早いもので、2021年もそろそろ終わり。コロナ禍でおうち時間が増えたものの、秋口以降は少しずつ以前の生活も取り戻しています。この一年、若者たちは何を楽しんでいたのでしょうか。企業が続々と発表している2021年の流行ランキングから、私が注目している流行を3つ選んでご紹介します。
激安で人気! 越境EC「SHEIN」
2021年、若い女性を中心に支持されたショッピングサイトが「SHEIN(シーイン)」です。SHEINとは、中国発のファストファッション通販サイトで、驚くような低価格が特徴です。例えば、指輪やブレスレットが56円、文字をデザインしたパーカーが2,486円、キルティングコートが3,555円といった価格で販売されています。しかも若者が好きな流行のデザインが多く、新作が毎日入荷。商品数も豊富で、靴やアクセサリー、インテリア雑貨もあります。
SHEINは、「2021年ティーンが選ぶトレンドランキング」(マイナビティーンズラボ)のモノ部門で2位、「2021年インスタ流行語大賞」(Petrel)で4位にランクインしています。アプリも人気があり、App Storeのショッピングカテゴリで5位(執筆時点)に入っています。
また、SHEINはインターネットで海外から商品を購入する、「越境EC」と呼ばれるサービスです。そのため配送に時間がかかり、商品を受け取るまで2週間以上も待つことも。「AliExpress」(アリババグループ)や、「Qoo10」(eBay Japan)などで買い物をしたことがある人なら実感できると思います。
InstagramやTikTokには、SHEINで購入した商品を紹介する投稿がたくさん。Instagramのハッシュタグ「#shien」は、執筆時点で432万件もの投稿が世界各国から寄せられています。流行の服を安くたくさん手に入れたい、時間は少しかかってもいい、そんな若い女性のニーズにマッチしたショッピングサイトが「SHEIN」なのです。
TikTokで人気!「#卒アルお父さん」
12月8日に発表となる「TikTok流行語大賞2021」にノミネートされた「#卒アルお父さん」、ご存じでしょうか。お父さんの若いころを見せるためのハッシュタグです。総再生回数が2021年10月の時点で5億回を突破しており、さらに伸び続けています。
「#卒アルお父さん」では、今のお父さんを映したあとで卒業アルバムのお父さんを見せます。流行していくうちに「#卒アルお母さん」や「#卒アルお爺ちゃん」も登場。卒業アルバムだけでなく、若いころの写真が複数掲載されることも。「自分の父親が実はけっこうイケてたんだよ!」と自慢したい子どもたちが多いということですね。母親の写真をアップした娘が「今の自分のそっくり」と比較するなど、親子の仲の良さも垣間見えます。
自撮りのレベルを上げられる「セルフ写真館」
そして、今後も人気が高まっていきそうな流行が「セルフ写真館」です。「2021年インスタ流行語大賞」(Petrel)で、5位にランクインしています。セルフ写真館とは、自分たちで撮影できる貸し切りの撮影スタジオです。カメラマンもいないので、リモートシャッターで撮影。自撮りに慣れた若者なら、自分たちだけで好きなポーズを自由に撮影するほうが楽しいですよね。
Instagramには、「#セルフ写真館」のハッシュタグで3.6万件の投稿が見つかります。モノクロでかっこよく撮られているものが多いですね。この流行は韓国発という説があり、セルフ写真館を意味する韓国語で検索すると21.2万件もの投稿がヒットします。
撮影データは、その場でスマホに転送してもらって受け取ります。美顔エフェクト機能を使わないことが若者に流行り始めていますが、データならあとから加工もできますしね。夫婦や家族で撮影している人もいるので、試してみてはいかがでしょう。「セルフ写真館」で検索すると、サービスを行っているスタジオが見つかりますよ。