NTTは、2024年11月25日から29日まで、東京都武蔵野市のNTT武蔵野研究開発センタにおいて、同社の研究開発への取り組みを紹介する年次イベント「NTT R&Dフォーラム 2024」を開催している。
展示会場は、「RESEACH」、「DEVELOPMENT」、「BUSINESS」は3つのエリアで構成。IOWNに関する研究開発成果をはじめ、122件の展示やデモストレーションが行われた。写真を通じて、NTT R&Dフォーラム 2024に展示されたNTTの最新技術をレポートする。
「RESEACH」エリア
「RESEACH」では、ネットワークやセキュリティ、Ui/UX、サステナビリティなど、49件の展示が行われた。
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光暗号回路技術。電気を使うことなく、光だけで暗号を生成し、復号することができる。将来はPCなどへの搭載も見込まれる
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光暗号回路のデモストレーション。世界で初めて、共通鍵暗号の暗号演算1ラウンド分の演算を光回路で実現した
光量子コンピュータ向け光デバイス技術。時間分割多重化によって生成された大規模な量子もつれを用いて計算する。最適化問題やニューラルネットワークへの応用が期待され、将来的には超電導方式や中性原子方式に比べて、量子ビット数が増やせると予測している
東京大学大学院工学系研究科の古澤明教授が参加して、理化学研究所とNTTを結んだデモストレーションを初めて行った。時間軸上に量子ビットを配置し、演算するため、光多重化手法により大規模化が可能になる。また、光通信と光量子の融合により、室温下で従来比1000倍の帯域で、大規模演算が可能だ。クラウド公開により広く活用できるようにしていくという
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高温動作AIN(窒化アルミニウム)パワー半導体。1000℃で動作可能なAINトランジスタを初めて実現したという。過酷な環境での利用が可能だ
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グリーンソフトウェア開発・運用技術。標準的な算定ルールに基づいてソフトウェア製品のCO2排出量の可視化や削減が行える
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Personal Sound Zone(PSZ)では、音に関する様々な応用事例を紹介
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ドームのなかに入ると雑音が消えるノイズキャンセリング装置を展示。エンタテイメント施設や観光施設などでの利用を想定している
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PSZの取り組みのひとつであるSound SyRealの装置。イヤホンを装着すると、後方にはスピーカーがないのに音が後方から聞こえる様子を体験できた。音の低遅延処理を活用して、聞こえ方を書き換えているという
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オープンイヤー型のヘッドホンを装着しても、周りの騒音やノイズを除去することができ、音楽などが聴きやすくなる技術を紹介
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リアルな音とサイバーの音を組み合わせて聞くことができる音響XRのデモストレーション。演劇を鑑賞していると、風の音や水の音が加わったり、解説などを聞くことができる
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音響イベント検知・定位技術は、何の音か、どの方向から聞こえているのかを検知して、知らせる。デモストレーションではマラカスを鳴らして検知した。スマートグラスには4つのマイクを搭載しており、音の種類と方向を検知し、自分の方にクルマが近づいていることをスマートグラス上に表示することも可能だ
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農作物品種改良技術。CO2吸収量が少なく、品種を掛け合わせて、CO2吸収量が多く、肥料や農薬が少ない低環境負荷型農作物を作ることができる
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環境と人の相互影響を考慮した地球未来予測技術。政策検討者や事業者が、環境負荷を抑え、経済活動を持続するための施策を検討できるという
<動画>スマホを回して手足の器用さを見える化
ゴルフクラブに装着する慣性センサーと、靴に搭載するインソールセンサーにより、ゴルフスイングの効率を左右する動的特性を抽出して、スマホに表示する。セルフトレーニングやコーチとのコミュニケーションの支援に利用できる
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声と話し方を好みのスタイルに、その場で変える音声変換技術。ライブ配信でアバターに似合う声に変換したり、ウェブ会議やコールセンターでは相手が聞きやすい声に変換したりといった用途を想定している
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AIが会議の内容を理解して、自動でグラフィックレコーディングを生成してくれる
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ダンスの自動生成技術。個性があるダンス表現を検討したり、ダンスの習熟に利用したりできる。将来は自分で制作したミュージックビデオに生成したダンスを加えるといった用途にも使える
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運動能力転写技術。このデバイスを頭に装着すると、身体を動かさなくても、脳波で車椅子などを動かすことができる
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情動的知覚制御技術は、バーチャルキャラクターのイベントなどに活用。リアルイベントでは演者とのインタラクションが難しいが、視線が合うと自分だけにリアクションをしてくれるといったことが可能だ
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主観と客観の両面からウェルビーイングを測る技術。個人と集団の関係性に注目した成長モデルと判断基準によって、関係性を把握し、組織のパフォーマンス改善につなげるという
「DEVELOPMENT」エリア
「DEVELOPMENT」では、NTT研究所の主要テーマである「IOWN」や生成AIの「tuzumi」、さらには宇宙関連に関する52件の展示が行われた。
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光電融合デバイスを展示。PEC-1はデータセンター間接続、2025年以降のPEC-2はボード間接続、2028年以降のPEC-3はパッケージ(チップ)間接続を実現する
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IOWN APNを利用し、オリンパスの内視鏡と、150km先の映像サーバーを結んでも遅延を発生させない高速低遅延のネットワークを実現。検査や手術への適用が可能だという
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日本と台湾を結んだ異国間メタバース体験のデモストレーション。国境を越えたユーザー同士がメタバース仮想空間上のホログラフィック映像で交流できる
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IOWN APNを活用してフルリモートプロダクション環境の実現。TBSと共同で、離れた撮影現場に制作設備を持ち込まない映像プロダクションDXを実証した
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エンドトゥエンドのコンフィデンシャル環境を実現するIOWN PETs。生成、流通、蓄積、活用のすべてフェーズにおいてデータの暗号化を実施し、あらゆる業務アプリケーションの秘匿化を実現する
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大容量、低遅延のAPNによって、再エネが確保しやすい郊外に立地したデータセンターを結び、ひとつのデータセンターのように運用できる提案
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APNを活用することで、不測の事態が発生した際に、サプライチェーンへの迅速な影響把握とICTソリースの配置により、ビジネスを継続できる製造業向けコグニティブファウンデーション技術
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波長変換を活用したユーザー間を光直結させる伝送システムを紹介。光-電気アナログ-光波長変換器を展示した
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DCIによるアクセラレータの活用・接続技術
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ハードウェアアクセラレータ間直接データ伝送技術。大規模データ処理を短時間・低遅延で実現し、データ収集効率化、リアルタイム処理、データ分析の高速化が可能になる
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推しキャラと旅する対話型AI観光ガイドや、文脈および個人性を考慮したファシリテーション技術なども展示
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人らしく自然にふるまい、より自然な会話のかけ合いが可能なデジタルヒューマン。NTTの技術により、表情や動作の出力、音声合成によって、人との対話をスムーズに行う
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ランニングマシンで走っている様子をVLM(ビジュアルランゲージマシン)で分析。LLMによる指導計画をもとに正しいランニングフォームの修正につなげ、効率的な練習を実現する
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生成AIによるサービスロボット制御技術。さまざまな業務を理解し、柔軟で気が利くロボットがおもてなしを実現する
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衛星3D地図の作成に活躍する観測LEO衛星の模型や、静止軌道にあるGEO衛星の模型も展示していた
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宇宙統合コンピューティングネットワークの模型。光データリレーサービスにより観測衛星データのリアルタイム活用が可能になる
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ワイヤレスエネルギー伝送技術。月の上では大きな温度変化によりバッテリーが使えない場合があるが、この技術では月の砂(レゴリス)の表面に電波を送ることで、ローバーにエネルギーを伝送し、稼働させることが可能だ
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底面にある受電器で、送電器から送られてくる表面波を捉えてバッテリーなしで走行することが可能だ
<動画>バッテリーなし。ワイヤレスエネルギー伝送で走行するローバー
「BUSINESS」エリア
「BUSINESS」エリアでは、研究成果を事業会社が活用し、事業化している事例を紹介。CXやDX、コミュニケーション&コンピューティグ、セキュリティ&プライバシーをテーマに、21件の展示が行われた。
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ミラー駆動型自動トラッキングカメラ。2軸の回転するミラーをカメラ前面に配置し、俊敏に対象物を追随する。スポーツシーンの自動撮影に適している
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全方位カメラとAIを活用して、安価に3Dスキャンを実現する空間データ基盤。設備管理や電波品質の改善などの用途を想定している
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点群活用クラウドプラットフォーム。建設現場において、点群を利用した3Dデータの加工から業務活用までを支援する。クラウドの利用によりモバイル端末にも情報を提供できる
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映像AI推論チップを搭載したカメラ用モジュール。低消費電力で、発熱が少ないため、AIカメラ本体の小型化が可能になる
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150mの範囲で人を検出し、遠い人でもプライバシー保護のマスクを瞬時にかけることができる
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4K画像を送信する場合、目的とするトラックの部分だけを鮮明にし、背景は解像度を落とすことで、帯域が限定された環境でも送信できるようにする
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交通シミュレーション技術では、交通渋滞の発生情報をもとに、パーソナライズ化したレコメンド情報を、アプリを通じて提供。個人の行動変容をもとに、全体の最適化を目指すという
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体温検知型AIセンサーにより、人物同士が重なり合う状況を検出。更衣室やトイレといったプライバシー侵害の懸念が強い屋内空間での防犯や見守りを実現する