カラー印刷速度を向上! コンパクトなLEDプリンタ【2008年3月号掲載】



スペック

[発売元] 沖データ [価格] 22万8,900円 [OS] Mac OS 9.0~9.2.2、Mac OS X 10.2~10.4.10 [解像度] 最大600×1200dpi [インターフェイス] USB 2.0、100/10BASE-Tイーサネット [用紙サイズ] A3~ハガキ、長尺用紙 [サイズ/重量] W485×D648×H345mm/約32.3kg(消耗品含まず) [掲載号] 「Mac Fan」2008年3月号

OVERVIEW

2006年6月に発売された「C8600dn」の上位モデルに当たるのが本製品だ。A4サイズのモノクロのプリント速度は毎分32枚と変わらないものの、カラーのプリント速度が毎分26枚から30枚に高速化され、ランニングコストもカラーで約12.1円、モノクロで約3.1円とコストパフォーマンスの高いA3対応プリンタである。

(1) コンパクトで置き場所に悩まない
筐体はインクジェット複合機にやや奥行きを伸ばしたぐらいの大きさのため、現在インクジェットの複合機を導入している環境でも導入できるサイズだ

(2) 標準で400枚格納可能
用紙トレイは標準で400枚給紙が可能。他社同型機と比べ50枚程度多い。オプションの「セカンドトレイユニット」(5万2,500円)を導入すれば、最大930枚セットできる

(3) 両面印刷に標準対応
紙節約に重要な役割を果たす両面印刷ユニットが標準で装備されている。USB2.0に加え、100BASE-TXのインターフェイスも背面に搭載する

印字ヘッドには、同社製品で特徴的といえるデジタルLEDを採用。プリンタのヘッド部が小さくシンプルな機構で済むことから、コンパクトな本体を実現している。それでいて、自動両面印刷機能やネットワークインターフェイスを標準で装備し、最大で1200×297ミリの長尺紙印刷に対応。オフィス書類から垂れ幕ポスターなど、さまざまな印刷物を高速に作成できる。

また、本製品はCMYKの各色を1色ずつ転写するのではなく、各色のユニットを並列に配置し、その下に紙を通過させて色を定着させる「タンデム方式」を採用しているため、紙詰まりがしにくい構造でもある。耐久印刷枚数は60万ページ(5年間毎日印刷しても1日328枚)と信頼性が要求されるビジネスの現場で威力を発揮する。

(4) 紙詰まりが起こりにくいタンデム方式を採用
印字ヘッドには高密度なLEDを採用。また、タンデム方式を採用しているため、紙詰まりが起こりにくい構造だ

FOCUS ON

見た目は「これがA3対応なのか?」と思うほど小型であり、設置場所の問題で今までA4サイズやインクジェットプリンタを使っていたような環境でも楽に設置できる。

(5) サファリで簡単設定
WEBブラウザで設定できるほか、Mac用のプリントステータスモニタ、ネットワーク接続ツールが付属する

ビジネス用途では朝一番や急いでいる時などのファーストプリントの速さが重要だが、本製品の場合は約10秒と高速。両面印刷の場合は約18秒だ。また、毎分の印刷速度は、60枚のA4カラー書類を印刷するのに約2分。A3対応のレーザプリンタでは現在最高クラスで、プリント品質も高いレベルだ。Mac OS X 10.5 Leopardにはまだ正式対応してないが、実際にLeopardでも設定や印刷は行えた。

上位モデル「C8800dn」とは異なり、ポストスクリプト(PS)やセキュリティ機能には未対応だ。しかし、C8800dnのセキュリティ機能はMacにほとんど対応していないことを考えると、価格や本体サイズを抑えながら、カラー速度を向上させた本製品はコストパフォーマンスが高い。この価格帯ではオプションであることも多い自動両面を標準装備しているのもうれしいところだ。

(6) 細かい文字まで再現できて高精細
マイクロファイントナーと呼ばれる微細なトナーを使用し、プリント品質も高い。写真の黒潰れや赤飽和が少なく、微細な部分もはっきりと表現されている

AFTER REVIEW

Leopardへの対応に関しては、メーカーでは「動作確認中」となっているが、近いうちにアップデータなどで対応するだろう。同製品の登場で、同社の「Cシリーズ」は幅広いラインアップとなった。下位モデルに当たるC8600dnも併売されており、価格差は約4万円。カラーの印刷速度の違いが選びのポイントとなるだろう。プリントに合わせてトナー濃度を変えられる「オフィスドキュメントモード」がMacに未対応なのが、やや残念なところだ。