第44回 iPadで新製品 AirPodsを試す!

遅れていたAplleの新製品、AirPodsがいよいよ発売。「Appleの初物はとりあえず買う!」なiPadianは当然、予約開始と同時に注文して発売日と言われる12月19日に入手。さーて、これでiPadに繋いで楽しんじゃうぞー。

AirPodsはBluetooth接続のワイヤレスイヤホン。主に使うのはiPhoneなのでまずはiPhoneと繋いでみよう。普通、Bluetooth接続機器の場合、最初に接続する本体とのペアリングが必要になるが、AirPodsの場合はケースの蓋を開けたところで自動的に接続の通知が表示され、接続ボタンを押せばそのまま接続完了。バッテリー残量がどれくらいかが表示される。

AirPodsとiPad Proで大きさ比較。とても小さい

ケースの蓋を開けるとイヤホンが入っている。ケースは充電器も兼ねていて、中に入れておくと自動的に充電される

蓋を開けた時点でiPhoneにはこんな感じで自動的に表示される。接続をタップしてペアリング完了

初期状態での充電状況はこんな感じ。AirPodsだけじゃなくケースの充電残量も表示されるのはいい

あとはケースから取り出して耳にはめ、再生ボタンで再生。耳から外せば止まる。標準設定ではAirPodsをダブルタップするとSiriが起動するようになっていて、これらは「設定」ー「Bluetooth」にあるAirPodsの「i」ボタンで変更が可能だ。

装着した感じは今までのEarPodsと変わらないがとても軽く、少々首を左右に振っても落ちない。付け方でも結構音質に差が出るので注意しよう

AirPodsの設定は「設定」ー「Bluetooth」にあるAirPodsの「i」ボタンをタップ

初期状態ではダブルタップでSiriが起動する。耳に付けているかどうかを自動検出させないようにもできる

AirPodsのウリは複数端末への自動接続。iPhoneと接続したAirPodsはiCloudで紐付けされて、他のApple製品と自動的に接続が可能になっている。接続の切り替えは画面下からコントロールセンターを呼び出し、2ページ目のオーディオ出力で表示されているAirPodsをタップして選択すると、iPhoneとの接続が切れて自動的に切り替わる。iPadでミュージックアプリの再生中にAirPlayアイコンをタップして切り替えてもOK。

コントロールセンターのオーディオ出力で表示されているAirPodsを選ぶと、iPhoneとの接続が切れて自動的にiPadに接続される

AirPlayボタンをタップするとiPhoneと接続されているAirPodsもiPadに表示されるのでここで選択

音質と接続距離とレイテンシー

さてAirPods、多くの人が気になるのは音質とレイテンシー(遅延)だろう。まず音質。音は感じ方に個人差があるところではあるが、幾つかのBluetoothイヤホン、ヘッドホンを利用しているiPadianには、ちょっと軽めだがクリアで決して悪くない音と感じられる。低音域が弱いと感じる人はミュージックアプリの設定でイコライザをBass Boosterにしてみるのもいいだろう。

形状からしてEarPodsと同じかなーと思って聴いてみたら、実はEarPods(最新のLightning接続のもの)の方が音がパワフルだった。これは有線の強みというところか。AirPodsの音質は軽いが、聴き疲れしない音とも言える。

AirPodsと同じくイヤホンだけでBluetooth接続ができるEARINとも音質を比較してみた。EARINはドライバに少し高価なイヤホンが採用するバランスド・アーマチュア型を使っていてかなりいい音を鳴らしてくれるのだが、AACに最適化されているAirPodsはいい勝負をしていると感じた。

Lightning接続のEarPodsはとてもパワフルでクリアな音で再生できた。比べるとAirPodsはちょっと音質が軽い感じ

イヤホンのみでBluetooth接続ができるEARIN。少し高級機だがAirPodsは負けてない

Bluetoothの接続距離は5m程度か。自室からリビングまで移動すると音が途切れがちになる。実際にはそこまで離れて利用しないだろうし、障害物がない場所ならもっと距離は伸びると思われる。

Bluetooth接続のイヤホンで一番気になるのはレイテンシー。特にiPadでは映画やゲームに使うことが多いので、音の遅れは致命的と言える。しかし今回、Amazon プライムビデオを再生したり、幾つかのゲームを試した感じでは、気になるほど音がずれるということはなかった。これは合格点。

Amazon プライムビデオでビデオをストリーミング再生(画面が表示されていないのは著作権対策のため)。音の遅れはあまり感じない

おなじみのReal Racing 3でも気になるほどの遅延は感じられず、快適にプレイでき

AirPods活用のカギはSiri

AirPodsのもう一つの利点はインターフェイスとしての部分。そう、Siriを呼び出して実行できるという点だ。AirPodsをダブルタップしてアプリを実行したり、プレイリストを呼び出したり、ビデオを再生したりできればかなり便利!と言えそうだ。

iPadianもその辺にとっても期待してたわけで、じゃあ呼び出してみようかなと「BABYMETAL」を呼び出してみたんだけど……「ベビーメタルが見つかりません」。そう、Siriは日本語に対応してないんですな。うーん、これは悩ましいぞ。

例えばアーティスト名に関してはSiriが認識できるもの、宇多田ヒカルなど日本語アーティストで変換できるものはOK。Dreams Come TrueとかB'zとかもちゃんと発音すれば大丈夫。℃-uteとかBuono!とかはダメ。Billy JoelはOK。Journeyはダメ。Lady GAGAはレディーガガになってダメ。認識できるものとできないものの差がありすぎて使えない。

BABYMETALもちゃんと発音すれば呼び出せるのだが普通は認識できない

アプリに関してはFacebookなどは問題なく呼び出せるみたいだけど、Real Racing 3は決して呼び出すことができなかった。例えば使ってるアプリに関して読み仮名を設定できれば呼び出せるのかもしれないけど、そもそもどう呼び出せばいいのかわからないアプリもあってこのままでは活用できない。いろいろな面でSiriの日本語正式対応は必須だなぁと。

発音が良ければ呼び出せるのか?いやこれは無理だろ……。決してAirPodsの問題ではないのだけれど、AirPodsの利点が発揮できないのはとても残念だ

以上、駆け足で機能や音質を紹介してみたが、AirPodsの実力はかなりのものと言っていい。iPhoneからMacまで、これ一つでマルチデバイスにペアリングできる点を考えると実はお買い得かもしれない。特にiPhone 7シリーズはApple Payを使うため、ケーブルが繋がっていない方が何かと便利。年内はもうApple Storeでないと手に入らないと思われるが、十分にオススメできるイヤホンだ。