1ブレードに4ノードを収容した「Jaguar」スパコン

XT5スパコンは、図5に示すように、「コンピュートブレード」と呼ぶプリント基板にCPU用の大きなヒートシンクが8個搭載されている。各ノードはCPUチップ2個であるので、 1枚のコンピュートブレードに4ノードを収容している。

XT4の時代は1ノード1Opteronで、ブレードあたり4Opteronであったのと比べると、XT5ではCPU密度が2倍に増えている。

  • Cray XT5

    図5 Cray XT5の計算ブレード。大きなヒートシンクが付いた8個のAMD Opteronが2列に搭載されている。ブレードの右側に4個の小型のヒートシンクがついたCray SeaStar2+ルーターLSIが搭載されている (出典:Scalable by Design、The Cray XT Series of Supercomputers, Cray Corporate Update)

Jaguar全体のOpteron 2435 CPUの使用個数は37,376個で、ブレードの枚数は4,672枚、DRAMメインメモリの容量は300TBである。これを200台のキャビネットに収容し、 25台のキャビネットを1列として、それを8列に並べている。

消費電力が大きく増加したことから、2009年にスパコンセンターの電力容量をそれまでの8MWから14MWに引き上げ、スパコン筐体への供給を208VACから480VACに変更している。この供給電圧の引き上げで電流が減り、電源ケーブルの抵抗でのオーム損失が減り、年間の電気代が約50万ドル節約できるとのことである。

Jaguarの1つのキャビネットの消費電力はHPLを実行するときは約37kWで、給電系は42kWが供給できる仕様で作られている。

(次回は5月21日の掲載予定です)