n年前の今日、どんな出来事があったか覚えていますか?本コーナーでは、ちょっと懐かしいガジェット関連のトピックを振り返ってお届けします。最新情報の箸休めにでもご笑覧ください。 |
1960年9月10日、NHKと民放各局がカラーテレビの本放送を開始しました。アメリカとキューバに次いで世界で3番目、世界初だったWNBCのカラーテレビ本放送開始(1954年1月23日)から6年と、早期に実現したものでした。
とはいえ、開始時点ではカラーテレビの受像機は非常に高価だったことに加え、カラーで放送される番組もわずかでした。このため、すぐに誰もがこぞってカラーテレビに買い替えていったというわけではありません。
総務省が公開している「昭和62年版 通信白書」や内閣府が公開している「消費動向調査 主要耐久消費財等の普及率」によれば、1963年頃には白黒テレビの世帯普及率は9割近くに達している一方、カラーテレビは初めてデータに現れた1966年の時点でたったの0.3%。1964年の東京オリンピックの頃は、カラー放送での観戦はいわゆる“街頭テレビ”に集まってするものだけれど、白黒テレビなら家にあるというのが一般家庭の状況だったと考えられます。
ではカラーテレビの本格的な普及はいつ頃からかというと、次の大きなイベントである1970年の大阪万博前後から大きく伸びていきます。1970年で世帯普及率26.3%、1971年で42.3%、1972年で61.1%と急速に普及していき、1973年には白黒テレビの普及率と逆転し、1975年には90%を超え、ほぼ一家に一台の時代が到来します。