女性をターゲットにしてセルフィーを強化したスマートフォンを次々に送り出している中国のMeitu。現在は中国、香港、台湾のみで製品を販売しているが、他の国へもこれから展開する予定だ。そのMeituから、新しいセルフィースマートフォン「V6」が発表された。

  • 最新機種V6で撮影したセルフィー

2017年11月23日に北京で行われた新製品発表会では、V6の新しい機能が次々と説明された。V6はセルフィー機能を強化しながら、本体の質感も高級に仕上げたラグジュアリーモデルへと変貌を遂げている。

  • 北京で行われたMeitu V6の発表会

Meitu V6のスペックはSoCにHelio X30 デカコア2.5GHzを採用、RAM6GBにROM128GBとメモリ回りは他社製品の最上位モデルに並ぶ余裕の仕様となっている。特筆すべきはカメラで、1,200万画素(ソニーIMX362)と500万画素(サムスンS5K4E8)のデュアル仕様。そしてこの組み合わせを前後に装備。つまり合計4つのカメラを搭載しているのだ。

  • 2つのカメラを前後に、合計4つを搭載する

Meituのスマートフォンの特徴であるセルフィーの美顔機能は、AIを活用しより美しく自然に顔の表情を仕上げることができる。また逆光にも強くなり、明るいレンズの採用と相まってあらゆるシーンで最高のセルフィーを撮影できる。今や各社のスマートフォンが美顔機能を搭載しているが、V6はそれらよりさらに一歩先の結果が得られるのである。「V6を取り出し、フロントカメラを向いてシャッターを切る」。細かい調整や環境のことを考えることなく、セルフィー撮影だけに集中することができるのだ。

  • AIでさらに仕上げの美しさが増した美顔機能

V6はデュアルカメラを活用し、被写界深度を深めた美しいポートレート写真を撮影することも可能になった。「ムービーモード」が新たに加わり、まるで映画の1シーンのような、深みのあるセルフィーを撮影することができるのだ。写真サイズは21:9のシネマサイズで横長となる。映画の主人公になり、その映画の中の一瞬の時間を切り取ったかのような写真には、誰もがはっと息をのむに違いない。

  • 21:9でボケの強いセルフィーが撮れるムービーモード

ムービーモードという呼び名は動画絡みモードと思いがちで、日本語的にはシネマモードと呼びたくなる。実際にムービーモードで撮影してみると、撮影者側も映画監督になったような錯覚に陥るほどいい絵が撮れる。ボケの度合いに対して顔や髪の毛がはっきりと際立ち、しかも仕上がりは自然だ。このムービーモードはセルフィーに特化した研究を続けてきたMeituだからこそ搭載できた機能と言えるだろう。もはやセルフィーではなく、スーパーセルフィーと呼びたくなる。

  • 実際の撮影例。スーパーセルフィーと名付けたい

V6はカメラの基本性能が高く、デュアルレンズでワイド撮影も楽にこなし、ボケを自在に効かせることが出来る。セルフィーに限らず、高性能なカメラスマートフォンとしてスナップや食事の写真、さらに動画の撮影も苦にしない。しかもリア、フロントどちらも全く同じカメラを搭載しているため、カメラを切り替えたときも同じ撮影結果を得ることができるのである。

  • セルフィー以外も得意とする高性能なカメラを搭載。実際にV6で撮影した画像だ

さらにV6の大きな特徴はその外観である。革で仕上げた背面はスマートフォンとは思えぬ高級感を十二分に味わえるだろう。ターゲットユーザーは高級ブランド品を好む30歳前後の女性だろうか。しかしカラバリはオレンジ、ピンクに加えブルーとグリーンも用意されており、男性も意識しているようだ。

  • カラバリは4色。女性のみならず男性もターゲットにする

V6の標準モデルは5,099元(約8万6,600円)と、中国国内で販売されるスマートフォンとしては比較的高価だ。高性能なカメラと革仕上げの高級機ということもあり、あえて高めの設定にしているのだろう。これに加えて購入者が仕上げをカスタマイズできるモデルも用意される。革のステッチやカメラ周りのプレート、18金のピン、専用ギフトBOXで提供され、価格は6,999元(約11万8,900円)となる。特別な人へのプレゼントとして贈るのもいいだろう。発表会ではMeituのイメージキャラクターを務めるアンジェラベイビーに限定カスタマイズモデルが送られた。

  • 本体の仕上げをカスタムメイドすることも可能。高級ギフトにも最適だ

Meituは今年に入ってから次々と新製品を投入している。ハイスペックモデルとなる「T8」と、そのデュアルカメラ版となる「T8s」は金属ボディーで質感を高めた製品でもある。また標準モデルの「M8」「M8s」はカジュアルな仕上げで若い世代を狙っている。M8シリーズはセーラームーンやハローキティー、ドラえもん、ドラゴンボールなどとのコラボ製品も登場しており、キャラクタースマートフォンとしての一面も持っている。

  • 金属ボディーのT8s(上)。V6(下)とは仕上げが大きく異なる

Meituは今後、グローバル展開も視野に入れている。今回発表されたV6はその高級感あふれる質感から、先進国のユーザーにも十分魅力を伝えることのできる製品に仕上がっている。セルフィー機能で他社をリードしつつ、ラグジュアリー路線を開拓したMeituの今後の動きは日本人にも気になる存在になりそうだ。

  • ぜひ先進国のユーザーにも製品を提供してほしい