米Appleは、9月7日(日本時間8日午前2時)より 開催されるイベントにて、iPhoneシリーズおよびApple Watchシリーズの新モデルを発表すると見られます。今回は新型iPhoneに関して現在までに出回っているウワサをまとめました。
発表される製品は?
今回のイベントで発表が見込まれているのは、下記の製品です。
- iPhone 14
- iPhone 14 Plus
- iPhone 14 Pro
- iPhone 14 Pro Max
- Apple Watch Series 8
- Apple Watch SE
- Apple Watch Pro
緊急時の衛星通信に対応? 星空のような招待状
以前から聞かれていた、iPhone向けの衛星通信機能がいよいよ提供されるとのウワサがあります。これは、携帯電話の電波がない場所からも警察・救急への通報と緊急連絡先へのメッセージ送信を可能にする機能です。実現するとしたら、Appleとの業務提携が報じられたGlobalstar社の衛星通信を利用したものになると見られます。
対応モデルについては、衛星通信には新しい通信チップを搭載したiPhone 14以降になるという見方と、iPhone 13から準備が完了していたという、2つの見方が出ています。また、新たに発表される「Apple Watch Pro」も単独で衛星通信に対応する可能性があります。
この機能については、イーロン・マスク氏とT-Mobileが、SpaceXの衛星を利用したテキストメッセージサービスに関する発表会を開催し対抗してくるかもしれない、とのウワサも。また、HUAWEIが9月6日に発表する新端末にて同様の機能を提供する可能性もあり、衛星通信対応は新たなサービスの前線となっています。ただし、各国の規制なども関係するため、利用できる範囲がどこまで広がるかは不透明です。
Phone 14は「スタンダード」の立ち位置が明確に
iPhone 14シリーズは、iPhoneのスタンダードモデルとして堅実なアップデートになることが見込まれます。
サイズ面では、売り上げが芳しくなかった5.4インチの小型モデル「iPhone mini」がラインアップから姿を消すことになる模様。代わって投入されるのは「Pro Max」系と同じ6.7インチの大型モデル。名称は「iPhone 14 Max」ともウワサされていましたが、直近になって「iPhone 14 Plus」が有力視されています。
スペック面では、これまでProモデルと共にアップデートされてきたチップがついに差別化要素に。Proモデルが新しいA16 Bionicにアップデートされる一方で、スタンダードモデルは現行と同じA15 Bionicが搭載されるとの見方が濃厚です。サイズ展開と名称、スペックの差をわかりやすくし、スタンダードモデルとプロモデルの棲み分けを明確にしようという戦略がうかがえます。
miniが消えることで名実ともにiPhone SEがエントリーモデルとなるわけですが、こちらも新型の登場がウワサされています。どうやら、ついにホームボタンがなくなる模様。現状のiPhone SEが最後のTouch IDモデルとなるのでしょうか…。新型SEの登場は来年3月との見方もあります。
予想されているiPhone 14/14 Plusのスペック
- 6.1インチ「iPhone 14」と、6.7インチ「iPhone 14 Plus」
- iPhone 13シリーズから継続で、A15 Bionicチップ搭載
- 現行モデルより50%アップの6GBメモリ搭載
- 緊急時衛星通信対応
- フロントのノッチ(カメラ部分の切り欠き)は継続
- Lightningポート搭載
- ストレージは128GB/256GB/512GB
- 価格は、iPhone 14(128GB)で$799〜(iPhone 13と同じ)
- 5色展開(Midnight/Starlight/Blue/PRODUCT(RED)/Purple)
48MPカメラに8K動画? 「Pro」のハイグレード感が明確に
iPhone 14 Proシリーズは、カメラ性能とハードな使用に耐えるスペックを備えた、まさにプロ向けの機器になることが予想されます。
サイズ面では、現行と同じ「iPhone 14 Pro」と「iPhone 14 Pro Max」の2サイズ展開。デザイン的には、フロントカメラ部分のノッチがなくなり、長丸型のカットアウトが配置されるようです。そうなれば、フロント側の見た目の部分で、スタンダードモデルとの違いが初めて明確になります。
スペック面では、新たに「A16 Bionic」チップを搭載。ただし、プロセスルールはA15 Bionicと同じ5nm(やや性能は高い)にとどまるとの見方が多いようです。メモリは6GBまたは8GB搭載。ただし、スタンダードモデルに搭載されるLPDDR 4Xよりも最大1.5倍高速、電力効率も30%高いLPDDR 5を採用し、GPUも強化されるとの情報。総合力では一定の進化が見込まれます。
カメラは現行の12MPから48MPへ大幅なスペック向上が有力視されています。動画撮影も4Kから8Kに対応。その分、懸念はストレージ容量です。14 Pro/Pro Maxは128GBモデルがなくなり、256GBから最大2TBになるのでは?とのウワサも。確かに、映像制作現場で使うならこれくらいは必須でしょう。
不確定ですが、放熱対策として「ベイパーチャンバー」が搭載されるとの情報があります。ベイパーチャンバーは高い熱伝導性を持つ金属で作られた板状の小型部品で、中に閉じ込めた液体の気化/凝縮効果によって効率的に熱を発散させるものです。現在は厚さ0.2mmのものも製造されており、iPhoneへの搭載も現実的です。コストをかけても信頼性を高める造りは、(実現するなら)まさにプロ向けならではの選択です。
予想されているiPhone 14 Pro/14 Pro Maxのスペック
- 6.1インチ「iPhone 14 Pro」と、6.7インチ「iPhone 14 Pro Max」
- A16 Bionicチップ搭載
- 高速・高電力効率のLPDDR 5メモリを6GBまたは8GB搭載
- 緊急時衛星通信対応
- フロントのノッチ(カメラ部分の切り欠き)がなくなり、長丸に
- 常時表示ディスプレイ搭載
- Lightningポート搭載
- ストレージは256GB/512GB/1TB/2TB
- 価格は、iPhone 14 Pro(256GB)で$1199〜(iPhone 13 Pro 256GBより$100高い)
- 5色展開(Green/Purple/Silver/Gold/Graphite)
その他の製品は?
iPhone以外の製品についても簡単に触れておきましょう。
Apple Watchは、Apple Watch Series 8、新しいApple Watch SE、そしてよりハードな使用に耐えるApple Watch Proの3モデルがラインアップされるとの見方が濃厚です。Proモデルは、より大型化し、より大容量バッテリーを搭載する可能性があります。
デザインに関しては、昨年見送られたフラットディスプレイ採用のウワサが再び盛り上がっていますが、どのモデルに採用されるかは不明です。また、Proモデルについては初めての長方形ディスプレイが採用されるとの見方もあり、Apple Watchにとって大きな転換点となるかもしれません。
MacやiPadなどについては、2020年・2021年に続いて今年も10月に再び開催されるイベントにて発表されると見られています。Appleシリコン搭載のMac Pro、M2プロセッサ搭載のiPad Proなどが登場するのか、こちらも注目です。