夏休み真っ最中ですね。3Dプリンタメーカ スマイルリンク(株)の大林万利子です。

3Dプリンタでつくったペン立てとヒトデ

当社も夏のイベントに参加しました。7月27日はワンダーフェスティバル(幕張メッセ)に出展。ここでは集まった方の多くが日ごろ3Dプリンタを使って仕事をしており、使用するなかで新たな課題を見つけている人が多く、3Dプリンタに関して突っ込んだ情報交換ができました。

ワンダーフェスティバルの様子

また8月2日にはNECエンジニアリング主催の小学生向けイベント「3Dプリンタで作ろう!親子でパソコン工作教室」に3Dプリンタをもって出張致しました。子供たちが興味しんしんで「すっげー!」といって3Dプリンタをのぞきこむ姿が微笑ましかったです。対象は小学校4年生から6年生。あきることもなく3D CADを操作してモデリング(3次元のカタチをつくること)。子供は大人よりもずっと覚えるのが早いですね。先生に教わりながらドアプレートやメダルを作成しました。また子供よりも付きそいのお母さん、いやお父さんが興味深そうにしていました。当社でも行っておりますが、夏休みの宿題向けにいろいろなところで3Dプリンタ教室があちこちで行われています。無料で行うところもありますので、親子で参加されるのも楽しいですね。

3Dプリンタを囲む子供たち

工作教室で子供たちにプレゼントしたストラップ

3Dプリンタは夏休みの工作にはもってこいです。ぜひ夏休みの宿題に親子で「ペン立て」など作ってみてはいかがでしょうか(写真4)。

3Dプリンタで作ったペン立て

さて、このような中で多くの方と話題になったのが「3Dプリンタの選び方」でした。そこで今回は予定を変更して「パーソナル3Dプリンタの選び方」についてお話しします。

まずは「何をつくりたいか」を明確に

パーソナル3Dプリンタといっても多種多様です。試しに3Dプリンタで検索してみますとさまざまな3Dプリンタが検索にひっかかります。いわゆるまとめサイトの内容ですらバラバラに見えます。

情報が未整備であると同時に、個性豊かな3Dプリンタから自分にあったものを捜す自分なりの基準が必要になります。

例えば

  • 素材限定だが非常に繊細なものが作れるもの。
  • いろいろな素材が使えるもの。
  • 造形体積の大きいもの。
  • 造形スピードの速いもの。
  • 2色のフィラメントが使えるもの。
  • ソフトが日本語であるもの。
  • ランニングコスト(材料費や保守費など)が少なくてすむもの

などなど。もちろん造形品質などこだわりたいところは他にも沢山ありますよね。

ただすべての機能がNo.1であるというパーソナル3Dプリンタは存在しません。たとえ存在したとしても価格面で多くの方の希望に沿わないでしょう。

ですので、まずは「何をつくりたいのか」を決めて、それに向けて優先すべき機能を選んでいくことが、ハッピーな選択への近道だと思います。またハイエンドの3Dプリンタを導入する前にまずは低価格のパーソナル3Dプリンタを経験するというのも、感覚をつかむには良いのではないでしょうか。

例えばこんな形もできます

体験(造形)する

お目当てのプリンタが決まったら、できれば造形させてもらいましょう。当社でも部品データをもってお越しになるお客様がいらっしゃいます(※)。当社では自社製3Dプリンタ「DS.1000」と雑誌make:でNo.1評価されている「AFINIA」の2機種をお試しいただけます。実際に動いている様子を見て頂くことで、思ったよりも時間がかかるとか、操作画面が英語か日本語か、どんな風に調整するのかなど肌感覚で感じて頂けると思います。

※造形体験は事前予約願います。材料費など2000円程度頂きます。

お客様のお持ちになるデータは薄いモノや細いモノ、また中空の物などさまざまです。カタチのどの部分を上にして造形するとよりスムースに造形できるかなど、実際に体験されることにより3Dプリンタの使い方の幅が広がっていくようです。ぜひ体験することをお勧めします。

工作の例:途中でビー玉を入れることもできます

忘れがちなポイント

体験して頂くのが一番いいと思いますが、それができない場合確認を忘れがちになるポイント3点をあげてみました。ご参考まで。

  1. 消耗品の価格:本体の価格の確認は忘れにくいと思いますが、消耗品は意外と見落とされがちです。プリンタによっては専用の材料しか受け付けないものもあります。それがグラム単価どのくらいなのかを確認しておくといいでしょう。ちなみにDS.1000はABSの場合1gあたり5円(税込)です。
  2. 本体の大きさ:買って家に届いてみたら、とても本体が大きかったという場合があるようです。ぜひメジャーで設置面積を事前に確認してください。
  3. サポートについて:買った後、使い方がわからない場合の問合せ先などの確認。特にキットを購入する場合には組立で苦労されている方がかなりいるようです(ちなみに私もあるキットを購入して…)。

まだまだ夏休みはたっぷりあります。3Dプリンタを使った工作教室ですが、8月16日に新潟県燕三条にて行われる親子工作教室にも出張する予定です。お近くの方はぜひお越しください。詳しくはこちらのサイトよりお問合せください。

次回は簡単なモデリングについてご紹介します。