本連載では、「よく使うけど忘れやすいMicrosoft Officeの操作」をキーワードに、Officeアプリケーションの基本操作や各種機能の使い方を解説していきます。今回は、Excelで作成した表(シート)を印刷する際に、あらかじめ印刷範囲を指定する方法を確認しましょう。プリントミスが減って、紙やインクのムダ遣いがなくなります。

本連載は、記事執筆時点で最新の状態にアップデートしたMicrosoft Office 2016をもとに制作しています

1枚の用紙に収めて印刷する

Excelで何も考えずに印刷ボタンを押したら、1枚の用紙に収まるはずが、表が途中で切れて何枚かに分かれてしまったことはありませんか? Excelの印刷機能には、印刷範囲の設定が用意されています。印刷する前にきちんと設定しておけば、シートの内容を1枚の用紙に収めることができます。

  • Excelで印刷を実行するには「ファイル」メニューをクリックするか、キーボードの[Ctrl]+[P]キーを押します

  • 「ファイル」メニューの「印刷」画面を表示すると、右側に印刷プレビューが表示されます。表の内容と用紙サイズによっては、表が途中で切れて複数枚になってしまうことがあります

  • 「印刷」画面の「設定」欄で「拡大縮小なし」項目をクリック。表示されるメニューから「シートを1ページに印刷」を選択します

  • 「シートを1ページに印刷」に設定するとプレビュー表示が変わりシートの内容が1枚の用紙に収まります

  • シートの構成によっては、「設定」画面の「縦方向」を「横方向」に変更したほうが見やすくなる場合もあります。プレビューで確認しながら設定し、「印刷」ボタンをクリックしましょう

指定した範囲だけを印刷する

シートの内容全体を1枚の用紙に収めるのではなく、シートの一部分だけを指定して印刷を行いたいこともあると思います。そんなときは、「ページレイアウト」タブのリボンから印刷範囲を設定しましょう。

  • マウスをドラッグして印刷したい範囲を指定し、「ページレイアウト」タブのリボンにある「印刷範囲」アイコンから「印刷範囲の設定」を選択します

  • 「印刷」画面を表示してプレビューを確認してみましょう。範囲指定した部分だけが表示されていることがわかります

  • 印刷する範囲を広げたい場合は、追加したい範囲をドラッグして選択し、「印刷範囲」アイコンから「印刷範囲に追加」を選択しましょう

  • ちなみに印刷範囲を追加する際、最初に指定した印刷範囲に隣接している部分を追加すると1ページに収まりますが、離れた範囲を選択するとそれぞれが別ページとして印刷されます。試しに最初に印刷範囲に設定したセルから離れた範囲を選択して「印刷範囲に追加」を選択してみます

  • 「印刷」画面を表示してプレビューを確認してみると、あとから追加した範囲が別ページとして印刷されることが確認できます

  • 設定した印刷範囲は保存されます。解除したい場合は「ページレイアウト」タブの「印刷範囲」アイコンから「印刷範囲のクリア」をクリックしましょう

「改ページプレビュー」を活用する

1ページに収まりきらないシートを印刷する際には、切りのいいところで改ページして1枚の用紙に印刷する範囲を設定すると見やすくなります。画面表示を「改ページプレビュー」に切り替え、改ページの位置を調整しましょう。

  • Excelで改ページ位置を設定するには、「表示」タブをクリックしてリボンの表示を切り替え、「改ページプレビュー」アイコンをクリックします

  • 画面の表示が「改ページプレビュー」形式に切り替わります。1ページに収まる範囲が青い実線(または破線)で囲まれ、それぞれのページの中央に「1ページ」「2ページ」とページ数が表示されるので印刷範囲が一目瞭然です

  • 青い実線(または破線)部分は、マウスカーソルを合わせてドラッグすると動かすことができます

  • ドラッグ操作で線を動かして改ページ位置を変更し、1ページに入る印刷範囲を細かく調整していきましょう

  • 「ファイル」メニューの「印刷」画面を表示してプレビューを確認してみましょう。設定した印刷範囲が表示されていることがわかります

改ページを挿入する

「ページレイアウト」タブのリボンで、改ページ(青い実線)を挿入することも可能です。行や列が多い巨大サイズの表を印刷する場合には、切りのいいところで細かく改ページするのが効果的です。

  • 改ページしたい行(または列)番号をクリックして選択し、「ページレイアウト」タブにある「改ページ」アイコンをクリック。表示されるメニューから「改ページの挿入」を選択します

  • 選択した行(または列)に青い実線が表示され改ページが設定されました

  • 改ページの設定をクリアして初期状態に戻したい場合は、「ページレイアウト」タブの「改ページ」アイコンをクリックし、「すべての改ページを解除」を選択します

「改ページプレビュー」から標準表示に戻す

「改ページプレビュー」画面を活用すれば、簡単に1ページの印刷範囲を設定することができますが、操作ミスなどで意図せず「改ページプレビュー」にしてしまい、標準の画面に戻せず困ったといったケースも見られます。標準のシート画面に戻すよう、忘れずに設定しておきましょう。

  • シート画面を標準に戻すには、「表示」タブをクリックしてリボンを切り替え、「標準」アイコンをクリックします

  • 標準のシート画面に戻りました。「標準」アイコンの場所さえ知っていれば簡単なので忘れないようにしましょう