海外旅行時に困るのがスマートフォンを使ってのデータ通信。ドコモなど大手キャリアと契約している人は国際ローミングサービスが利用できますが、日本で使っている無料データ分を使うにしても1日1,000円弱の金額がかかります。また格安SIMの名で知られるMVNOキャリアを使っている人は海外ではそのまま自分のスマートフォンが使えません。

空港で借りられるWi-Fiルーターのレンタルもありますが、急な出張時の対応や旅行から戻ってきた時の返却作業は意外と面倒なもの。LCCを使って毎月のように海外に出る人ならば、いっそのこと自分専用のWi-Fiルーターを購入して持っておくのもよいでしょう。今回はSkyroam Solisを購入して実際にロンドンで使ってみました。

  • 世界中で自分のスマホが使えるSkyroam

オレンジ色のボディーが特徴のSolis。円形の本体はカジュアルなイメージかつ目立つ色合いなので、旅先のホテルでうっかり置き忘れてしまうこともないでしょう。本体には6,000mAhのバッテリーが内蔵されており16時間の連続利用が可能です。

また付属のUSB Type-CコネクタとUSBケーブルを使って、ほかのスマートフォンを充電可能。つまりモバイルバッテリーにもなるのです。バッテリー残量は後述する接続アプリ上で確認できるのも便利。旅先ではついついスマートフォンを使いすぎてバッテリー切れになってしまうこともありますが、このSolisを持っていればここから充電もできるわけです。

  • 付属のコネクタを使ってスマホを充電できる

価格はアマゾンで1万6,800円。本体にはあらかじめ1日分のデータ無料利用分が含まれていることがあります。対応する国は世界120か国なので、日本人がよく渡航する国はほとんど含まれていると考えてよいでしょう。データ料金は24時間フラットレートで9ドル。別途お得なパッケージ料金もあります。後述しますがアジア15日パッケージなら、1日約420円から使えます。

Solisを使うためにはユーザー登録が必要です。またスマートフォンにアプリを入れておくとSolis本体の情報確認やデータ料金の購入も楽になるので、日本にいるうちにアプリ「Solis Wi-Fi」を使うことをお勧めします。ユーザー登録は初回のみでOK。SNSアカウントでの登録もできますが、メールアドレスを使ったほうが今後のログインを考えるとよいかと思います。

  • スマホにはアプリを入れると便利

目的地に着いたら、まずはSolisの電源を入れます。本体上のアンテナマークのボタンの周囲を回るように光が点灯し、数分で周囲を白く光らせれば現地のネットワークにつながったことになります。ここから20分間、ユーザー登録作業をおこなうことができます。

  • 電源投入しライトが白くなれば準備OK

あとはスマートフォンのSolis Wi-Fiアプリを起動。アプリは英語ですが、それほど難しい内容ではありません。流れとしては以下の画面の通りです。

  • (左から)アプリを起動して、Solisの電源を入れるまでのインストラクションが表示される

  • Solis背面のQRコードを読み取る

  • スマホとSolisが接続されたのでOKを押して進める

  • (左から)Sign UP→Sign up with your Email→メールアドレス入力→パスワード入力

  • (左から)ペアするSolisを確認し、あとは指示に従う

ユーザー登録が終わり無事つながると、画面には残り時間が大きく表示されます。真ん中には通信回線状況も見えます。左上は接続されている端末数で、最大5台を同時接続可能。真ん中はDayPassの残り日数の表示、右上は本体のバッテリー残量です。そして下部は左から接続状況確認、DayPass購入、アカウント情報となります。アカウント情報からは現在容量を何MB使ったかも確認できます。そして時間とともに真ん中の時間が24時間から減っていきます。

  • (左から)接続画面には情報がわかりやすく表示される。Hotspot Informationから利用データ量を確認できる

今回はロンドン市内で使ってみましたが、通信速度はコンスタントに下り20Mbps、上り10Mbpsを超えていました。また24時間あたり550MBを超えると速度規制がかかりますが、速度は上下とも1Mbpsで一般的な利用なら気になるものではありませんでした。実はYouTubeで動画視聴をしているうちに700MB近くを使ってしまったのですが速度低下に気が付かなかったくらい。SNSやWEB検索など、一般的な利用は問題なさそうです。

  • (左から)下り20Mbpsを超えているので快適。550MBを超えても極端な制限はなかった

1日分の無料DayPassを使い切った後は、新たにDayPassを買う必要があります。Solisは海外で電源を入れ、電波がつながると10分間はアプリからのネットアクセスが可能になるため、別途Wi-Fiは必要ありません。海外でSolisの電源投入後、アンテナマークの点灯が止まったら、スマートフォンを接続しアプリから「BUY」を選択。以下の料金が選べます。なお5日や10日パッケージは連続した日ではなく1日おきにつかえるので、「今月3日、来月2日」のように分けて使うことも可能です。

  • (左から)メニューの「BUY」からDayPassを購入。クレジットカードで支払う

そしてこれ以外にもアジアに利用先を絞ったパッケージもあり、日本周辺国旅行をする際に便利です。アジアは中国、香港、台湾、マカオ、韓国、フィリピン、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、カンボジア、インド、スリランカ、カザフスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、キルギスタン。このパッケージはアマゾンで買うことができ、5日で2,880円、15日で6,280円。15日を買えば1日あたり420円とかなりお得です。

Solisを使ってみると、本体の充電端子がUSB Type-Cのため、最近のスマートフォンと充電ケーブルを共用できるのが便利です。ほかの端末を充電するためのコネクタが小型なので無くさないようにしたいものです。Wi-Fiを使わなくてもいいときでもスマートフォンやタブレットを充電できるのはかなり重宝します。

通信速度は十分と感じました。今やホテルに戻ればWi-Fiもありますから、16時間の電池残量があれば日中使って2日程度持ちそうです。電池残量はアプリで都度確認すればいいので、かばんの中にいれたままにしておけるのは楽ですね。

料金は1日1,000円前後なので悪くない価格でしょう。24時間単位なので、夜中の23時に海外に到着しても、そこから翌日の23時まで使い続けられます。またアジアだけなら15日パッケージがかなりお買い得です。

自分で1台買って、友人や家族と共用するのもいいでしょう。日本でも普段からモバイルバッテリーとして使えるので、年に数回でも海外に行く人ならぜひ購入を検討したいものです。