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Windows 10標準のオンラインストレージ「OneDrive」を活用しているユーザーは多い。Office 365 Soloを契約していれば1TBの容量を使えるため、写真や動画などの保存にも向く。だが、1ファイルあたりのサイズにも注意を払う必要がある。

アップロード可能なサイズは10GB ?

Windows 7のリリース前年、2008年2月から日本でも使用可能になったOneDrive(当時はWindows Live SkyeDrive)。改称や使用可能サイズの度重なる変更に伴い、その全体像は不明確である。

Microsoftは、2014年9月に1ファイルあたり10GBまでのアップロードを認めると公式ブログで発表していたが、OneDrive.comの管理ページにも記載がない。

OneDrive.comの「ストレージの管理」。ファイルサイズに関する説明はない

MicrosoftのWebサイトを調べてみると、ヘルプページに、「使用しているWebブラウザーが対応している場合、最大10GBのファイルをアップロードできます」とある。

OneDriveクライアントによる同期可能についても、「OneDriveのファイルサイズの制限である10GBを超えていないことを確認します」とあることから、どちらの方法でも10GBまでは大丈夫なはずだ。

10GBのファイルをアップロードする

そこで10GBのファイルを作成し、Webブラウザー経由とOneDriveクライアント経由のアップロードを試してみる。

管理者権限を持つコマンドプロンプトから、「fsutil file createnew 10GB.bin 10737418240」と実行すれば、10GBの容量を持つファイルを作成できる

今回はMicrosoft EdgeでOneDrive.comにアクセスし、ファイルをアップロードした

同じファイルをOneDriveフォルダーにコピーし、バックグラウンドでアップロードを実行させている

結果はWebブラウザー、OneDriveクライアントいずれも問題なくアップロードが完了。無償で使える容量が15GBから5GBへ、Office 365による容量無制限が1TBに変更されたが、アップロード可能なファイルサイズは10GBと変わらないことが確認できた。

「Work」はWebブラウザー経由、「Work2」フォルダーはクライアント経由でアップロードした。前者はさらにOneDrive.comからダウンロードしたが、「更新日時」はそのままだ

ちなみに、Webブラウザーからのアップロードが3.6GB程度の時点で、OneDriveクライアントによるアップロードは完了している。結局、Webブラウザーから10GBのファイルをアップロードするのに約5時間かかった。理由は不明だが、OneDriveクライアントの設定ファイルである「ClientPolicy.ini」で定義したバッファサイズなどが影響しているのだろう。一概には言えないが、WebブラウザーよりもOneDriveクライアントのほうが、スピード的に有利かもしれない。

「%LOCALAPPDATA%\Microsoft\OneDrive\settings\Personal\ClientPolicy.ini」ファイルの内容。あらかじめアップロード可能なファイルサイズは10GBと決められている。ちなみにフォルダー内に格納できるアイテムは「MaxItemsInOneFolder」の値から15万までのようだ

上位の「ClientPolicy.ini」では、「MaxFileSizeBytes」で「10737418240」と定義しているが、それより大きいファイルをアップロードするとどうなるのだろうか。答えは下図に示したとおり、エラーとなった。

先の手順を用いて11GBのファイルをOneDriveフォルダーに作成した

アップロードを終える前に失敗を示すトースト通知が現れる。だが、メッセージには「2GB以下」と書かれている……

阿久津良和(Cactus)