2026年9月24日に発売が予定されている、Remedy Entertainmentの「CONTROL Resonant」。超常現象に侵食されたニューヨーク・マンハッタンを舞台にした三人称視点のアクションRPGだ。PC版ではパストレーシングによる光の表現に加え、NVIDIAの「DLSS 4.5」に対応するのが大きなポイントとなる。

高画質でプレイしたいが、どのクラスのGPUが必要なのか。今回はGeForce RTX 50シリーズから4種類のGPUを用意し、マルチフレーム生成の「6x」がフレームレートや操作応答性にどのような効果をもたらすのか、フルHD/WQHD/4Kの3解像度で確かめていきたい。

  • 2026年9月24日に発売予定の「CONTROL Resonant」。通常版は7,990円、デラックスエディションは8,990円

    2026年9月24日に発売予定の「CONTROL Resonant」。通常版は7,990円、デラックスエディションは8,990円

取材協力:NVIDIA

パストレーシングで描くマンハッタンをDLSS 4.5で楽しむ

「CONTROL Resonant」では、主人公のディラン・フェイデンを操作し、近接戦闘や超常的な能力を駆使してマンハッタンに広がる脅威に立ち向かう。開発・販売はRemedy Entertainment。PC版はSteamとEpic Games Storeでの展開が予定されている。

グラフィックス面の注目はパストレーシングだ。光が物体に当たって反射し、別の場所を照らす経路を追跡することで、直接光だけでなく間接光も含めた照明表現を行う。建物や自動車、窓ガラスなどが並ぶ都市を舞台にした本作では、光の反射や影の表現が見どころになる。画面内の情報を利用する従来の方式では拾えない、カメラの視野外にある物体の反射まで表現できるのもパストレーシングの特徴だ。

  • 自分自身や画面外の物体の反射まで表現できるのがパストレーシング

    自分自身や画面外の物体の反射まで表現できるのがパストレーシング

ただ、複雑な光を計算するだけに描画負荷は大きい。そこで活躍するのがDLSS 4.5となる。超解像の「Super Resolution」、レイ再構成の「Ray Reconstruction」、そして「Multi Frame Generation」(マルチフレーム生成)を組み合わせることで、高画質と高フレームレートの両立を狙う。

DLSSについて簡単に解説しておこう。Super Resolutionは、出力解像度より低い解像度で描画した映像から、高解像度の画像をAIで再構成する技術だ。DLSS 4.5では第2世代Transformerモデルを採用し、映像の安定性や輪郭の滑らかさ、細部の表現を改善している。

Ray Reconstructionは、レイトレーシングで生じるノイズを取り除く処理をAIに置き換えるもの。第2世代Transformerモデルは、ノイズ除去と超解像を単一のモデルで扱い、過去のフレームや画面内の情報を分析して画像を再構成する。細かな形状や反射面、動く光源、急なカメラ移動などで、光の表現や細部の安定性を高めるという。

そして、今回の検証の中心となるのが、GeForce RTX 50シリーズで利用できるマルチフレーム生成だ。GPUが描画した1フレームに対してAIで最大5フレームを追加し、合計6フレームを出力するのが「6x」設定となる。表示するフレームを増やすことで、動きの滑らかさを高められる。

目標フレームレートに合わせて生成倍率を調整する「Dynamic Multi Frame Generation」にも対応しているが、今回は固定の6x設定とフレーム生成オフの比較とする。なお生成したフレームが増えても、ゲームの処理や入力への応答まで同じ倍率で速くなるわけではない。このため、フレームレートと合わせて遅延もチェックしていく。

  • CONTROL Resonantはゲーム内でマルチフレーム生成6xやDynamic Multi Frame Generationが設定できる

    CONTROL Resonantはゲーム内でマルチフレーム生成6xやDynamic Multi Frame Generationが設定できる

RTX 5090からRTX 5050まで、4種類のGPUで検証

テストに使うビデオカードとして、GeForce RTX 50シリーズから以下の4種類を用意した。RTX 5060 Tiはビデオメモリが16GBのモデル、RTX 5050は8GBのモデルとなる。

  • NVIDIA GeForce RTX 5090 Founders Edition
  • Gainward GeForce RTX 5070 Ti Phoenix GS
  • Gainward GeForce RTX 5060 Ti Python III 16GB
  • MSI GeForce RTX 5050 8G VENTUS 2X OC

検証環境は以下の通りだ。ドライバーは「Game Ready 616.92」を使用している。

  • CPU:AMD Ryzen 7 9800X3D(8コア16スレッド)
  • マザーボード:ROG CROSSHAIR X870E HERO(AMD X870E)
  • メモリ:G.SKILL TRIDENT Z5 neo RGB F5-6000J2836G16GX2-TZ5NRW(PC5-48000 DDR5 SDRAM 16GB×2)
  • システムSSD:Micron Crucial T700 CT2000T700SSD3JP(PCI Express 5.0 x4、2TB)
  • CPUクーラー:Corsair NAUTILUS 360 RS(簡易水冷、36cmクラス)
  • 電源:Super Flower LEADEX III GOLD 1000W ATX 3.1(1,000W、80PLUS Gold)
  • OS:Windows 11 Pro(25H2)

テストでは、マンハッタンの一定コースを移動した際のフレームレートを、パフォーマンス測定ツールの「FrameView」で約60秒間計測している。画質設定は最上位プリセットの「最高」、レイトレーシングも「最高」に設定した。パストレーシングが有効になるもっとも負荷の高い設定だ。

DLSSのSuper Resolutionは「バランス」に統一し、解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)、WQHD(2,560×1,440ドット)、4K(3,840×2,160ドット)の3種類。マルチフレーム生成の6x設定とフレーム生成オフで比較した。

なお、ここでの「フレーム生成オフ」はDLSS全体を無効にした状態ではない。Super ResolutionとRay Reconstructionは有効なままだ。今回の結果は、この設定でフレーム生成を追加したときの変化も見ていく。

  • DLSSのSuper Resolutionは「バランス」、Frame Generationは「6x」に設定

    DLSSのSuper Resolutionは「バランス」、Frame Generationは「6x」に設定

  • 画質とレイトレーシングは……

    画質とレイトレーシングは……

  • 最上位プリセットの「最高」を選択している

    最上位プリセットの「最高」を選択している

6x設定で平均フレームレートは約4.1~4.9倍に

まずは、平均フレームレートから見ていこう。MFGはMulti Frame Generationの略で、6x側の値にはAIで生成したフレームも含まれている。

  • 6倍フレーム生成に耐えられるグラフィックスカードは?

    6倍フレーム生成に耐えられるグラフィックスカードは?

さすがに6x設定だけあって、フレームレートの伸びは大きい。今回の条件では、フレーム生成オフに対して約4.1~4.9倍となった。RTX 5090は4Kでも平均313.9fps、フルHDでは平均616.0fpsに達している。パストレーシングを使った高画質設定のまま、これだけのフレームレートを出せるのは頼もしい。

「6xなのに6倍ではないのか」と思うかもしれないが、フレーム生成そのものにも処理負荷がある。6xは描画した1フレームに5フレームを追加する設定であり、フレーム生成を無効にしたときの平均fpsが、そのまま6倍になるという意味ではない。

RTX 5070 TiもWQHDで平均278.3fps、4Kで平均172.2fpsと高い数値を記録した。フレーム生成オフでは4Kで平均38.4fpsだっただけに、高解像度での映像の滑らかさを補う効果は大きいと言える。RTX 5060 Ti 16GBはフルHDで平均241.5fps、WQHDで平均161.4fps、4Kで平均95.1fps。さらに、今回の中では最も下位のRTX 5050でも、4Kで平均60.3fpsに到達した。平均フレームレートだけを見れば、4種類とも4Kプレイが可能に思える結果だ。

ただし、ここで結論を出すのは早い。フレーム生成オフでは、RTX 5060 Tiの4Kは平均20.9fps、RTX 5050は平均13.7fpsにとどまっている。AIで表示フレームを増やしても、元になる描画の負荷が軽くなるわけではない。アクションゲームとしての遊びやすさを判断するには、次に紹介する遅延の大きさも見ておきたい。

4Kで60fpsを超えても、操作応答性には大きな差

続いてPC Latencyをチェックしよう。これは、OSが入力を処理してから、完成したフレームをディスプレーに送るまでのPC内部の遅延を示す指標だ。マウスやモニター自体の遅延は含まれず、値が小さいほど応答性がよい。

なお、どの程度から遅延が気になるのか。ゲームの種類やプレイヤー、入力機器によって感じ方が変わるため、一律の境界はない。ここでは設定選びの大まかな目安として、平均PC Latencyは50ms前後以下を目標に、50~100ms程度では操作感を確認し、100msを超える場合は画質や解像度を下げることを検討としたい。100msは0.1秒であり、PC内部だけでこれだけの時間がかかる。素早い視点移動や回避を行う場面では、操作に対して映像が遅れて付いてくるような重さが問題になりやすい。

  • 6倍生成ともなると遅延もそれなりに大きくなる

    6倍生成ともなると遅延もそれなりに大きくなる

RTX 5090は6x設定で、4Kでも42.8ms。平均フレームレートに加え、応答性でも今回の4種類の中で最も優秀だった。最高画質の4Kで楽しむなら、やはり高いGPU性能が効いてくる。RTX 5070 TiはWQHDまでなら47.7ms以下に収まるが、4Kでは76.1msに増える。平均172.2fpsという表示フレームレートは十分高い一方、PC LatencyはRTX 5090の4Kに対して約1.8倍だ。4Kの精細さを優先する選択肢はあるが、戦闘での操作応答性を重視するならWQHDを軸に考えるのがよさそうだ。

RTX 5060 Tiは、4Kでは129.8msまで増大。4Kで平均95.1fpsだからといって、同程度のフレームレートをフレーム生成なしで出せる環境と同じ操作感になるとは言えない。今回の最高画質設定ではフルHDを基本にし、WQHD以上を狙うなら画質やレイトレーシング設定の調整を考えたい。

特に差が大きかったのがRTX 5050だ。6x設定ではフルHDでも96.3ms、4Kでは476.0msと、PC内部だけで約0.48秒の遅延が記録されている。平均60.3fpsという数値から、快適な4Kプレイを期待するのは難しい。実際にプレイしていても、操作が反映されるまでかなり遅いと感じられるレベルになる。

この4K/6xの詳細ログを調べると、PC Latencyの最小値は402.3ms、最大値は565.3msだった。記録された範囲を通じて遅延が大きかったことが分かる。RTX 5050では、まずフルHDで画質やレイトレーシングの負荷を下げる方向で調整するのがよいだろう。

VRAM使用量はフルHDで約10GB、4Kでは約13GB

高画質設定では、ビデオメモリ(VRAM)の使用量も気になるところだ。RTX 5090を使ってCapFrameXで記録したログから、平均と最大の使用量をまとめた。※単位はGB。RTX 5090での測定値。GPU全体は「GPU Memory Dedicated」、ゲームプロセスは「GPU Memory Dedicated Game」の記録を集計。

解像度 GPU全体の平均使用量 GPU全体の最大使用量 ゲームプロセスの平均使用量
フルHD 10.04 10.12 9
WQHD 10.93 11.13 9.65
4K 13.08 13.32 11.34

GPU全体の平均使用量はフルHDで10.04GB、WQHDで10.93GB、4Kで13.08GBだった。ゲームプロセスの分だけを見ても、フルHDで平均9.00GB、4Kで平均11.34GBに達している。最高画質設定は、GPU性能だけでなくVRAMにも余裕が欲しい条件と言える。

最高画質ならRTX 5090は4K、RTX 5070 TiはWQHDが狙い目

ここまで「CONTROL Resonant」を4種類のGPUで試した。DLSS 4.5の6x設定は、今回の条件で平均フレームレートを約4.1~4.9倍に引き上げる大きな効果があった。ただし、映像の滑らかさと操作応答性を両立させるには、GPUに合った解像度や画質設定を選ぶことが大切と言える。

最高画質設定を前提にすると、RTX 5090は4Kでのプレイを狙える。RTX 5070 TiはWQHDがバランスを取りやすく、4Kでは操作応答性を見ながら設定を調整したい。RTX 5060 TiはフルHDを軸に、RTX 5050はフルHDでも画質やレイトレーシングの負荷を下げる方向で考えるのがよいだろう。

今回の結果がPC版「CONTROL Resonant」を、パストレーシングの映像表現も含めて楽しみたい人の参考になれば幸いだ。

  • 最高画質ならRTX 5090は4K、RTX 5070 TiはWQHDが狙い目

    最高画質ならRTX 5090は4K、RTX 5070 TiはWQHDが狙い目