2020年6月20日、eスポーツイベント「RAGE GBVS 2020 SUMMER」のオフライン決勝大会「GRAND FINALS」が開催されました。

「RAGE GBVS 2020 SUMMER」は対戦格闘ゲーム『グランブルーファンタジー ヴァーサス(GBVS)』初の公式大会。GRAND FINALSまで出場した8名は、JeSU発行のプロライセンスを取得できます。

大会は5月7日にエントリーを開始。5月30、31日のオンライン予選を経て、24名まで絞られます。そして、6月6日のオフライン最終予選「SEMI FINALS」を勝ち抜いた8名が「GRAND FINALS」に進出します。優勝賞金300万円、賞金総額500万円の高額賞金大会で、その賞金額から大会の規模が推し量れるでしょう。

コロナ禍により無観客試合でしたが、豪華ゲストが大会に彩りを添え、記念すべき『GBVS』の初の公式戦として盛り立てていました。

  • GBVS

    大会は無観客で行われました

  • グランブルーファンタジー ヴァーサス

    MCを務めるのはテレビ朝日アナウンサーの寺川俊平氏

  • グランブルーファンタジー ヴァーサス

    グランブルーファンタジー ジ・アニメーションでシェロカルテ役を務める声優の加藤英美里さんがゲストに登場

  • グランブルーファンタジー ヴァーサス

    グランブルーファンタジー ヴァーサスでパーシヴァル役を務める声優の逢坂良太さん

  • グランブルーファンタジー ヴァーサス

    ゲームを自作するほどゲーム好きな芸人として知られる野田クリスタルさん

キャラと選手の個性が光るGBVSのeスポーツシーン

『GBVS』は、今年2月にリリースされたばかりのタイトルにもかかわらず、『ギルティギア』シリーズや『ドラゴンボール ファイターズ』などの対戦格闘ゲームを手がける「アークシステムワークス」が開発したこともあり、多方面から注目を集めているタイトル。『ストリートファイターV』のプロ選手であるマゴ選手や板橋ザンギエフ選手、藤村選手などが力を入れてプレイしており、対戦格闘ゲーム界においてもかなり注目されています。

「RAGE GBVS」は、対戦格闘ゲームでお馴染みのダブルエリミネーション方式(2敗負け抜け)を採用しており、GRAND FINALS進出時点でウイナーズサイド(無敗)4名とルーザーズサイド(1敗)4名に分かれます。

優勝をかけたグランドファイナルでは、ウイナーズからもっちー選手、ルーザーズサイドからはgamera選手が進出。もっちー選手の使うキャラクター「フェリ」との相性を考え、gamera選手はこれまで使っていた「ジータ」から「カタリナ」にキャラクターを変更して挑みます。

キャラ替えが功を奏したのか、gamera選手はいきなり2本を先取。リセット(ウイナーズサイドの選手が1敗して、アドバンテージがなくなること)目前に迫りますが、そこから怒濤の対応力を見せたもっちー選手が逆3タテを決め、初代チャンピオンに輝きました。

  • グランブルーファンタジー ヴァーサス

    GRAND FINALSでは何度かセットを落とすものの、1回もルーザーズに落ちることなく優勝を決めたもっちー選手

今回、GRAND FINALSに進出した8名は、すべて違うキャラクターを使用していました。キャラクターに個性が出る対戦格闘ゲームの場合、バランス調整が難しく、どうしても強いキャラクターに偏りがちになります。

『GBVS』も当然キャラクター差はありますが、これだけバラけたのは、各選手が、常套の戦略だけでなく、研究成果により独自の戦いかたを構築できた結果ではないでしょうか。

また、『グランブルーファンタジー』は、もともとスマートフォン向けのRPGです。『GBVS』は、そのなかに登場するキャラクターを使った対戦格闘ゲーム。スマホアプリから継承されたキャラクターの魅力が、使用キャラの選択肢に幅を持たせているといえそうです。

  • GBVS

    『GBVS』には、『グランブルーファンタジー』のキャラクターが登場します

  • GBVS

    ゲーム画面のイメージ

さらに、独特の雰囲気を醸し出すgamera選手や芸人泣かせのトーク力を誇る小路KOG選手、対戦格闘ゲームのレジェンドのI-yo選手など、キャラクター以上に、個性の光る選手がそろっていたことからも、『GBVS』のeスポーツシーンは期待が持てそうだと感じました。

夏の対戦格闘ゲームイベントの「EVO 2020」は、残念ながらコロナ禍でオンラインでの開催となりましたが、『GBVS』は正式タイトルとして選出されています。プロになった8人やまだ見ぬ強豪が、熱い戦いを見せてくれると思いますので、楽しみにしたいところです。

ファイナリスト8名に大会の感想を聞いた

今回、GRAND FINALSに進出した8名に、プロライセンスを取得した感想と今回のRAGEの感想を聞いてきました。また、優勝したもっちー選手には、初代王者になった感想と今後の活動についても聞きました。

もっちー選手(大会順位:優勝)

――プロライセンスの取得について感想を教えてください。

もっちー選手:まさか自分自身が格闘ゲームのプロライセンスを取得する日がくるとは……、という気持ちです。

20年近く格闘ゲームをプレイしているのですが、格闘ゲームのプロライセンスが発行されること自体、以前は考えたこともありませんでした。こういった取り組みが、格闘ゲーム業界の盛り上がりにつながれば、最高だと思います。

――RAGE GBVSを振り返って、いかがでしたでしょうか。

もっちー選手:RAGEで優勝することは1つの目標だったので、優勝できたことは大変うれしく思います。

また、GBVSの発売当初からやり込み続けたことが最高の結果に結びついて、格闘ゲーマーとしての自信になりました。

ただ、反省点もあるので、今回の結果に慢心することなく、プレイヤーとしてもっと成長していければと思っています。

――初代王者になった感想は?

もっちー選手:うれしいのひと言ですね。第2回があればぜひ参加したいです。そのときは連覇を狙います。

――プロとして今後はどのような活動をしていきたいですか?

もっちー選手:まだまだ構想段階ですが、プレイヤーの助けになるような攻略系の動画を作っていきたいです。自分の得た経験や知識を人の役に立てられればと思っています。

プレイヤーとしては、GBVSはこれからもまだまだ対戦レベルが上がっていくと思いますので、それに負けないように日々精進していきたいです。

  • グランブルーファンタジー ヴァーサス

    もっちー選手

gamera選手(大会順位:準優勝)

――プロライセンスの取得について感想を教えてください。

gamera選手:何かもらった。

――RAGE GBVSを振り返って、いかがでしたでしょうか。

gamera選手:勝ちたかった。

  • グランブルーファンタジー ヴァーサス

    gamera選手

バギー選手(大会順位:3位)

――プロライセンスの取得について感想を教えてください。

バギー選手:「実感がない」というのが正直な感想です。RAGEに出場したのも自分の実力を確かめてみたいからで、プロライセンスのことは考えていませんでした。

今後はプロライセンスを持つのにふさわしい結果を残せるように頑張っていきたいです。

――RAGE GBVSを振り返って、いかがでしたでしょうか。

バギー選手:プロの選手や僕よりも強い選手が多くいたため、最初は「セミファイナルまで行けたらラッキー」くらいに思っていました。それほど今回のRAGEはレベルが高く、そのなかで3位という結果を残せたのはとてもうれしいです。

大舞台で格闘ゲームするのは初めてだったため、「GRAND FINALS」の初戦は人生で1番緊張したかもしれません。

また、現場の雰囲気がとても新鮮で、ゲーム以外の部分も楽しめました。この楽しさをまた味わうために、次回も結果を残せるように頑張ります。

  • グランブルーファンタジー ヴァーサス

    バギー選手

I-yo選手(大会順位:4位)

――プロライセンスの取得について感想を教えてください。

I-yo選手:まだ取得した段階に過ぎないですが、プロライセンスの社会的価値向上に貢献できるような活動を、自分なりに考えたいと思っています。

――RAGE GBVSを振り返って、いかがでしたでしょうか。

I-yo選手:試合と関係のない個人的感想ですが、最も印象に残ったのは、ひと昔前と比べて圧倒的に多くの人達がゲーム大会の運営に関わっていることです。

ゲームというコンテンツもここまできたんだなと感心するとともに、プレイヤーとして終始お世話になったことに大変感謝しています。

  • グランブルーファンタジー ヴァーサス

    I-yo選手

覇者ラガ選手(大会順位:5位タイ)

――プロライセンスの取得について感想を教えてください。

覇者ラガ選手:大会終了直後は実感がわかなかったのですが、現在は大好きなタイトルでライセンスを取得できたことに感動を覚えています。

――RAGE GBVSを振り返って、いかがでしたでしょうか。

覇者ラガ選手:長期のイベントは初めてだったので、いい経験ができました。

試合についてはあまり満足のいく動きができなかったので、悔いが残っていますが、大会以外でのパフォーマンスについては、みなさんに喜んでいただけたようなのでとても満足しています!

  • グランブルーファンタジー ヴァーサス

    覇者ラガ選手

小路KOG選手(大会順位:5位タイ)

――プロライセンスの取得について感想を教えてください。

小路KOG選手:世界初で唯一のライセンス2枚持ち(『BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE』と『GBVS』)ということで、非常にうれしいです!

マルチにさまざまなゲームをできるのが自分の強みだと思っているので、今後もライセンス獲得を目指したいですね!

――RAGE GBVSを振り返って、いかがでしたでしょうか。

小路KOG選手:国内で珍しい、高額賞金のオープントーナメントということで、めちゃくちゃ盛り上がってました!

自分もファイナルまでいけてうれしかったです! できればほかタイトルのように、ワンシーズンごとの大会があればモチベーションも維持できますので、次回開催を心よりお待ちしております!

  • グランブルーファンタジー ヴァーサス

    小路KOG選手

Ren選手(大会順位:7位タイ)

――プロライセンスの取得について感想を教えてください。

Ren選手:とてもうれしいです! 『GBVS』プロライセンスは今回が初の発行で、まだ世界に8人しかライセンス保有者がいないため、特別感がハンパないです。

――RAGE GBVSを振り返って、いかがでしたでしょうか。

Ren選手:予選から「SEMI FINALS」「GRAND FINALS」と、どの試合も気が抜けないものばかりで、とても厳しい大会でした。

ただ、技術面やメンタル面はかなりレベルアップしたと思いますし、終わったあとは「あぁ〜また参加したいなぁ」と思える大会でした。

次のRAGEが開催されたら次こそは「優勝」奪いに行きます!

  • グランブルーファンタジー ヴァーサス

    Ren選手

おんせん選手(大会順位:7位タイ)

――プロライセンスの取得について感想を教えてください。

おんせん選手:あまり実感はありませんが、実力が認められたようでうれしいです。ライセンスが届いたらとりあえず写真を撮ろうと思います。

――RAGE GBVSを振り返って、いかがでしたでしょうか。

おんせん選手:今までにない経験ばかりで、最初から最後まで楽しむことができました。交流も広がり、まだまだこのゲームを楽しめそうです。

  • グランブルーファンタジー ヴァーサス

    おんせん選手

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