サンスターが9月5日に発売した「QAIS -air- 04A1J(for Pet)」は、2019年から展開している「QAIS(クワイス)」シリーズの新たなラインナップ。ペット用に特化した除菌脱臭機だ。

  • サンスター 脱臭機 QAIS -air- 04A1J(for Pet)

    9月5日発売のサンスター「QAIS -air- 04A1J(for Pet)」

QAISシリーズは、室内における空気の質の問題解決をミッションに立ち上がったブランド。現在までに、除菌脱臭機(3製品)、除菌消臭スプレー、歯科医用フェイスシールドを展開している。

9月5日に発売されたQAIS -air- 04A1J(for Pet)は第4弾のラインナップだが、これまでの医療・介護向け製品とは路線が異なり、ペットのトイレ臭にフォーカスしたアイテムだ。今回はQAIS -air- 04A1J(for Pet)について、デザインの観点から話を聞いた。

ペットの安心と快適性を最優先に開発

サンスターグループ E-サイエンス事業部 商品企画部の青山幹司氏は、開発の経緯について「ユーザーとコミュニケーションする中で、(家庭用機種の)air03をペットのニオイ対策として利用されている方が多く、ペットオーナーのニーズが高いとわかったことがはじまりです」と話す。

さらに、「そのニーズを深掘りしていくと、まだベストな解決方法が見つかっていないことも判明し、QAIS -air- 04A1J(for Pet)の開発のヒントになりました」と説明した。

QAIS -air- 04A1J(for Pet)がユニークなのは、開発のコンセプトに「ペットファースト」が掲げられている点。「ペット向けと言うと、ペットオーナーのメリットになりがちなのですが、そうではなくペットのことを優先して考えました。機能や仕様は、ペットファーストかどうか、ペットにとって安心安全であるかをジャッジのポイントにしていました」と青山氏。

「『ペットにとっていかに安心・安全・快適であるか?』を最優先に、サイズや形状を何度も検討しました。ペットがいたずらしたり、手が当たったりしただけでは誤作動しにくい設計にしています。そして、本体デザインはこれまでの製品と同じく、全体的に丸く優しいフォルム。空気を下から吸ってふわっと外に出すイメージを表現しています。それ以外にも、安全性を考慮して電源コードには保護カバーを設け、コンセント部から先はすべて100Vから12Vに降圧設計しています」(青山氏)

  • サンスター 脱臭機 QAIS -air- 04A1J(for Pet)

    なだらかな流線形を採り入れた独特の形状は、「空気を下から吸ってふわっと外に出す」イメージを表現したものだそう

  • 誤作動を防ぐため、よく見るとわかる程度のくぼみを持たせるなどして、操作部に少々触れた程度では反応しない設計とした

    誤作動を防ぐため、よく見るとわかる程度のくぼみを持たせるなどして、操作部に少々触れた程度では反応しない設計とした

外観は「サイレントデザイン」と称して、これまでとは対照的にあえて主張しないデザインを採用している。

「脱臭効果を最大限に感じてもらうには、ペットのトイレの真上に設置するのが最も有効です。そこで最善の方法として壁掛け式にしたわけですが、それならば壁と極力一体化する形にして、存在感をなくしたい。壁に一番フィットする形を追求し、何十案ものスケッチをもとに、厚さを原寸で確認しました。

ただ、製品の目的は、あくまでもペットのトイレ臭を解消すること。見た目の存在感をなくす一方で、脱臭効果を最大化することが一番のポイントです。光触媒をどのように担持(※)させ、紫外線をどう照射するか。最適な除菌脱臭効果を発揮するための空流構造なども検討し、強力な脱臭力を実現しました。空流に関わるファンの選定や配置などは、ペットにとっての快適性を考えた静音性とのせめぎ合いでした」(青山氏) ※担持…土台となる物質に付着させ、固定すること。

  • 厚みを極力薄くして壁にフィットさせたい一方で、脱臭効果を最大化するためには、十分に空気を吸わせる必要がある。さらに音を抑えるために、何パターンもの形状や設計が検討された末、このフォルムとなった

    厚みを極力薄くして壁にフィットさせたい一方で、脱臭効果を最大化するためには、十分に空気を吸わせる必要がある。さらに音を抑えるために、何パターンもの形状や設計が検討された結果、このフォルムとなった

QAIS単体でなく、企業の総合力で空気の質を向上

続けて青山氏は、QAIS -air- 04A1J(for Pet)について、今後の課題を認識しつつも、前向きに取り組む意欲を見せた。

「実際に使用する中で、今後ご指摘いただく箇所はもちろんあると思っています。社内でも『壁かけできないユーザーさんはどうするのか?』など、大きな議論になりました。

しかし、ニオイが広がる前にキャッチする、そのために壁掛けでトイレの真上に設置することのメリットが大きいと考えました。実は、ペット用の脱臭機はまだ珍しく、ここまで思い切った製品はほかにはないと自負しています。これからも課題は色々出てくると思いますが、真摯に受け止め、製品開発に活かしていきたいです」(青山氏)

また、サンスターの強みは、QAISシリーズの家庭用機「air03」の本体にも用いられた高度な金属加工の技術や接着・シーリング技術に加えて、スプレー剤などの薬剤も手がけていることにある。

「今回のような除菌脱臭機は空間に漂っているニオイには効果的ですが、布製品や壁に染みついたニオイには、やはり直接作用するスプレー剤などが有効だと考えています。

そこで、弊社の持っている技術や商材を組み合わせて、トータルで課題解決に寄与していきたいです。新規事業として始まったQAISブランドですが、この分野における大手のメーカーさんがやらないようなところ、できないようなやり方で、空気の質の課題解決に挑戦していきたいと思っています」(青山氏)

  • サンスターグループ サイエンス事業部 商品企画の青山氏

    サンスターグループ サイエンス事業部 商品企画の青山氏

除菌脱臭機を含む空気清浄機市場には、すでに多くの企業が参入している。多機能あるいは高機能、またデザインに工夫を凝らしたさまざまな製品がしのぎを削る中で、QAISシリーズは異色の存在とも言える。

しかし、異業界からの参入だからこそ、独特の切り口でアプローチできることが優位性と言えるだろう。サンスターには今後も除菌消臭・脱臭の分野において、業界に新風を吹き込むような製品やサービスの実現を期待したい。