「Bluetoothスピーカーの置き方」と銘打ったシリーズを第2回まで掲載して放置したまま、しばらく期間が空いてしまった。今回は第3回だ。

Bluetoothスピーカーに限らず、スピーカーをフローリングの床の上に直に設置すると、低域がこもった感じになりやすい。では、どうしたらよいのかというのが今回のテーマだ。

スピーカースタンドで音の位置を調整する

下の写真を見てほしい。これは、スピーカースタンドの上にBluetoothスピーカーを設置したところだ。

ワンボックスタイプのBluetoothスピーカー「Creative D80」をスピーカースタンドに設置したところ

スピーカースタンドには、2つの大きな役割がある。1つは、音楽再生時に中心となるスピーカーのユニットを、リスナーの耳の高さにまで持ち上げることだ。コンパクトなブックシェルフスピーカーや、今回のようなワンボックスタイプのBluetoothスピーカーの場合、直接床の上に設置すると、ユニットは耳の位置よりもはるかに下に存在することになる。

ユニットによっては指向性が強いものがあり、その場合は、そのユニットからの音のみが弱くなり、全体のバランスが崩れてしまう。フルレンジユニットを使用している場合でも、スピーカーによっては音域によって指向性が異なるため、あまり正面から離れた角度に設置すると音のバランスが崩れることがある。

接地面からの反射を極力抑える

もう1つの重要な役割が、不要な反射や振動を防ぐというものだ。床に直接置いた場合、床に反射した音もリスナーに届くことになる。また、設置面が振動する場合もある。スピーカーメーカーは、スピーカーのキャビネットの素材には注意を払っているが、床の素材に対しては、当然だがまったく関知していない。

不要な反射や振動が少ない状態での音を確認しておこう

スピーカースタンドの上に設置して聴いてみると、低域のこもりは大幅に解消されている。また、中高域も多少クリアになったように聴こえる。これが、このスピーカーの本来の音なのだろう。しかし、スピーカースタンドは、まともなものを選ぼうと思えば、それなりの出費をすることになる。このテストで使用しているクリエイティブエディア製Bluetoothスピーカー「Creative D80」は、同社のショッピングサイトで4,980円となっている(8月29日現在)。これに、1万円以上もするスピーカースタンドを使用するのは、さすがに価格のバランス面でどうかと思う。それに、たいていのスピーカースタンドは2本1組で販売されている。D80のようなワンボックスタイプのBluetoothスピーカーで使用すると、1本余ってしまうことになるのだ。

というわけで、市販のスピーカースタンドを使用しない方法を考えていきたい。設置面からの反射や振動を抑え、ユニットを耳の高さに持ってくるという方法ならばほかにもある。例えば、スピーカーを手で持って手を伸ばした状態で聴いてみると、先ほどのスピーカースタンドの上に設置した場合に近い音のバランスが得られる。もちろん、この状態で恒常的に使用するというのではない。この音のバランスを覚えておいて、なるべくこれに近いセッティングを実現するのが目指すゴールだ。

設置面の素材、サイズ、設置位置、設置面に振動を抑えるための素材を配置するなど、さまざまな方法がある。それについては、次回に譲りたい。