タブレットといえば「ゲーム、動画、アプリなど、あらゆることが大画面で楽しめる便利な存在」ですが、あえて機能を絞って「見やすいこと、書きやすいこと」に特化した異色のタブレット「TCL Note A1 NXTPAPER」がTCLから登場しました。
アプリストアは使えず、機能はミニマムなので、万能タブレットを求める人には物足りないのは確か。ですが、パネルの見やすさや目の疲れのなさ、スタイラスを使っているときの文字の書きやすさなど、タブレットでありがちなストレスがありません。いまどきのタブレットらしく、AIによる文字起こしや要約の機能を備え、時間がかかる作業の手間を省けます。
決して万人向けのタブレットではありませんが、集中して取り組みたいビジネスパーソンの文房具として刺さる人には刺さると感じました。
-

見やすさ、書きやすさに注力したタブレット「TCL Note A1 NXTPAPER」。スタイラスが付属する標準セットの一般販売予定価格は92,980円で、Makuakeでは73,290円からの価格で購入できる
パネルはE-Inkではなく液晶だが、仕上がりはお見事
タブレットを仕事や学習のツールとして活用する人が増えています。AIによる文字起こしや要約機能、手書き機能を使って、会議の議事録や授業のノート用として利用すれば作業が大幅に効率化でき、時間を節約できます。しかし、タブレットならではの不満もいろいろあり、もどかしさを感じながら使っている人もいるのでは?
そのような人に向けた“非エンタメ志向”のタブレット「TCL Note A1 NXTPAPER」がMakuakeに登場。あえて「なんでもできる万能タブレット」ではなく「紙とペンのように見やすい画面で、ストレスなく集中して効率よくメモできる」ことに絞り込んだ異色のモデルですが、すでに1億5000万円を超える応援金額を集めるなど注目が集まっています。
まず特徴的なのがパネルまわり。一般的なタブレットは、照明や外光が反射したり写り込んで視認性が落ちるほか、表示が鮮やかすぎて目が疲れる悩みもあります。タブレットは画面タッチで操作するだけに、指紋や汚れが付着して気になるのも困りもの。
TCL Note A1 NXTPAPERは、液晶ながらE-Ink(電子ペーパー)に近づけたとうたう特殊な液晶パネルを搭載しています(製品名から誤解されやすいですが、パネルはE-Inkではなく液晶です)。パネルの表面にはマットコーティングを施しており、反射や写り込みはほとんどありません。さらに、パネルの表示はマットコーティングのおかげかコントラストが抑えられており、紙のような柔らかい質感で表示されます。E-Inkとは異なり液晶なので、表示や動作の遅さもありません。
表示の色あいを黄色くすることなくブルーライトをカットする仕組みも備えており、長時間の使用でも目の疲れが少ない印象を受けました。
専用スタイラス「T-Pen Pro」による手書きも、紙とペンにかなり寄せていると感じました。手書きの際のレスポンスは遅延がほぼ感じられず、8192段階の筆圧検知を備えていることもあり、スタイラスにありがちな違和感はほとんどありませんでした。iPad+Apple Pencilに近い仕上がりといえます。付属のスタイラスは、ペンのお尻でタップすると消しゴムとして機能するなど直感的で、ペン自体が軽量で細身なのもよいと感じました。
いまどきのタブレットらしく、会議などの音声を文字起こしして要約するAI機能も搭載します。パネルの周囲に8つものマイクを搭載していることもあり、話者が少し離れていてもしっかり音声を記録してくれました。リアルタイムの文字起こしも可能なので、特に外国語は耳と目で確認でき理解が深まると感じました。AI機能は、出荷時に搭載している機能はサブスク不要で無料で使えるとしているのも好ましいと感じます。
本体の厚さは5.5mm(最薄部)とかなり薄く、重さも約500gと軽めに仕上げています。底面にカメラの出っ張りに合わせたゴム足が付いていて、ぐらぐらしないのは好印象です。
独自アプリストアは用意してほしかった
ただ、気になる点もいくつかありました。OSはAndroidですが、アプリストアがないのでアプリを手軽には導入できません。アプリのapkファイルをダウンロードすれば導入できますが、マルウエア侵入の危険性も存在します。この製品のコンセプトに合ったアプリを集めた独自のアプリストアを用意して、電子書籍アプリなどを手軽に導入できるようにすべきだったと感じます。
ユーザーインターフェースもこなれていないと感じる部分がありました。特に、丸いホームボタンを押しても見慣れたホーム画面が出るわけではなく、ノート一覧が表示されるだけ。ブラウザーなど標準搭載アプリの呼び出しは左上のハンバーガーメニューから行うなど、かなり戸惑います。
別売でキーボード付きのケースを用意しますが、日本語入力時はカーソル部分に入力中の文字が出ず、枠外に表示されるなど、日本語環境では使いづらさを感じます。apkファイルをダウンロードしてGoogleの文字入力アプリ「Gboard」を導入すれば解決しますが、標準で搭載してほしかったところです。
総じて、ハードウエアはよくできているものの、ソフトウエアの練り込みが不足しており、ややとっつきにくい部分が出たという印象を受けます。ただ、ソフトウエアだけに今後のアップデートでいくらでも改良できるので、ガラリと使い勝手や印象が改善する可能性も。価格の高さもあり、決して万人向けではありませんが、響く人には響く新趣向のタブレットといえるでしょう。











