3月13から15日にかけて、『ストリートファイターV』のeスポーツイベント「TOPANGAチャンピオンシップ」の決勝リーグが開催されました。

優勝したのは、ときど選手。使用キャラクターの豪鬼が弱体化したといわれるなか、その存在感を示しました。また、TOPANGAといえば、先日プロゲーミングチーム「魚群」の発足を発表したばかり。TOPANGA代表である豊田氏に話を聞く機会を得たので、魚群についても聞いてきました。

長丁場の対戦ならではの見応え

「TOPANGAチャンピオンシップ」では、2月8日に本戦出場をかけたオンライン予選を実施。勝ち抜いた18名が2月18から23日までのオフラインリーグで対戦しました。AとB、2つのブロックに分かれ、それぞれのブロック上位3名が決勝へとコマを進めます。

Aブロックはマゴ選手が1位抜け。ウメハラ選手、どぐら選手と続きます。Bブロックはときど選手が1位抜け。続いてカワノ選手、ふ~ど選手が勝ち上がりました。特にときど選手は、Bブロック負けなしでの勝ち抜けです。

オフラインリーグでは、3試合先取の「Bo5」で争われましたが、決勝リーグはなんと7試合先取で勝利。しかも、6人総当たりのリーグ戦で、6勝6敗になった場合はデュース。2連勝するか10勝を先にするまで試合が続きます。

決勝リーグ初日では、マゴ選手が対カワノ選手で9勝7敗、対ふ~ど選手で10勝9敗と勝利。1日に35試合も戦うハードな展開です。2日目を終えた時点では、ときど選手がオフラインリーグから連勝を続けてトップを独走。そのあとを、1敗のマゴ選手とウメハラ選手が追いかけます。

3日目の初戦は、優勝決定戦への挑戦権をかけたウメハラ選手対マゴ選手の一戦。ここでウメハラ選手が勝利し、ときど選手との頂上決戦に備えます。

  • ときど選手への挑戦権を賭けたウメハラ選手対マゴ選手戦

  • 唯一の若手であるカワノ選手。善戦及ばず1勝のみ

  • いい試合を見せるも、勝ちきれなかった印象のどぐら選手

ときど選手はウメハラ選手との頂上決戦の前に、マゴ選手と対戦。ここで、マゴ選手が、無敗のときど選手に土をつけます。

全勝をキープしたまま頂上決戦とはいきませんでしたが、ときど選手の最終決戦の相手はウメハラ選手。2年前に行われた「獣道」では、ときど選手がウメハラ選手に10先で挑戦して、涙の敗北を喫しましたが、今回も7先の長丁場です。視聴者のなかには「獣道」のシーンを思い浮かべた人もいるのではないでしょうか。

  • オフラインリーグと決勝リーグ通じて唯一ときど選手から勝利したマゴ選手

結果は、7勝0敗とときど選手の圧勝。勝利した瞬間、ときど選手は、その場に伏せて動けませんでした。2年前の獣道で敗れたときの気持ちや、その後、『ストV』に向き合っていた2年間の思いがこみ上げてきたのでしょうか。

兎にも角にも、長年対戦格闘ゲーム界を牽引してきたときど選手とウメハラ選手のドラマが決着を迎えたともいえます。もちろん、これですべてが終わったわけではなく、彼らを中心とした格ゲーシーンは今後も続いていき、さらなるドラマを魅せてくれることでしょう。

  • よもやのストレート負けを喫してしまったウメハラ選手

  • 勝利した瞬間、突っ伏して動くことができなかったときど選手

今回は、トーナメントではなく、リーグ戦。同じ勝敗の場合は直接対決による勝敗によって順位が確定します。三つ巴の場合は、勝敗差によるポイントに応じて順位を決定。その結果、2位がふ~ど選手、3位がマゴ選手、ウメハラ選手が4位という結果になりました。

  • 勝利した試合は負け数を抑え、負けた試合は接戦にしたふ~ど選手がポイントを稼ぎ2位に。しかし本人的には実質4位との評価

今回の「TOPANGAチャンピオンシップ」は、総当たりのリーグ戦に、7先の長丁場と、地力がものをいう大会だったといえます。決勝リーグだけでも3日間を必要としましたが、それゆえ見応えのあるものだと感じました。

新たなプロeスポーツチーム「魚群」発足の経緯を聞いた

「TOPANGAチャンピオンシップ」を開催したTOPANGAは、プロゲーミングチーム「魚群」を発足させています。発足時のチームメンバーは、マゴ選手、まちゃぼー選手、水派(みずは)選手、もけ選手、ちょもす選手の5人。今回、TOPANGA代表である豊田氏に話を聞く機会を得たので、魚群について聞いてきました。

――魚群はどのタイミングで発足をしようと考えていたのでしょうか。

豊田氏(以下豊田):1年ちょっと前くらいにチームの発足を考えはじめました。

  • TOPANGA代表で魚群の運営を務める豊田風佑氏

――なぜプロゲーミングチームを発足させようと思ったのでしょうか。

豊田:日本でもっと選手が活動できるよう土壌を作る必要があると感じたためです。

世界のeスポーツにおいて、対戦格闘ゲームは日本ほど関心を持たれていません。日本では、ウメハラやときどなどを中心に盛り上がっていますが、彼らが引退したときに何が残るかという懸念もあります。また、日本が対戦格闘ゲーム界で、いつまでも上位でいられるかも未知数。そこで必要なのが、次世代選手の育成でした。

いま、若手でチームに所属していても、頻繁に海外の大会へ出場できる人は少ないのではないでしょうか。そういった人たちを支援することで、次世代のスターやトップ選手を育てることにつながると思っています。

あとは、選手以外のバックスタッフも育てていきたいんですよね。魚群のPVは、元対戦格闘ゲームプレイヤーの石井プロに作ってもらいましたが、eスポーツに関わった人がバックスタッフとして活動できるようになることも目指していきたいです。

――チームに所属している選手の半分が若手であるのは、若手育成を目指しているからなのでしょうか。

豊田:そうですね。もけ、水派は若手枠ですね。彼らはすでにいい選手ですが、若く、まだまだこれからの選手でもあります。マゴはTOPANGAと関わりの深い選手で、当然選手としての活躍も期待していますが、若手の牽引役としても考えています。コーチ役であったり、チームリーダーであったり。

ちょもすはストリーマー枠として入ってもらいました。TOPANGAは対戦格闘ゲームのイメージが強いですが、それ以外のゲームも手を出していきたい。ちょもすが入ることで、カードゲーム界隈の人に対戦格闘ゲームを知ってもらうきっかけにもなりますし、その逆もあると思います。ゲーム業界全体を盛り上げたいんです。

  • 魚群のメンバー。左から水派選手、もけ選手、マゴ選手、ちょもす選手、まちゃぼー選手

――魚群というチーム名がなかなかユニークですが、どういった経緯で決まったのでしょうか。また、チームの目指す先やコンセプトはありますか。

豊田:チームが目指すのは、先ほども言った通り、人材の育成ですね。そして、継続していくことです。世界でも戦えるチームを育てていきたいですね。

世界を見据えたとき、チーム名は漢字がいいかなって。応援するときに大漁旗を掲げたいというイメージがあり、流れで魚群が候補に挙がりました。スタッフの1人が絶賛してくれて、それで決めたんですけど、まあ、ほかの人には不評でしたね(笑)。

でも、eスポーツチームとしてはかなり後発なので、それでも一発で覚えてもらえるインパクトがある名前ではないでしょうか。そもそもTOPANGA自体、珍しい名前ですからね。TOPANGAを立ち上げたときは、それこそゲーム配信や大会運営をする団体は少なかったですし、珍しい名前でもよかったわけですが、今回は後発だからこその珍しさが重要でしたね。

また、ちょもすのカードゲームだけでなく、今後はFPSやMOBAなどもやっていきたいと考えています。あとは、将来的にオーディション大会を催して、そこから有望な選手をスカウトしていきたい。ほかのチームと共催して、複数チームによるオーディションに発展すればおもしろいのではないでしょうか。

  • TOPANGAチャンピオンシップステージにて

――では、最後にファンやこれから選手になろうとする人たちにひと言お願いします。

豊田:魚群とTOPANGAの活動は、これまで以上にできるようになると思います。TOPANGAや魚群を通じて何かやりたいことがある人はどんどん提案してきてほしいですね。お便り待ってます(笑)。ゲームやeスポーツに関わることをしていき、TOPANGAや魚群があってよかったと思ってもらえるようにがんばります。