前回に引き続き、ファイル/フォルダーの詳しい情報を知るために必要なプロパティダイアログの解説を行う。今回は「全般」タブの「属性の詳細」ダイアログがターゲット。開き方などは以前の記事を参考にしてほしい。
「Windows 8.1ミニTips 第17回」より、2014年4月9日にリリースされたWindows 8.1 Updateを適用した環境を対象としています。
セキュリティ保護でファイル/フォルダーを守る
今回は「属性の詳細」ダイアログに用意された「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」という項目を取り上げよう。ファイル/フォルダーを、EFS(暗号化ファイルシステム)という機能を用いて、暗号化を施すというものだ。Windowsの機能というより、ファイルシステムであるNTFSが備えるもので、前回紹介した「内容を圧縮してディスク領域を節約する」と併用することはできない。
また、暗号化したファイル/フォルダーがPC内にある場合、暗号化証明書が生成される。何らかの理由でOSを再インストールする場合、暗号化証明書のバックアップをUSBメモリーなどに保存していないと、暗号化したファイル/フォルダーを参照できなくなる。細心の注意を払って試してほしい。
手順自体は簡単。「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」にチェックを入れ、画面の指示に従えばよい。暗号化を終えるとファイル/フォルダー名の表示が白色から緑色に変化し、「圧縮属性または暗号化属性」セクションにある「詳細」ボタンが有効になる。こちらからは証明書の情報を確認することが可能だ。
重要! 暗号化証明書をバックアップする
次は、暗号化証明書となるファイル暗号化キーのバックアップを実行しよう。通知領域に現れたアイコン(もしくはバルーン)をクリック/タップすると、「暗号化ファイルシステム」ダイアログが現れる。ここからバックアップ操作を選択すればよい。
今回は「今すぐバックアップする」をクリック/タップする。なお、多忙な場合は「後でバックアップする」を選び、次回Windows 8.1にサインインする際にバックアップを実行するとよい。
これで「証明書のエクスポートウィザード」が起動する。基本的には画面の説明どおりに進めれば、簡単にバックアップ可能だ。途中で設定するパスワードには文字種の制限がないので、自身が忘れにくいパスワードにしておこう。ファイル名にも、バックアップタイミングが分かるものを付けておくと、後からでも分かりやすい。
少々余談だが、任意のタイミングで暗号化証明書のバックアップを作成する場合、管理者権限で「certmgr.msc」を実行して「証明書」スナップインを起動する。左ペインで「個人」→「証明書」と展開し、「目的」が「暗号化ファイルシステム」となる証明書をクリック/タップで選択。右ペインの「操作」で「すべてのタスク」→「エクスポート」と選択すれば、「証明書のエクスポートウィザード」が起動する。
また、別のPCなどで暗号化済みファイル/フォルダーを複合化する場合は、「証明書」スナップインを起動し、「証明書」→「すべてのタスク」→「インポート」とクリック/タップすればよい。
阿久津良和(Cactus)