ある人から届いたメールを、別の人にそのままの形で送る「転送」は、Eメールを使っている人にとって頻繁に利用する便利機能の1つ。ビジネスシーンでも情報共有の手段の1つなどとして、転送を使っている人は少なくないのではないでしょうか。
Gmailで転送機能を利用するには、一般的にメールを開いた後「転送」ボタンを押し、コメントを追加して送信する……というのが一般的かと思います。ですが実は最近、Gmailでもっとメールの転送を便利にする、新しい方法が追加されたのです。
それはメールを“添付”してしまう方法です。これは2019年12月から2020年1月にかけてGmailに順次追加されている機能で、個々のメールを画像などと同じ感覚で添付できるというもの。それゆえ、この機能を活用すればGmailからもっと手軽で簡単にメールを添付できるようになるのです。
では、メールを添付して転送するための具体的な手順を説明しましょう。まずはメールを新規作成した後、受信トレイから転送したいメールを選んで作成画面にドラッグします。
するとメールがファイルとしてが添付されるので、後は本文などを入力して「送信」ボタンを押すだけです。
あらかじめ転送したいメールが決まっている場合は、受信トレイの一覧からそのメールを選んで右クリックした後、「添付ファイルとして転送」を選ぶことで、より素早くメールを添付することが可能です。
送付されたメールを確認すると、「○○.eml」という形式のファイルが添付されています。EML形式というのは電子メールで一般的なEメールのファイル形式の1つであり、多くのメーラーではそのまま開いて中身を確認することが可能です。もちろんテキストだけでなく、元のメールに添付されていたファイルも、そのまま添付された状態で送られるので安心です。
メールを添付して転送することの最大のメリットは、1通のメールで複数のメールを同時に転送できることです。従来の方法によるメールの転送は、あくまで1通ずつ転送する必要があったことから、例えば5通のメールを転送するような場合は、何度も転送の操作が必要でとても手間がかかっていました。
しかし、メールに添付する方法を使えば、1通のメールで、容量が許す限り何通でもメールを転送できることから、手間を大幅に省くことができるようになります。ちなみに複数のメールを添付するには、受信トレイから添付するメールを複数選んだ後、先と同じように作成中のメールにドラッグする、あるいは右クリックして「添付ファイルとして転送」を選ぶだけです。
ただ実際に使ってみると、メールの添付による転送にはいくつかデメリットもあるように感じられます。その1つは、転送したメールであることが分かりにくいこと。多くの人にとって、eml形式の添付ファイルというのはあまり馴染みがないことから、送られてきたメールが転送メールと気づきにくい可能性が高いのです。
そしてもう1つは、Gmailなどで転送されたeml形式のファイルを開くと、警告文が出てきてしまうこと。これは添付されたメールファイルの内容が、何らかの形で保証されている訳ではないことから現れる警告なのですが、先にも触れた通り多くの人がemlファイルを開くという行為に馴染んでいないことから、何の説明もなしにこの方法でメールを転送すると、警告文で相手を驚かしてしまう可能性がありそうです。
そうしたことから、この方法によるメールの転送を利用する際は、相手が慣れるまでメールに詳しい説明を入れて送る必要があるでしょう。とはいえ先にも触れた通り、この方法を使えば複数のメールを同時に転送できるなど大きなメリットもあることから、慎重さが必要ではあるもののうまく活用すれば非常に有効であることに間違いはないでしょう。
著者プロフィール: 佐野正弘

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。