――腕時計を購入する際のこだわりはありますか?
よく「いまはスマホがあるんだから、時計なんかいらんやろ」とか言う人がいますが、そういうの、あんまりカッコ良くないなって思ってて。そんなん無駄やんって言われると余計に欲しくなる。だから天の邪鬼なんでしょうね、人の逆をいくというか。そんなこんなで、当時は他にも珍しい時計をいろいろ買ってたんです。同じジェラルド・ジェンタがデザインしたパテック・フィリップの「ノーチラス」も、あのときすでに100万円は超えてましたが買ってて。いま査定に出したら1,000万円を超えてました。ロレックスのスポーツモデルも当時38万円で買ってます。確か2008年、2009年くらいのことです。
――時計を買いだした頃の、はじめの1本はどんな時計だったんですか?
高級時計ではないんですが、ルミノックスの時計でした。テレビ番組でアメリカの軍人にインタビューする機会があって、話題の中にルミノックスが出てきたんですね。堅牢性があって、ストリートファイトで人をぶん殴っても壊れないというような話で「オレのための時計だな」と思って買った記憶があります(笑)。7~8万円したと思います。
そのあと、エルヴィス・プレスリーが愛用していたハミルトンの「ベンチュラ」を買って、それ以降、どんどん買っていきました。「ベンチュラ」といえば、いまでもバンドマンのアイコンになっているくらいの時計ですね。
――どんなときに時計を買いますか?
記念日に買うとかはなくて、ちょっと見てカッコ良かったら買います。海外のカジノで大勝ちしたときに、その200万円をそのままぶち込んで買ったり。いま家に時計が何本あるか、自分でも把握できてないです。
買うときはデザインも好きですけど、その時計が持つストーリーに惹かれて買ってますね。さっき紹介したブローバのロイヤルオークも、「オーデマ・ピゲのパチモンやん」って言われたら「お前ら分かってないな」ってなるあの感じ。わかる人にだけ伝わる感覚が気持ちいいですね。
「鋼の心」を陰で支える腕時計、今後欲しいものは?
――ご自身にとって時計とは、どんな存在ですか?
たまたま朝、バタバタしていて時計をつけ忘れて家を出ようもんなら、不安になるんですよね。「鋼の心を持つと言われているオレが、こんなオロオロすることあんねんな」っていう。それこそスマホがあるから要らないと思うんですが、ちょっと所在ないというか、そわそわしちゃいます。だから、「自分に必要なもんなんや」って思いますね。何回も「いま何時だ?」って左腕を見ては「あ、時計忘れたんやった」ってなっちゃいます。
――今後、手に入れたい時計はありますか?
あります。でも言えないです。これ言うと、真似する人がいるんですよね。オレが「こいつええ芸人やな」って思うやつが真似してくれたら良いんですけど……。ちょんまげラーメンのきむが、オレがよく買ってる服屋をInstagramで調べてそこで服を買ってることが分かって、嫌になりました(笑)。それ以来、オレがいま狙ってるものは公表すんのやめとこうって思って。でもいま、めちゃくちゃ欲しい時計があるんですよ。
――大好きな時計と共に、これからどんな時間を刻んでいきたいですか?
さっき話したように価値が跳ね上がった時計もあるので、スキャンダルを起こしたとき、それで食いつなぐしかないな、と思います。資産として時計を見てます(笑)。全部を一気に売っぱらって、どこかアジアに行って暮らす方法もありますよね。皆んなが欲しくて買えない時計も持ってますから。背に腹は代えられないです(笑)。
――お忙しいところ、ありがとうございました。
取材:葉山澪
構成/撮影: 近藤謙太郎
カルティエにロレックス、IWCなど...これまで登場した「芸人の時計」を一気に見る


