4月17日と18日に『ストリートファイターV CE(SFV)』のツアートーナメント「CAPCOM Pro Tour 2021(CPT2021)」が開幕しました。

『ストリートファイター』の次回作がリリースされなければ、シーズン5で2022年もCPTを開催するかもしれませんが、『SFV』が今シーズンで最後シーズンとなることから、『SFV』のCPTも2021年がラストになる可能性があります。

今回は2020年と同様にオンラインでの開催。2020年とは違って準備万端で32大会が予定されています。また、前回は日本人プレイヤーが参加できる大会が「アジア東」のみ2大会しかありませんでしたが、今回は日本大会が4つ用意されています。

アジア東大会も2つ用意されており、こちらに日本人プレイヤーが参加できるかどうかはまだわかりませんが、台湾、香港、韓国など『SFV』の強豪国からカプコンカップの出場チャンスが増えることは喜ばしいことでしょう。これまでカプコンカップの出場選手枠の約半分が日本人選手だったことを考えると、8枠でも少ないくらいですが、世界的にプレイ人口を増やす意味では、各国、各地域からカプコンカップの出場枠は増やすべきであることも確かなので、仕方ないかもしれません。

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    CPT2021のスケジュール。すべてオンライン開催で、日本大会は4つ用意されています

ベスト8では使用キャラが分散

記念すべきCPT2021の第1回大会、優勝者はマゴ選手。スロースターターとして有名で9月から調子を上げてくることからセプテンバーマゴの異名を持つ選手ですが、2021年は早々にカプコンカップの出場権を獲得しました。

優勝者インタビューでは、「セプテンバーマゴではなく、オールデイズマゴだ!」という名言も飛び出しました。

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    CAPCOM Pro Tour 2021の第1回大会である日本大会1で優勝したマゴ選手

大会はダブルエリミネーション方式のトーナメントで実施。予選プール8ブロックのトーナメントでウイナーズとルーザーズの代表者16名を決めます。初日はさらに、そこからベスト8を決めるところまで行い、2日目は勝ち残った8名によるファイナルラウンドです。

初日の予選プールとベスト16は2本先取のBO3、2日目のファイナルラウンドは3本先取のBO5形式。参加選手数は500名を超えていましたが、オンラインならではの同時試合開催により、思った以上にスムースに進行していきました。

ベスト8のウイナーズサイドには、カワノ選手、ときど選手、ジョン竹内選手、マゴ選手、ルーザーズサイドには、ふ~ど選手、ももち選手、板橋ザンギエフ選手、ウメハラ選手の8名が進出。いずれも大会上位入賞常連のプロ選手で、どの試合も見応えのあるものばかりです。

『SFV』では若手よりもベテラン選手の活躍が目立っていますが、今回も8名中6名がベテラン選手。ジョン竹内選手とかわの選手の2人の若手が割って入ります。ただ、その若手2人もファイナルに出場したベテラン勢には一歩及ばず、かわの選手が4位、ジョン竹内選手が5位タイで終了しました。

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    CPT2021日本大会1ファイナルの結果。実力派の選手が鎬を削ります

今大会は『SFV』がシーズン5に入って初の大会。新システムのVシフトや新キャラクターのダン、再調整された既存のキャラクターなどにより、様相は一変しています。多くのトップ選手は複数キャラクターを扱うようになっており、「キャラクター選びから、試合が始まっている」という場面もありました。

その中で個人的に注目していたのが、ももち選手とストーム久保選手。ももち選手はリュウを使用し、3位まで勝ち残りました。リュウは『ストリートファイター』シリーズ初代から登場する人気キャラクター。『SFV』では弱いキャラクターと認識されていたため、プロ選手はあまり使っていませんでしたが、シーズン5になって大幅強化されたため、日の目を浴びることになりました。

久しぶりに大会のファイナルで観るリュウの姿は『ストリートファイター』ファンであれば、感慨深いものがあります。また、ももち選手らしいテクニカルでアグレッシブなリュウはプレイで多くの人を魅了していました。

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    これまで『SFV』のCPTのファイナルでは登場しなかったリュウ。ときど選手とのルーザーズファイナルで、最後にCAのコマミスで惜敗しましたが、リュウ使いに希望を持たせる結果となりました

ストーム久保選手はダンを使用。イロモノとされるキャラクターですが、過去作から使用してきたキャラ愛を感じさせています。ベスト16のふ~ど選手戦では、もうひとつの使用キャラであるアビゲイルを使用せず、まさかのダン選択で多くの視聴者の心を打ち抜きました。1試合目と2試合目はVスキル、Vトリガーともに2を選択し、3試合目はともに1を選択。相手の対策力を探りながら、どのVスキル、Vトリガーでも戦えるという自信も垣間見られました。

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    ふ~ど選手操るポイズンに相性が悪いとされながらも果敢にダンで挑戦したストーム久保選手。それでも初戦を取り、あと一歩のところまでふ~ど選手を追い詰めました

ベスト8に登場したキャラクターをみても、ユリアン、コーリン、エド、キャミィ、ポイズン、リュウ、ザンギエフ、アビゲイル、ガイル、セスとかなり分散していました。シーズン5に入って、飛び抜けた強さを持つキャラクターが少なくなった証拠ではないでしょうか。

筆者も参戦!

CPTと言えばオープントーナメントです。エントリーすれば誰でも無料で参加できます。

ということで、今回も参加してきました。基本的にはオンラインなので、1人での参加ですが、「【レポートまんが】初心者が格ゲー世界大会に出てみた」のたきさんと、「東京トイボクシーズ」のうめ先生(妹尾朝子さん)、テクニカルライターの西川善司さんと、DiscordやYouTubeでつながりながら参加です。

CPTのオンライン大会も今回で3度めということもあり、参加者の多くは手慣れた感じで、開催と同時にガンガン試合が進行。開始前は、「お互いに応援し合おう」と話していましたが、ほぼ同時進行となり、それどころではありませんでした。

それでも、「勝った!」「負けた!」と、音声チャットで話ながらの参加は1人での参加とは違う楽しさがありました。結果は初戦に勝ったものの、そこから2連敗し、終了。西川善司さんは、2勝したあとの3回戦でプロゲーマーのどぐら選手のベガと対戦が決定します。運が良ければ(悪ければ?)、初戦からプロ選手とも対戦できるかもしれないのがオープントーナメントの良いところ。プロ選手との一戦は大いに盛り上がりました。

何はともあれ、今年のCPTの日本大会はあと3回あります。次は9月18日。しばらく間が空きますが、できる限り参加したいと思います。

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    どぐら選手のベガと対戦する西川善司さんのバルログ。負けたものの、良い体験になったことは間違いありません