家族や友人にメッセージを送りたいとき、何を使っていますか? スマホが浸透する前は携帯電話のSMSやキャリアメールが主でしたが、現在はLINEを始めとしていろいろな手段がありますね。
東京工科大学が2022年4月に行った「新入生のコミュニケーションツール利用実態調査」では、「普段、家族や友人との連絡に使っているもの」は「LINEメッセージ」がトップで99.2%でした。2位が「InstagramのDM(46.0%)」、3位は「TwitterのDM(28.5%)」、そして「携帯電話/スマートフォンのキャリアメール(15.6%)」、「SMS(ショートメール)、iMessage(15.0%%)」となっています。
LINEが1位であることは想像通りかと思いますが、スマホの連絡手段であるキャリアメールやSMSは少なく、InstagramやTwitterといったSNSのメッセージ機能をよく使っていることがわかります。
注目ポイントは、InstagramのDMが急増していること。この調査で「InstagramのDM」が対象になった2020年からの推移を見ると、2021年から2022年にかけて大きく増えています。特に女子の利用が多く、InstagramのDMを使う女子は63.5%と、男子の34.8%とは大きな開きがあります。
これにはInstagramの利用率も大きく影響しているでしょう。「現在利用しているSNS」でも、Instagramの利用率は女子が90.8%であるのに対し、男子は65.5%となっています。よく使っているSNSで連絡もするようになるのは、自然な流れですね。Instagramの利用率も2015年から増加の一途をたどっています。
今や、同じ人と複数のツールでつながっている状況も珍しくありません。最近では「LINEは公式アカウントからのトークが多くてウザい」という声も聞かれるようになり、もっとも連絡する友人とは別のツールを併用することが増えているようです。
LINEやInstagramにいる「未読魔」
ところで、「未読魔」という言葉はご存知でしょうか。LINEやInstagramのDMには、相手がメッセージを読むと「既読」が付きます。LINEが使われ始めた当初は、既読が付いても返信をしない「既読スルー」が話題になりましたが、最近では未読にしたまま返信をしない「未読スルー」する人も増えています。さらに、いつも未読にしていて返信が返ってこない人を「未読魔」と呼ぶようになりました。
LINEにはアプリの通知バッジで未読数が表示されます。ここにはおおよそ5桁まで表示されますが、未読数が3万以上(!)の人も珍しくないようです。そんなにも未読をためて、気にならないのでしょうか……。
未読魔の人たちに話を聞いてみると、「心の中で返信している」「あとで返そうと思って忘れる」「ちゃんと読んではいる」「了解したなどの場合は返さないのでたまる」「未読魔を卒業したいとは思ってる」といった声が聞かれました。
しかし、未読魔にメッセージを送っている人は微妙な思いを抱いています。Twitterで「未読魔」を検索すると、「彼氏が未読魔でつらい」「未読魔やめてー」「ストーリー見てるのに返さない未読魔」などのツイートが数多く見られます。
一方で、「既読魔」と呼ばれる人もいます。すぐに既読を付け、未読数はゼロという人です。大人からすると、それが普通なのでは……と思ってしまいますね。
いったん未読をためると既読を付けたり返信したりすることがおっくうになり、やがて通知バッジはアプリのお知らせ程度に見えてくるのかもしれません。大人でいえば、仕事関係のメールがたまってしまい、メッセージサービスを使い始めている状況に近いでしょうか。
LINEで未読をためてしまっても、友人とのDMに絞られているInstagramは返信しているのでは? と思いましたが、未読魔はInstagramでも未読をためるんだそう。メッセージ時代の新たな風習かもしれませんが、人間関係のモヤモヤがまたひとつ増えましたね。