シャオミのスマートフォンと聞くと「家電量販店などで売っている安いスマホ」というイメージがあるのではないでしょうか?日本では低価格なモデル「Redmi」シリーズを中心に展開していることから、シャオミはまだまだ価格勝負のメーカーと思われがちです。しかし海外では様々なモデルが展開されているのです。
2022年4月21日に中国で発表された「Civi 1s」もそんな製品の1つ。Civiシリーズは自撮りを強化したモデルで、フロントカメラを使い美しいセルフィーを撮影することができます。しかもその効果は女性だけではなく、男性もターゲットにしているというのです。
Civiシリーズは2021年9月に最初のモデル「Civi」が発売されました。Civi 1sはその後継機となりますが基本的なスペックは変わっていません。6.65インチディスプレイ、Snapdragon 778G、6,400万画素+800万画素+200万画素カメラ、フロント3,200万画素カメラ、4,500mAhバッテリーなど前機種と同じ性能で、ミドルハイレンジに属する製品です。
最近のスマートフォンは美顔効果、美顔モードを搭載したモデルが多くありますが、使ってみると「そうじゃなかった」と思ってしまう処理がされる製品もあるようです。Civiはセルフィーに特化したスマートフォンだけあってAIを大々的にフィーチャーし、肌を美しく表現することはもちろん、人間の瞳に追従してしっかりピントを合わせてくれるとのこと。なおこの機能はシャオミのフラッグシップモデル「Xiaomi 12」の機能を利用しているそうです。
またセルフィーのAI処理「ネイティブビューティーポートレート2.0」により自然な仕上がりに拍車がかかっています。一般的なスマートフォンの美顔処理は女性の肌に特化したものがほとんどですが、Civi 1sは男性の顔も認識して効果的な処理を与えてくれます。たとえば男性と女性が一緒に自撮りしたときも、それぞれの性別を判断して異なる美顔効果をかけてくれるのです。
男性の顔は「ひげや眉毛などのディテールを残しつつ、顔をより角張らせ、光と影をより立体的にしながら輪郭ある美しい処理」を施してくれます。つまりCivi 1sで撮影すればよりイケメン風な写真が撮れるというわけ。一般的なスマートフォンの美顔モードで男性を撮影するとどことなく女性っぽい仕上がりになってしまうのですが、Civi 1sなら男性の顔を引き立てるセルフィーが撮れるわけです。
もちろん女性の顔の美顔処理もAIとディープラーニングを強化。顔の正面だけではなく270度の角度で顔全体の深度を測定し、メッシュ計算により顔の各パーツを正確にモデリング。まつげやリップグロスの後効果の処理もリアルタイムレンダリングでプレビュー画面の状態で仕上がりを確認できます。ここまでくると、もう美顔加工アプリは一切必要なくなるでしょう。
最近のスマートフォンは顔の美顔処理よりも背景をぼかすことで顔や人物を浮かび上がらせるポートレート撮影を強化した製品が増えています。しかし自分の顔をより美しく、あるいはかっこよくしたい、と考える人も多くいるでしょう。飲みすぎて肌の色が悪い、化粧のノリがよくない、なんてときでも、Civi 1sならいつもの健康的な顔色に自動加工して撮影してくれます。
Civi 1sは今のところ中国だけの発売で、グローバル展開される予定は無いようです。美顔に特化したスマートフォンはニッチな製品であり、また人種によって肌の色合いや顔の形も異なることから中国のみでの販売となっているのでしょう。
ですが、同じアジア系である日本人ではCivi 1sの美顔機能は効果的でしょう。シャオミはまだ日本では知名度が低いこともあってCivi 1sを日本で販売する可能性は低いでしょうが、ライフスタイル関連の展示会などでCivi 1sの美顔効果を体験してもらう、なんてデモをやればシャオミの認知度アップにつながるかもしれません。特に男性もかっこよく写るとなれば、意外と評判になりそうです。
シャオミは2022年中に日本でショップ展開する予定とアナウンスしています。ポップアップストアとして家電量販店の一角にシャオミコーナーを設置するのであればすぐに実現できそうです。一方海外のようにシャオミだけを扱う専門店をオープンするのであれば、海外で販売している特徴ある製品、たとえば折りたたみ式の「Mi MIX Fold」や、フロントカメラをディスプレイの下に隠した「Xiaomi MIX 4」などの展示もぜひ行ってほしいもの。今回紹介したCivi 1sのように、シャオミのスマートフォンは価格だけではなく機能や技術に優れた製品も多くあります。そんなシャオミの様々な製品を日本でも体験できる場を提供してほしいものです