AppleのAirPodsに代表される、超小型のBluetoothヘッドセットが大流行しています。しかし耳の中にヘッドセットをつけるのに違和感のある人もいるでしょう。またメガネやサングラスをしている人は、それに加えて耳にヘッドセットを付けたくないという人もいるはずです。ファーウェイが海外で販売している「HUAWEI Eyewear」はサングラスの形をしたヘッドセット。サングラスをかけるだけで、スマートフォンをカバンに入れたまま音声通話や音楽を聴くことができます。
HUAWEI Eyewearはサングラスメーカーのジェントルモンスター(Gentle Monster)とコラボレーションした製品。ジェントルモンスターはシンプルかつエレガントで個性的なデザインのサングラスを数多く手掛けているメーカーです。ファーウェイはメガネ型ヘッドセットの技術開発を行い、デザインはジェントルモンスターが担当しているというわけです。
HUAWEI Eyewearは現在5つのデザインの製品が販売されています。ブランド品であるため作りはしっかりしています。価格は日本円で3万円から4万円と安くはありません。でもジェントルモンスターのサングラスも数万円しますし、そこにBluetoothヘッドセットが内蔵されていると考えると妥当なレベルかもしれません。
なおサングラスの「つる」の部分には「Gentle Monster」のロゴが見えるように入っています。一方「Huawei」のロゴは内側の見えないところに印刷されています。ファーウェイはこのサングラスをIT製品ではなくファッションアイテムとして売りたいと考えているのでしょう。
5種類のサングラスはレンズの色や本体デザインの違いで女性にも男性にも似合うスタイル。中国・深センにあるファーウェイのフラッグシップストアでは来客の多くが鏡を前にどれが似合うかを確かめる姿もよく見かけます。なお店のスタッフによると在庫が入るとすぐに売れてしまうほど人気だそうです。
一見するとただのサングラスにしか見えませんが、つるの中にはバッテリーやスピーカー、マイクそしてBluetoothチップが搭載されています。操作方法はつるの耳側の部分を指先でダブルタップと簡単。つるに内蔵されたスピーカーからは意外ときちんとした音が聞こえます。
さてメガネ型のヘッドセット、どのように充電するのでしょうか? HUAWEI Eyewearにはメガネケースを兼ねた充電ケースが付属します。2,200mAhのバッテリーを内蔵しており、ケースの充電はUSB Type-C端子から。そしてこのケースにメガネを収納するだけで充電されるのです。なお連続通話時間は2.5時間、ケースのバッテリーをすべて使って充電すると合計8時間の通話が可能とのこと。
ちなみにこのケース、ジェントルモンスターのサングラスに付属するケースにデザインをあわせており、ブランドの世界観を統一したものになっています。安価なコネクタなどを採用せずにしっかりデザインされたケースを付属させるあたりも、ファーウェイとジェントルモンスター両者のこだわりが感じられます。
めがね型のウェアラブルデバイスと言えば数年前にグーグルが「Google Glass」を出しましたが、価格が高いことに加えやや奇抜なデザイン(見方によっては近未来デザインですが)だったこともあり普及はしませんでした。また最近のスマートウォッチも旧来からある腕時計型デザインのものが増えています。そしてBluetoothヘッドセットもデザインを重視した製品が増えています。つまり身体につけるウェアラブルデバイスは、IT製品ではなく洋服やアクセサリと同じ、ファッションアイテムなのです。ファーウェイが自社として初のアイウェア(メガネ型ウェアラブルデバイス)にサングラスのファッションブランドとコラボしたのも、本気でHUAWEI Eyewearを売りたいと考えているからなのです。
いずれはHUAWEI Eyewearから音声認識を使ってスマートフォンの操作やWEB検索もできるようになるでしょう。今後継続して製品が出てくれば、機能も増え使い勝手も高まっていくはずです。ファーウェイが目指すファッションアイテム、今後さらなる展開が期待できそうです。