Samsungが、最新のハイエンドスマートフォン「Galaxy S26」シリーズを発表した。米サンフランシスコで開催されたイベントには、国内キャリア(携帯事業者)の担当者も参加しており、各社の期待の高さがうかがえる。

今回は、NTTドコモ、ソフトバンク、楽天モバイルの3社の担当者が囲み取材に応じたので、各社の取り組みをまとめた。

  • Galaxy S26、S26+、S26 Ultraの3モデルが日本で登場。国内の大手携帯キャリア4社すべてが取り扱うことを表明した

    Galaxy S26、S26+、S26 Ultraの3モデルが日本で登場。国内の大手携帯キャリア4社すべてが取り扱うことを表明した

  • カラーバリエーションも含めたラインナップ(左側の2カラーはSamsungのオンラインサイト限定カラー)

    カラーバリエーションも含めたラインナップ(左側の2カラーはSamsungのオンラインサイト限定カラー)

iPhoneと並ぶ柱に据え、1,000人のアンバサダーで販売強化するソフトバンク

ソフトバンクは、2025年にSamsung製端末の取り扱いを再開した。約10年ぶりとなるGalaxy S25シリーズの採用だったが、販売は好調で「期待以上だった」(同社執行役員コンシューマ事業推進統括モバイル事業推進本部本部長・郷司雅通氏)という。

  • ソフトバンク 執行役員コンシューマ事業推進統括モバイル事業推進本部本部長の郷司雅通氏

    ソフトバンク 執行役員コンシューマ事業推進統括モバイル事業推進本部本部長の郷司雅通氏

同社の製品情報ページでは、iPhoneとPixelが特に前面に押し出されていたが、ラインナップにGalaxyが加わり、「3本目の柱」(同)として位置づけられるようになっている。

昨年は、Galaxy S25における端末代金「月額1円」という販売施策が注目を集めたが、今年もこの「月額1円」の販売施策を実行するという。加えて、PayPayと連携したキャンペーンも実施することで、ユーザーが端末代金を抑えて利用できるようにする。

日本市場では、無印の「Galaxy S26」が大きな販売ボリュームになる見込みだと郷司氏。今回はGalaxy S26とS26 Ultraに加えて、中間のS26+が販売されるという点も特徴だが、日本ユーザーの反響を見つつ、S26+の追加で販売がどの程度伸びるかどうかも見ていきたいという。

ソフトバンクの販売戦略の要になるのが、約1,000人規模の「Galaxyアンバサダー」の存在。これは、Galaxyの専門知識を有して販売を行う販売員だ。

Galaxy S26シリーズでは、「Galaxy AI」が前モデルよりもさらに強力に推進されている。「AI」という言葉だけではなく、「生活の中で何ができるのか」という点が具体的にアピールできるとユーザーにもメリットが通じやすい。それを伝えるという意味でも、Galaxyの販売にはアンバサダーの役割が大きい。

実際、アンバサダー資格を有する販売員とそうでない販売員では、Galaxyシリーズの販売数が約2倍の差があるほか、スタッフ自体の離職率が約10%低下していて、モチベーション向上にもつながっているそうだ。郷司氏は、さらに今年はアンバサダーを500人増員する計画を示している。

楽天モバイル、他社GalaxyユーザーのMNP獲得目指す

楽天モバイルは、Galaxy S23以来のGalaxyハイエンド端末の投入だが、Ultraの導入は初めて。同社の調査では、Galaxyのニーズが非常に高かったことが導入の背景にあったという。

  • 楽天モバイルのデバイスビジネス部デバイス販売課Senior Managerの溝口雅紀氏(右)と、デバイス戦略課ViceSenior Managerの内田有喜氏

    楽天モバイルのデバイスビジネス部デバイス販売課Senior Managerの溝口雅紀氏(右)と、デバイス戦略課ViceSenior Managerの内田有喜氏

特に20~30代の若年層からの要望が多く、ハイエンド端末の導入によってARPU(1ユーザー当たりの月間平均収入)を向上させることも狙いの1つ。そのため、全国約1,600のショップで取り扱うほか、そのうちの約50店舗ではSamsung専用の什器を展開し、実機を試して購入できるようにする。

価格面では、Galaxy S26が月々1,990円から設定されており、MNPユーザー向けに1万ポイントの還元を行うことで、実質3万円台後半という価格設定にする。他社でGalaxy Sシリーズを使うユーザーのMNPの受け皿としても期待を寄せる。

16年の歴史を糧に、既存ユーザーに訴求するドコモ

NTTドコモは、2010年2月26日に初めてSamsung端末の取り扱いを開始してから16年。その長期にわたるパートナーシップを強みと位置づける。

  • NTTドコモプロダクトマーケティング本部プロダクトクリエーション部長の大井達郎氏

    NTTドコモプロダクトマーケティング本部プロダクトクリエーション部長の大井達郎氏

長期間にわたる取り扱いの実績があるため、長年のGalaxyユーザーも多く、Galxyの価値やドコモサービスとの連携をしっかりと伝えることで長期のGalaxy利用を促す考え。

ソフトバンクと同様、ドコモショップにもGalaxyアンバサダーが配置されている点もポイント。プロダクトマーケティング本部プロダクトクリエーション部長の大井達郎氏は、みずから希望したスタッフがアンバサダーになっており、Galaxyが好きなスタッフが熱意を持って対応していることが武器になると語る。

大井氏は、Galaxy AIによってリテラシーが高くないユーザーでもハイエンド端末の機能を使いこなせるようになるのでは、と期待を寄せる。

今回は3モデル展開となっており、中間モデルのGalaxy S26+が日本市場でどの程度受け入れられるかは未知数という。大井氏も「1つのチャレンジ」として位置づけており、大きな画面と価格差のバランスでどれだけ日本で支持されるかを見極めたいとしている。

全キャリア3モデル展開のGalaxy S26の動向に注目

Galaxy S26シリーズは、今回KDDIを含めて4キャリアすべてがGalaxy S26、S26+、S26 Ultraの3モデルを展開することになった。

比較的安価ながらハイエンドのスペックを備えるS26、大画面、Sペン、高度なカメラ機能、プライバシーディスプレイといったすべての機能を備えたハイエンド機のS26 Ultra、そして大画面でUltraよりも手に取りやすいS26+というラインナップだが、キャリア側からも、S26+の売れ行きを見極めたいという声があった通り、大画面と安価という2点で、どの程度S26+が受け入れられるかは注目ポイントといえよう。

また、Galaxy AIを強く推進するSamsungに対して、単に「AI」というだけでなく、何ができるか、どんなメリットがあるのかを詳しく解説できる人員を揃えることで、ドコモやソフトバンクはユーザーに訴求していきたい考え。

  • Galaxy AIを強く推進するSamsung

    Galaxy AIを強く推進するSamsung

1000万契約を達成して、さらに若年層のロイヤルユーザー獲得を目指す楽天モバイルにとっては、他社のGalaxyユーザーの取り込みを狙えるとして、積極的に取り組みたい考え。逆に他社にとっても、流出を防ぐ意味で積極的なGalaxyユーザーの取り込みを図りたいところだろう。

グローバルと同じタイミングで国内でも発売されることから、Samsung側も日本市場にさらに力を入れていることが分かる。今後は、Galaxy AIの機能における日本対応の進展にも期待したいところだ。