2020年前半は、金星と日食、それから5月末にスペースX社が民間初の有人宇宙船クルードラゴンの開発に成功などが話題でしたが、まあ、みんな新型コロナウイルス感染症という地上の話題で頭いっぱいでしたね。科学技術週間もなにも、飛んでしまったし、科学館にも行けなかったし。さて、では7~8月にはどんな宇宙ネタ・ニュースがまっているのか!? 恒例企画の「宇宙どうでしょう?」で、シロウトでも楽しめるものを中心にご紹介いたしますねー。惑星ネタ多いよ!

7月~8月の星空

木星と土星が主役

この時期は、木星と土星が主役です。そばにピターっとよりそっているのです。木星は夜中に見える圧倒的に明るい星、土星はそのとなりにあるソコソコ明るい星なので、すぐに見分けがつくでしょう。ちなみに、木星は12年、土星は30年で太陽を巡っており、20年に1度、木星が土星に追い抜くときにこの「ピターっ」が起こります。20年に1度ですってよ!

特に7月5日・6日と、8月2日、8月29日は、月も一緒になってみごとです。月は1か月に1度は木星、土星の近くを通ります。その日をチェックすれば、どれが土星なのかわかりやすいですな。

月とならぶ金星、火星

月とならぶといえば、7月17日、8月16日の夜明け前の空では金星が月とならびます。また、7月12日には火星とならびます。さらに7月19日には水星と月がやはり夜明け前の空にならびますが、これは低空で観察困難です。

さらに8月9日には、夜中の空に月と火星がかなり接近します。南米では、月が火星を隠す「火星食」が起こります。そこそこ珍しいことなのですが、日本では観察できません。この火星、秋には地球に接近し、みごろを迎えます。いまは夜中すぎの空に赤い光をはなっています。

8月中旬にペルセウス座流星群が極大

惑星以外では、7月の初旬に、ネオワイズ彗星が明るくなります。といってもちょっと都会では肉眼で見えない3等級ですな。中旬は5等級くらいですが、北斗七星の近所になり、双眼鏡ならとらえられますが、ある程度天体観察をしたことがある人じゃないとしんどいかも。

中学生で天体観察の入門をしたよ、というくらいだとチャレンジのしがいがある感じです。吉田さんという方がやっている情報サービスに必要なデータはあります。

また、8月12日ごろのペルセウス座流星群の活動が楽しみですな。1年で一番流れ星が多く流れる日です。観察の仕方は、以前の記事をごらんくださいませ。観察しやすい夜中すぎに、ちょうど月がのぼってきてしまいますが、月と反対方向を見ているのがよいかなと思います。

参考:どこでもサイエンス 第2回 8月12日と13日の夜はペルセウス座流星群を観察しよう

火星探査機が次々と打ち上げ

ところで夏は天文台や研究施設の公開があるのですが、新型コロナウイルス感染症の関係もあって、はかばかしいアナウンスがありません。学校も夏休みが少なそうですしね。学会や研究会もオンライン開催がほとんどになるなか、当分は難しそうですな。ちなみに、45mという特大のパラボラアンテナがあり、JR最高地点の駅近くの国立天文台の野辺山(長野)では、6月末から屋外施設の見学が再開されています。若干我慢という感じですかねー。

ちなみにJAXAは8月14日までWeb版の「宇宙教育シンポジウム」を開催しています。そちら方面に興味のある方は覗いてみては。質問も7月17日までできるようですよ。

ロケット打ち上げなどはSpaceFlight Nowから主なものを拾って見ます。今年は火星探査機が目立ちますよ。

7月14日は日本のH-IIAロケットが火星探査機を打ち上げます。なんと日本のものではなく、アラブ首長国連邦(UAE)の「Emirates Mars Mission」のal-Amal(Hope)号です。日本はかつて「のぞみ」という火星探査機を送ったのですが、途中故障で火星探査はほとんどできずに終わってしまっています。日本のロケットでアラブが先にやるというのはチョット複雑。でもがんばってほしいですな。

  • H-IIA・F42

    三菱重工飛島工場において製造されたH-IIAロケット42号機のコア機体 (提供:三菱重工)

  • al-Amal

    火星探査機「al-Amal(Hope)」の想像図 (C) MBRSC

7月20日には、NASAの「MARS2020探査機」がアトラス5ロケットで打ち上げられます。2021年の2月に火星に到着し、火星探査車(ローバー)「Perseverance(忍耐、根気、がんばり)」による探査も予定しています。このローバーの名前は中学生が発案したのですが、多数の作文から選ばれたとか。微生物の痕跡を探ります。

  • パーサヴィアランス

    Perseverance(パーサヴィアランス)の想像図 (C) NASA/JPL-Caltech

7月23日には、中国初の火星着陸探査機「Tianwen 1(天問一号)」が長征5型ロケットで打ち上げられます。こちらは火星の人工衛星となる周回機と、ローバーのセットです。以前、火星1号といわれていたやつですな。

8月24日には、欧州のVegaロケットが地球観測衛星「SEOSat-Ingenio」を打ち上げます。スペインが中心になって開発した地球観測、いわゆるリモートセンシングのための衛星ですな。

8月30日には、スペースX社がクルードラゴンをまたまた打ち上げます。ボーイング社も計画を進めていますが、米国の有人宇宙船は完全に民間の時代ですな。

著者プロフィール

東明六郎(しののめろくろう)
科学系キュレーター。
あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。