米Googleは6月8日(現地時間)、AIを活用したリサーチツール「NotebookLM」の全面的なアップグレードを発表した。チャット機能の基盤を「Gemini 3.5」に移行するとともに、「Antigravity」を導入し、より高度な推論や調査支援、出力生成を可能にした。

Gemini 3.5は、5月にGoogle I/O 2026で発表されたGeminiの最新モデルである。エージェント性能が強化されており、公開された「Gemini 3.5 Flash」は推論品質と速度のバランスに優れている。Antigravityは、Googleが提供するエージェント型コーディングの開発基盤であり、NotebookLM内ではコードの自動生成・実行を担う。

今回のアップデートで、各ノートブックには安全なクラウドコンピュータが割り当てられ、NotebookLMがコードを記述・実行できるようになった。Googleによると、このシステムには100種類以上の厳選されたソフトウェアスキルが組み込まれており、高度なデータ分析や多様なフォーマットでの成果物出力を支援できるという。

  • 複雑な仕様を解読し、技術文書を洗練された簡潔なガイド、スライド資料に変換

    複雑な仕様を解読し、技術文書を洗練された簡潔なガイド、スライド資料に変換

従来のNotebookLMは、ユーザーが手元の資料やドキュメントをアップロードし、それをもとにリサーチを進める使い方が中心だった。Gemini 3.5とAntigravityが導入された新版では、その制約が緩和される。

ユーザーは、具体的な資料がそろっていない段階でも、大まかな疑問や探究したいトピックをチャットに入力してプロジェクトを開始できる。NotebookLMはチャット上でソースリポジトリの構築を支援し、必要に応じてGoogle検索で関連性の高いWeb上の情報を探す。ユーザーは提案されたソースを確認しながらノートブックに追加する資料を選択・インポートし、知識ベースを段階的に組み立てていける。

Googleが実施した従来システムとの並行評価では、新版のNotebookLMが5つの主要評価項目において平均65%以上の勝率を記録したという。中でも「大規模ドキュメントの分析・処理」で69.9%、「高度なウェブリサーチおよびソースの発見」では78.2%の勝率を示した。

出力フォーマットも拡張された。新たにデータ可視化・チャート(PNG、SVG)、ドキュメント(PDF、docx、Markdown、テキスト)、画像生成モデル「Nano Banana」による画像(PNG、JPG、GIF)、構造化データ(CSV、JSON)、Microsoft Excel(xlsx)、Microsoft PowerPoint(pptx)に対応する。ユーザーは詳細な指示を与えて成果物を生成でき、生成後の編集も可能である。作成したファイルはスタジオパネルから直接ダウンロードできる。

これらのアップデートは6月8日から、Web版向けにグローバルで提供が始まった。対象はGoogle AI Ultraプランの加入者、およびAI Ultra AccessまたはAI Expanded Accessを利用するWorkspaceの法人顧客である。Googleは今後、提供対象を順次拡大する方針を示している。