WWDC 2019において、iOS 13の「マップ」に追加される大きなアップデートが発表されました。ただし、残念ながらビジュアル的にインパクトのある新機能はまだ日本では未対応です。今回は日本で使える実用的機能を中心にご紹介します。

「Look Around」とマップ再構築は日本未対応

iOS 13の「マップ」では道路や建物などの表示がより正確で詳細になり、高解像度の3D写真で街中を体験できる「Look Around」機能が追加されました。ただし、現在のところこれらに対応しているのは米国の一部に限られています。それ以外は2020年以降に対応するとのアナウンスがありますが、具体的な地域や時期は明らかにされていません。

  • 米国の一部で利用できる「Look Around」機能。リアルな街並みの中をスムーズに移動できます

  • WWDCで発表された新しいマップ(画面左側)。ベースとなるマップを再構築し、より正確で詳細な表示に。日本での対応は未定

  • ちなみに現状の3D表示や航空写真表示も、国内で対応しているのは一部の都市に限られます

地図情報を活用する基本は「場所カード」

マップ上で施設や店舗等のアイコンをタップすると、その詳細を表示する「情報カード」が出てきます。この機能が一部強化され、リアルタイムの情報が表示されるようになりました。

  • 場所のアイコンをタップすると表示される「情報カード」。詳細情報やクチコミサイトのレビューなどを見ることができます

  • 鉄道の駅で情報カードを表示→直近の時刻表や運行状況を確認できるようになりました

  • Appleの店舗ではイベントの予定を表示。今後は劇場の上映予定、ホテルの予約状況など幅広い情報への対応が期待されます

「よく使う項目」を使えば1タップで経路検索

勤務先や最寄駅、よく行く店など、頻繁に利用する場所を「よく使う項目」に保存できるようになりました。「よく使う項目」はマップを開くとすぐ下部に出る情報カードに表示され、タップ1回で経路検索が可能です。

マップで表示した場所を「よく使う項目」に保存する方法

  • マップで保存したい場所のアイコンをタップ(なければ長押ししてピンをドロップ)→カードが表示されたら下にスクロールして「よく使う項目に追加」をタップ

「よく使う項目」への経路を1タップで検索する方法

  • マップを開き、カードに表示された「よく使う項目」から行き先をタップ→現在地からの経路が表示されます

テーマ別に場所をブックマークする「コレクション」

頻繁には使わないけれど、時々行く場所やいつか行きたい場所などを保存するなら「コレクション」が便利。こちらもiOS 13の新機能です。コレクションはテーマを分けて場所を保存できるブックマークのようなもので、他の人にシェアすることも可能です。

  • コレクションは、アプリを開いてカードを引き上げると中段に表示されています。コレクションを開くと保存した項目をマップ上で一覧することができます

マップで表示した場所をコレクションに保存する方法

  • コレクションに入れたい場所のアイコンをタップ→カードを引き上げ「追加」をタップ

  • 追加先のコレクションを選択(新しく作成することも可能です)→コレクションに追加されました

旅先で訪れたい施設・名所旧跡の候補、攻略したいラーメン屋、近くに行ったら寄りたい店など、いつか行きたい場所のメモとしても便利です。

コレクションを共有する方法

  • 【送信側】コレクションを開き、一番下のシェアボタンをタップ→送信先・送信方法を選択

  • 【送信側】送信します。画面はメール、メッセージで送信する場合の例です

  • 【受信側】受け取ったリンクを開く→マップに転送され、そのままコレクションとして保存が可能です

車で移動する際の到着予定時刻を共有

経路検索を使用して車で移動する場合、到着予定・経路を共有することができるようになりました。共有中は相手側からこちらの位置情報・経路・目的地がわかります。

  • 車での経路を検索し「出発」をタップ→「到着予定を共有」をタップ

  • 共有相手を選択→共有が開始されました。共有を停止する場合は共有中の相手をもう一度タップします

気になった情報は「問題を報告」

以前に比べると十分に安心して使えるようになったiOSのマップですが、ローカルな情報をリアルタイムに拾い上げるのはやはり難しいもの。身近な範囲で情報の不足や間違いを見つけたら「問題を報告」して精度の向上に協力することができます。

iOS 13ではカードから簡単に報告ができるようになりました。なお、送信した情報が即時掲載されるわけではありません。

  • 情報の不足や間違いを見つけたら、カードを開いて「問題を報告」をタップ→情報を追加・訂正して送信。営業情報の更新や、公式サイト・写真などを追加することができます