HDDを自由に入れ替えできる
取り回しに優れた外付けケース【2008年12月号掲載】



スペック

[発売元] デンノー [価格] オープンプライス [実勢価格] 2万円前後 [OS] Mac OS 9.1以上、Mac OS X 10.1以上 [インターフェイス] USB2.0×3、FireWire 400、FireWire 800×2、メモリカードスロット [サイズ/重量] W430×D245×H43mm/5.2kg [備考] 対応HDD:3.5インチのシリアルATAドライブ [掲載号] 「Mac Fan」2008年12月号

OVERVIEW

Macに標準搭載される内蔵ハードディスクドライブ(以下、HDD)の容量は増えているものの、音楽や写真、そして動画といった日増しに増え続けるデータを保存するのに外付けHDDは欠かせない。また、タイムマシンを使ってMacの内蔵ハードディスクをバックアップしていると、1台の外付けHDDでは足りない場合もある。

そんな用途に最適なのが、本製品だ。3.5インチのシリアルATA接続のHDDを2台を内蔵できる外付けケースで、前面から簡単にHDDの増設や交換が可能。また、2台のHDD容量をまとめて1台のHDDとして使う機能も備える。


(1) シンプルな横長デザイン
本体の高さは約4cm。横に長いデザインなのですっきりとしている。本体背面には冷却用のファンを2つ搭載している

インターフェイスは、USB2.0に加えて、FireWire 400または800を搭載。横長の筐体の上に液晶モニタやMac本体を設置できるので、 スッキリしたスタイルで作業が可能だ。

(2) 薄型で設置しやすい筐体
薄い筐体の本体の上には、15kgまでのものを設置可能だ。モニタやMacを置けばMac周辺がすっきりする

FOCUS ON

HDDの交換は数十秒あれば行えた。ここまで簡単に交換できると、作業内容によってHDD単位で管理することが可能だ。音楽や動画編集など、複数のプロジェクトを並行して運用する際に便利に使えるだろう。

また、家庭での作業用ストレージとして使ったり、タイムマシン用のストレージとして使ったり、マシンを買い替えた時のハードディスク間のデータの整理に使ったり(ダビング用デッキみたいな感じで)と、各HDDを異なる用途に利用できる。

(3) HDDの取り換えが簡単
前面のHDDトレイにある穴に付属のピンを差し込むと開けることができる。専用トレイに内蔵用のHDDをセットしておけば、後はカセットの交換のように手軽にHDDを交換できる。2つのHDDを用途に合わせて使い分けることが可能だ

本製品は、複数のHDDにデータを分散させて書き込むことでデータアクセスを高速化するRAID0をサポートしている。ただし、実際に試してみたところ、あまり大きな効果は得られなかった。インターフェイスの速度が制限となり、USB接続なら普通のUSB接続の、FireWire接続なら通常のFireWire接続の外付けHDDと速度的にほとんど違いがない。

また、複数のHDDを1つに統合できる「JBODモード」も搭載しているが、本製品のJBODモードは2台のHDDをそれぞれMacに認識させるモードとなっている。よって、2台のHDDの容量をまとめたい場合は、RAID0モードを使うことになる。

RAIDによる高速化はあまり期待できないものの、価格も手頃なのでHDD環境を頻繁に取り換えたい人なら持っていて損はないだろう。

(4) 正面パネルにカードリーダ搭載
コンパクトフラッシュやマイクロドライブ、SDメモリーカードなどに対応したメモリカードスロットを搭載。本体前面のUSBポートに周辺機器も接続できる

(5) FireWireでも接続が可能
背面に用意されたUSBやFireWireポート。接続ポートの設定や、RAID0とJBODの設定はトグルスイッチを使って行う

AFTER REVIEW

本体前面にメモリカードリーダやUSBハブが搭載されているのは便利だ。できれば、本体前面にボタンを設け、ワンプッシュでメモリカードのデータをコピーできるとよかった。電源を内蔵しているので、ACアダプタがいらないのは有り難い。それでいて、本体もコンパクトだ。本体をMacやモニタの下におけるのはポイントが高い。縦型の外付けHDDが多い中で、今後このようなスタイルの製品が増えていくとユーザにはうれしい限りだ。