いろいろと物議を醸していた新型コロナウイルス用のワクチンだが、ついに全国で接種が始まったようだ。
だが、始まったらはじまったで、我々の目に入るのはワクチンの効果や接種の進み具合などより「あそこの上級国民が、順番を抜かしてワクチンを受けようとした」というニュースの方が多い気がする。
もしかしたら地球人というのは、あのサイヤ人ですら後ずさりながら「……まずは話し合おう」と会議室を押さえてくるレベルの戦闘民族だったのかもしれない。
ワクチンは高齢者から、各所で起こった予約の混乱
当然だが私のところにワクチン関係の報せは一切来ていない。何せ、1年の大半を家から出ず、誰とも会わず過ごしているのだ、優先順位的には60億番目ぐらいにあたる。私にワクチンが回ってくるころには、コロナが終息して、別の病気が流行っていると思う。
しかし、先日実家に行ったところ、両親はもちろん祖母ですら「やっと申し込んだところ」だという。高齢者や医療従事者から優先的に摂取させると聞いていたが、祖母はすでに90オーバーである。
確かに我が村は他の地域より少子高齢化が著しく、「老人会」も65歳とかを高齢者枠に入れてしまったら老人が建物に入りきらなくなるので、高齢者の定義を一気に「90歳以上」に引き上げたと聞いた。
それを考えれば、92歳程度の祖母など、我が村の老人の中では若手を越えて幼女である、ワクチンもまだパイセン方に譲る他ない。
しかし現時点で92歳まで到達していないということは、我々中年に打つ権利が与えられるのはいつになるのか。何せ少子高齢化の村なので40代の摂取が終わった時点で「99%終わった」と言っても過言ではなくなるが、それにしても先だろう。
そもそも母が「やっと申し込んだところ」と言っていたように、まず申し込こむまでが大変のようだ。
確かに、ワクチン接種の予約がはじまった当初は「予約サイトのサーバーが瞬殺された」というニュースが良く流れ、国の用意するシステムの脆弱さが改めて浮き彫りになった。だが正直「ネット回線がパンク」という表現が出てくるだけまだ近代的、今風に言えばハイカラである。
我が村のローカルニュースでも、ワクチン予約開始の現場の様子が放送されていたが、開始の昼12時を迎えるにあたり全職員が「電話」の前に全裸待機なのだ。
もしかしたら全裸ではなかったかもしれないが、とにかく電話の前にいたのは確かである。しかし「電話回線が瞬殺」で繋がりだしたのは12時15分ごろだったという。
どうせ繋がらないにしても、取ってもらえない電話を鳴らし続けるメンヘラ彼女ムーブをするよりはネット予約の方がまだマシではないかと思うかもしれないが、何せ対象が高齢者なので「ネット予約の仕方がわからない」人が多いのだという。
そのことから電話予約や窓口予約も行ったところ、前述のように電話回線がパンク、窓口には人が押し寄せある地域では「徹夜組」まで現れたという、「コミケ」と書いて「地獄」の様相になったとの噂もある。
正直、罹るかわからないコロナより、確実に体にダメージを与える徹夜の方が寿命を縮めると思う。DB(ドスケベブック)ですら徹夜購入は禁止なのだ、ましてドスケベでもない物のためにそこまでしなければいけないという態勢は異常である。
ちなみに我が村は電話や窓口では対応が遅れることを受けて「できるだけネットで」と呼びかけるかと思いきや、接種日時がお任せでいいなら「FAXと郵送」での申し込みを推奨していた。
私が外国人なら「出た! ジャパニーズファッ○ス! 」と日光江戸村に来たぐらいはしゃぐと思うが、地元のことなのでウィンクしながら両肩をすくめるかもしれない。
「プロ」がワクチン騒動に参戦、オタクが一時モヤった理由は
そんなわけで今一番チケ取りが難しいと言われるワクチン予約だが、素人にやらせるからモタつくのであり、プロであるチケット販売会社とかにやらせれば良いとも言われていたが、本当に「チケットぴあ」がワクチン予約のシステム提供に乗り出すらしい。
ワクチン予約はぴあと同じサーバーを使用するため、何十万ものアクセスにも耐えられ、日時や接種場所も指定できる。応募者から抽選する機能、さらに一人の人間が何十本も打ったり、まさかと思うが転売などが起こらぬよう、重複応募の防止機能もつけるそうだ。
しかし、チケット販売会社と言えば「謎のシステム利用料」である。一般の方と、活動の全てをピクシブとネトフリで終わらせているオタクにはなじみが薄いかもしれないが、チケット販売会社にチケット予約をすると、「謎」としか言いようのないシステム利用手数料を取られるのだ。
しかし、DBを買う時値札が視界に入らないように、推しのライブチケを取る時に手数料を気にする奴はあまりいない。この謎の手数料が憎まれているのはその内訳がバラエティ豊かすぎて、合計でそこそこの金額になる点である。
推しチケを取る時ですら憎まれるのだから、ドスケベでも推しでもないワクチンチケを取るのに手数料を取られてはたまらない。
当初ぴあを使ってワクチン予約をすると1,000円の手数料がかかると報道され「やはり」と、ご用意されない勢を中心に炎上したようだが、実際負担するのは自治体であり、個人にかかることはない。
しかし、利用料を取るのは事実なので、ワクチン予約を使って儲けようという批判もあるようだが、チケットの郵送はぴあ持ちで実質利益はほとんどないという。たとえ利益目当てでも、ぴあなどのチケット販売会社もコロナによるイベント中止で相当なダメージを受けているはずである。
この苦境を打破しようとする試みまで批判して止めさせていては、いざコロナが去ってイベントが行えるようになった時にはチケット販売会社がなくなっているかもしれない。
そうなったら、電話予約や窓口に並び、最終的にファッ○クスや郵送で推しのチケットを取る日が来てしまうのだ。