ASUSは6月19日、プロフェッショナル向けワークステーション(WS)用に設計された大容量電源ユニット「Pro WS Platinum」を発表した。ラインアップは1600W、2200W、3000Wの3モデルで、次世代のAI開発や3Dレンダリングなど、極めて高い電力を要求するワークロードに対応するよう設計されている。

GPUはもともと3Dグラフィックスなどの画像処理を専門に行うパーツであったが、その高い並列処理能力から、AI学習やディープラーニング、科学技術計算といった分野でも中核的な役割を担うようになった。こうした用途では複数のGPUを同時に稼働させることが一般的であり、特にプロ向けのワークステーションでは数千ワットもの電力を必要とするケースも珍しくなくなってきている。

Pro WS Platinumシリーズ最上位の3000Wモデルは、最大4枚のGeForce RTX 5090グラフィックカードを搭載した環境で安定した電力供給を行える。また、2200WモデルはGeForce RTX 5080カードを4枚 、1600WモデルはGeForce RTX 5090カードを2枚までサポートし 、ユーザーはそれぞれのニーズに合わせたモデルを選択できる。

高い電力が要求される環境では、接続が不十分であれば電源ケーブルの発熱や溶解といったトラブルにつながる恐れがある。ASUSは接続の信頼性と安全性を高めるための設計を随所に盛り込んでいる。PCIeコネクタには金メッキされた銅製ピンを採用し、従来の標準的なコネクタと比較してコネクタ部の温度を最大10度低減できるとしている。また、ソケットピンとコネクタの接触を改善することで抵抗を低減し、電力供給の効率と耐久性を高めている。

冷却面では、重要なコンポーネントを覆うヒートシンクに押出成形のアルミニウムを使用している。さらに、冷却ファンには一般的なスリーブベアリングよりも2倍の寿命を持つデュアルボールベアリングを採用し、静音性と長時間の安定動作を実現した。回路基板には湿気やホコリ、異物から保護するためのコーティングが施されており、過酷な環境下でも長期間の安定運用を支える。

出力性能に対して、本体サイズは175×150×86mmとコンパクトで、多くのPCケースに収まる汎用性も備えている。これにより、ケース内のエアフロー改善や配線のしやすさにもつながる。

ATX 3.1およびPCIe 5.1に対応。3000Wおよび2200Wモデルには、PCIe 5.1(16ピン)×4、PCIe 6+2ピン×4、SATA×12といった豊富な出力系統が用意されている。