AmazonのKindleに代表される電子ペーパーを使ったモノクロタブレットは電子コミックや電子ブックのリーダーとして使われることが一般的です。しかしより大きな画面にペン対応のタッチパネルを搭載した電子ペーパータブレットも販売されています。今回はそんな大画面のモノクロタブレットをビジネス用途に使ってみました。

ONYXのBOOX MAX 3は13.3インチという大型ディスプレイに、CPUはクアルコムのオクタコアプロセッサ(SoC名は非公開)2.0GHzを採用、メモリ4GBを搭載しAndroid OS 9で動くので動作は一般的な電子ペーパータブレットより快適です。もちろんiPadなどのタブレットと比較すると、電子ペーパーの表示書き換え速度に足を引っ張られる部分もあるため動作は緩慢です。しかし本体重量は490gと一般的なタブレットより軽量になっています。そして最大の特徴は電子ペーパーを採用しているため、長時間表示を見ていても液晶や有機ELディスプレイより目が疲れにくくなっています。

  • 13.3インチの電子ペーパーを採用したONYX BOOX MAX 3。専用スタイラスペンも付属

本体サイズは309.8×227.8×6.8mmで、A4を一回り大きくしたサイズ。ビジネスバッグにも十分収納できます。またノートPCと一緒にカバンに入れてもサイズ・重量とも邪魔になるものにはならないでしょう。今回はグローバル販売版をメーカーよりお借りして試用してみましたが、Google Playのインストールで一般的なアプリを入れて使うこともできます。とはいえストレージは64GBで外部メモリには非対応。ディスプレイ表示もモノクロのため、アプリによっては表示が見にくくなります。

  • インターフェースはUSB Type-CとマイクロHDMI

本体内にはPDFなどが表示できるビュワーやブラウザが内蔵されているため、ある程度のことはアプリを追加せずとも作業することができます。仕事で使うのを考えるとオフィスアプリを入れておく程度で十分かもしれません。また標準ブラウザは速度が遅いためChromeをアプリストアから落としておくといいでしょう。

  • WEBから自分のOneDriveにアクセスするのも可能

本体の電源を入れると、一般的なAndroid端末とは異なる専用のUI画面が表示されます。画面の左には「書類」「書店」「ノート」「保管庫」「アプリ」「設定」と6つのタブが並びます。このうち書類は最近使ったファイルを表示。書棚はONYXの電子ブックスト関連のものなので、日本のユーザーは使うことはあまりないかもしれません。ノートは付属のスタイラスペンで書いた手書きノートの保存場所、保管庫はファイルビュワーで、外部接続したUSBメモリの内容もここから見ることができます。

アプリはプリンストールアプリと追加されたアプリが表示されます。なおアプリストアはONYX独自のものも入っていますが、落とせるアプリの数はあまり多くありません。

  • Android アプリを入れることも可能だ

また画面上部からスワイプすると、「Wi-Fi」「回転」「Bluetooth」「リフレッシュモード切替」「TPオン/オフ」「編集」のメニューと、一般的なAndroid端末では本体下部にある「戻る」「ホーム」「タスク切り替え」の3つのソフトキーが表示されます。

  • 画面を上からスワイプ、Androidスマートフォンと同じ操作ができる

このうちリフレッシュレートの切り替えは電子ペーパー端末ならではのもので、以下のモードに切り替えることでブラウザや写真表示をより滑らかにしてくれます。
・通常モード
・高速モード
・A2モード
・Xモード

  • 画面のリフレッシュモードの切り替えも可能

BOOX MAX 3は電子ペーパー端末ですから、通常はこの画面で電子書籍などを読む用途に適しています。新聞紙を1/4に折りたたんだくらいの大きさですし、週刊誌よりも大きい画面で細かい文字も読みやすいでしょう。それに電子ペーパーなので直射日光下でも文字を判別できます。ですが、バックライトは無いので暗いところでの利用には適していません。

  • 紙に印刷されたように見えるのが電子ペーパーのいいところだ

さてビジネス用途に使うとなると、WordやExcel、PDFといった書類を客先に見せるというシーンが多いと思われます。BOOX MAX 3でそれらのファイルを表示するためにはデータを用意しなくてはなりませんが、以下の方法があります。
・ブラウザ経由でクラウド・オンラインストレージにアクセス
・ストレージサービスのアプリを使ってアクセス
・OTG機能によりUSB Type-C端子にUSBメモリを接続してアクセス

もっとも簡単なのがUSBメモリによるファイル表示でしょう。BOOX MAX 3にUSBメモリを取り付ければ、「保管庫」からメモリを開いて直接ファイルにアクセスできます。PDFなら内蔵ビュワーが自動的に立ち上がるのでそのまま表示可能です。

  • USB Type-Cのメモリを接続してPDFを表示。画面表示は手動で回転させられる

またブラウザ経由ならば、たとえばOneDriveを開いて自分の保存したファイルを表示できます。メールの添付ファイルもダウンロードすればもちろん表示できます。

  • ChromeからOneDriveを開き、Excelファイルをオンラインで表示

ただしこれらの作業、ブラウザのスクロールやダイアログボックスの表示には数秒かかります。そのため操作性は一般的なタブレットよりやや劣ります。そのためUSBメモリを使ったデータ表示がいいかもしれません。なおブラウザのスクロールが遅いと感じたときは、画面の左隅に表示されるナビゲーションキーを使って、ブラウザを1ページずつ前後にめくることができます。

  • 画面左下のナビゲーションキー

そのほか、作業中に他のアプリに移動したり前の画面に戻りたいときは、画面右隅のナビボールをタッチすると、「タスク切り替え」や「前に戻る」ボタンが現れます。なお本体下部中央にあるボタンも戻るボタンとして使えます。

  • 画面右下のナビボール

さてビジネス向けの「表示」用途としては外部ディスプレイ機能があります。これは本体のマイクロHDMI端子とPCなどをHDMIケーブルで接続することでセカンドディスプレイとして使える機能です。なお表示には電力が必要となるため、マイクロHDMI-HDMI(タイプA)ケーブルに加え、本体を給電するUSB Type-Cケーブルも同時に接続する必要があります。

  • マイクロHDMI端子を使って外部モニターになる

ノートPCと接続し、アプリから「モニター」を起動すると無事セカンドディスプレイとして使用できます。ただしこの状態ではWindows画面のタッチ操作はできません。接続してみるとやはり電子ペーパーなのでカーソル移動の動きがスムースではなく、リフレッシュモードを「高速」または「A2」にすると画面の書き換えが少なくカーソルも見やすいようです。

用途としては仕事中の資料作成時に参考データを表示させておくのもいいでしょう。またパワーポイントのプレゼンを客先で見せる、という使い方も十分できます。

  • パワーポイントの表示用にも利用できる

今回は紹介していませんが、付属のペンを使った手書き入力でメモを書けば、QRコード経由でスマートフォンなどへデータを送ることもできます。従来のタブレットは異なる使い方のできるBOOX MAX 3。10万円弱という価格がややネックですが、電子書籍を毎日読むヘビーユーザーで、なおかつ仕事用にも活用したいと考えるビジネスパーソン向けの製品と言えるでしょう。

  • 付属のスタイラスペンで議事録の手書きメモなどにも使える