやすくなります。iPhoneを含むスマートフォンの普及率がさらに高まれば、この動きが加速するかもしれません。

写真で解説

ヨドバシカメラのポイントカードアプリ。貯まったポイントをリアルタイムに確認できるなど、従来のポイントカード+αの機能を備えています

ヤマダ電機のポイントカードアプリ。バーコードを表示してレジに提示すれば、ポイントカードとして使えます